東本願寺では通常非公開の「白書院」で精進料理がいただける特別昼食「お斎(とき)」が毎日開催されています。公式サイトでは2週間前の事前予約の情報のみですが、実は当日参加も可能です。
今回実際にお斎に参加した経験を元に、お料理の詳細、当日の流れや予約方法、予約時の注意点、食事会場について写真をふんだんに使って詳しく紹介していきます。
食事会場は基本的には「白書院」ですが、特別公開やお寺の行事で白書院が使われているときには別の会場になります。今回の記事では、白書院の特別公開中に案内された「表小書院」の様子も紹介しています。
■東本願寺・特別昼食「精進料理(お斎)」概要
開催日 |
原則毎日開催 ※特別公開期間中やお寺の行事などで予約できない日もあり |
|
---|---|---|
開催時間 |
11:30~13:30まで ※当日受付の場合13:00まで |
|
申込人数 | 1人~ | |
申込方法 |
事前予約 | 希望日の2週間前までに電話申し込み TEL:075-371-9210 (東本願寺・本廟部参拝接待所) TEL受付時間9:00-17:00 ※人数変更、キャンセルは予約日の4日前(受付時間内)まで。それ以降のキャンセルは不可 |
当日受付 | 東本願寺「参拝接待所」の受付で参加希望の旨を伝え、申し込み用紙を記入 9:00~13:00までに申し込みが必要 ※当日仕出しの準備が可能であれば当日の参加が可能 |
|
昼食会場 |
通常 | 書院・白書院 |
例外 | 表小書院など別の部屋 ※特別拝観や行事で白書院が使えないときは別の部屋での食事 |
|
料理 | 精進料理 |
|
料金(冥加金) |
・大人:4,000円(税込)/1食 ※2024年4月現在3000円から4000円に値上がりしていました ・子ども:1,000円(税込)/1食 ※子どもは3~8歳くらいまで・料理は子ども向けになる |
|
支払い方法 | 当日現金支払い |
※上記は記事執筆時の情報となり変更が生じることもあります。
では、目次を開いて気になる項目から読み進めてください。
(項目をクリック/タップすると該当箇所にスクロールします)
お斎(とき)とは?簡単に紹介
お斎の読み方と意味、東本願寺がお斎を開催する理由(想い)
「お斎」は「おとき」と読み、浄土真宗の仏事などの際に人々が持ち寄ったお米やお野菜などを調理していただく食事のことを指します。
東本願寺さんは、このお斎を通して食事をいただくことの意味を思い返したり、仏様の教え(仏法)に出会える尊さを感じる機会にして欲しいという願いから、毎日お斎を開催されています。
公式の文章もシェアしますね。
「お斎」とは、報恩講などの仏事の際に御同朋があいつどい、米や野菜などを持ち寄って、調理していただいた食事のことです。お斎をいただきながら、宗祖親鸞聖人の遺徳をしのびつつ、ともどもにお念仏に出遭った喜びを語りあいました。
本山に参拝された機会に、ぜひお斎をとおして、日頃の生活の中で忘れがちな食事をいただくことの意味をあらためて思い返し、仏法に遭うことの尊さにふれていただければと思います。
(引用元:東本願寺お斎の紹介パネル)
実際の仏事のお斎と毎日開催のお斎の違い
実際のお斎は、持ち寄られたお米やお野菜を使って調理した料理を指しますが、毎日開催されているお斎は、そうはいかないので仕出し屋さんのお料理が提供されます。
申込前に知っておきたい3つのポイント【東本願寺・お斎】
1.食事会場が「白書院」以外の時でも事前アナウンスなし!
東本願寺のお斎(精進料理の昼食)の会場は、基本的には非公開の「白書院」なのですが、特別公開や行事などで「白書院」が使われている場合、別の部屋でお食事をいただくことになります。
ここでのポイントは、お斎の予約日に「白書院」が使えない場合でも、東本願寺の担当者側からお知らせ(アナウンス)がないことです。
なので、「白書院」が1番の目的の方は、必ず予約時に「白書院」で食事がいただける期間なのか、自分から確認する必要があります。
2つのお部屋の詳細は後ほど書きますね。
白書院 | 表小書院 |
2023年3月11日までの金曜日・土曜日は、京の冬の旅で白書院が特別公開されているのでお斎の会場は白書院以外になります。東本願寺の京の冬の旅特別公開は完全予約制です。また、2023年3月25日~4月29日は慶讃法要があるのでお斎の開催に変更があるかもしれません。
2.当日参加枠あり!仕出しの準備が間に合えば当日の申し込みも可能
東本願寺のお斎の存在は知っていても2週間前の事前予約で断念した人も多いのではないでしょうか。
東本願寺の公式サイトには記載がありませんが、お斎の当日参加も可能です。
東本願寺の参拝接待所に行き、窓口でお斎に当日参加したい旨を伝えると、窓口の方が仕出し屋さんに料理の準備が可能か確認されます。
仕出し屋さんでの準備が可能であれば当日参加が可能になります。
私が当日参加した日は、11時50分頃に問い合わせて12時30分に案内可能とのことでした。
なお、当日参加の場合は11時30~13時までがお斎の時間になります。
東本願寺 お斎開催時間 | |
---|---|
事前予約の場合 | 11:30-13:30 |
当日参加の場合 | 11:30-13:00 |
お願いすれば椅子も準備してもらえる
(↑こちらは書院特別公開(京の冬の旅)期間中に案内された表小書院)
東本願寺のお斎のチラシやサイトの写真を見て椅子じゃないので申し込みを断念した方もいるのではないでしょうか。
正座や足を崩して座るのが辛い方は、上の画像のようなイスとテーブルを用意してもらうことができるので、予約時に椅子をお願いしたい旨を伝えるのがおすすめです。
(↑こちらは書院特別公開(京の冬の旅)期間中に案内された表小書院)
お斎では食事会場の畳に赤い毛氈(フェルト状の敷物)が敷かれ、その前にお膳が置かれます。会場が「白書院」でもその他の会場(表小書院など)でも同じ仕様です。
精進料理の詳細(メニュー・献立)【東本願寺・お斎】
お料理の全体像とボリューム(量)
上の画像はお料理が全部そろった状態です。
お吸い物など汁気のあるものは席に着いた後に運ばれてきます。
精進料理なので肉や魚、卵や乳は一切使われていないので、アレルギー餅の方やお肉が苦手な方も安心のメニューです。
お味は全体的にかなり薄味ですが、おいしいです!
お料理のボリュームは、しっかりお腹いっぱいになる量です。
特にご飯の量が多く、普段小さいお茶碗を使ってる方だと2~2.5杯分くらいに感じる量だと思います。
左のお膳のお料理(メニュー)を詳しく
お料理の写真をアップで紹介していきますね。
お斎では、1品1品の解説がなかったので私の記憶に残っている限り詳細も書いていきます。
まずは、炊き込みご飯です。お味はかなり薄味!
人参や筍、ゴボウなどお野菜が数種類入っています。
次に、かぼしゃの煮物、梅麩(梅の形のおふ)、さやえんどう、ゆば、手前の丸いのは名前が分からずです。(がんもどきのようなものです)
こちらは、あん状のお出汁にお花型のにんじん、慈姑、あともう1種(人参の下の2つ)が入っているのですが、最後の1種は名前が分からずです。
次に胡麻豆腐。
次にきゅうりと人参などの白和えと緑葉のおひたし。なんの葉か分からずです。
右のお膳のお料理を詳しく
今度は右のお膳のお料理の写真をアップで紹介。
こちらも、名前が分からないものがありますができる範囲でお伝えしますね。
まずは天ぷらです。3種のうちシイタケしか覚えていない状況です。
てんぷらは大根おろしと天つゆでいただきます。
↓こちら天つゆ。
次にお吸い物。おすましですね。
おすましの具は、菜の花、柚子、ゆば、しいたけだと思われます。(ちょっと自信なし)
次にお漬物。白菜と人参のお漬物と梅干です。
最後にデザート。オレンジ、イチゴ、寒天です。
お茶はほうじ茶。
お茶はグループに1つ大きめの急須が用意されていています。
当日の流れ【東本願寺・お斎】
昼食のお部屋への移動の流れ
1.予約時間前に参拝接待所へ行き、案内係の方を待つ
参拝接待所の中に椅子があるのでここで案内係の方が来るのを待ちます。
ちなみに、食事会場となる「白書院」または「表小書院」には、お手洗いはないので案内される前に行っておくのがおすすめです。
お手洗いは参拝接待所の隣にある建物「ギャラリー」内にあります。
参拝接待所内で荷物をロッカー(無料)に預けることもできます。
なお、参拝接待所は↓の画像の★印がのところです。御影堂門から入ると近いですね。
実際の建物、参拝接待所の外観は↓こちら。靴を脱いで中に入ります。
2.案内係の方と白書院へ
お斎の準備ができたら案内係の方がいらっしゃるので案内に従って食事会場に向かいます。
食事会場へ行くときには案内してもらえますが、帰りは案内なしで戻らなくてはなので、順路を覚えておく必要があります。
なお、参拝接待所から食事会場(白書院または表小書院)までは、2~3分歩きます。
道順を覚えるのが不安な方の為に写真を使って順路を紹介しておきますね。
ただ、行くときの道のりの写真なので帰りは逆になります。
(↑ギャラリー入口の様子)
食事会場の非公開エリア「白書院」または「表小書院」は参拝接待所の隣にあるギャラリーの奥にあるので、まずはギャラリーに向かいます。
(↑ギャラリー奥の非公開エリアへの出入り口)
ギャラリー内を直進すると非公開エリアへ出入り口があります。
先ほどの出入り口のすぐ左手には普段は非公開の「大寝殿」があります。
大寝殿前の廊下を直進していきます。
こちらの廊下の突き当りを左に曲がります。
曲がるとすぐにまた突き当りになるのでそこを右に曲がります。
右に曲がると黒い石が敷かれた廊下が続きます。
黒い石の廊下を進むと結界があるのでそこを左に曲がります。
この廊下の途中(右側)に「表小書院」があり、直進した左側に「白書院」があります。
↓こちらが表小書院への通路。
先ほどの石の廊下を直進した先の左側が「白書院」です。
↓こちらが「白書院」の外観です。
食事開始から終了までの流れ
ここからは、当日のネタバレにもなるので楽しみを当日まで取っておきたい方は、読み飛ばしてくださいね!
1.お斎についての簡単な解説
お膳の上には、上の画像にあるように大きな紙がかけられています。
こちらに書かれた言葉の意味とお斎についての簡単な説明があります。
お膳にかけられている紙は記念に持ち帰ることもできます。
2.食前の言葉を唱和
お膳の右前に「食前の言葉」と「食後の言葉」が書かれた紙が置かれています。
お食事前に案内係の方と共に「食膳の言葉」を読み上げてからいただきます。
【食前の言葉】
み光のもと
われ今さいわいに
この浄き食をうく
いただきます
”み光のもと”を案内係の方が言ったあと、一緒に”われ今”以降を言います。
食膳の言葉を言った後、案内係の方は戻られるのでこの後は自分のペースで食事をして、食べ終わったら自分で先ほどの順路を戻っていきます。
お吸い物などの配膳
お吸い物など汁気のあるものは食膳の言葉の後に配膳されます。
お箸には東本願寺の文字があり、かなりしっかりした造りになっています。
食後に食後のことばを言う
お料理をいただいた後は自分で食後の言葉をいいます。
口に出していっても心の中で唱えてもOKです。
【食後の言葉】
われ今
この浄き食を終わりて
心豊かに力身にみつ
ごちそうさま
建物内の部屋を見学
食事会場が白書院だった場合、障壁画や庭が綺麗なので建物内を見て回るのがおすすめです。
特別公開で白書院に行った際に写真撮影OKだったので、お斎で訪れてもOKだと思います。
料理と見学に満足したら、自分のタイミングで帰ります。
特に係の方などいないので自力で来た道を戻ります。
参加しての感想(良かった点・残念だった点)【東本願寺・特別昼食(お斎)】
今回、食事会場が「白書院」ではなくイレギュラーの「表小書院」でしたが、京の冬の旅の特別公開で白書院は既に見学済みだったので、逆に普段は見れない「表小書院」に入れて丁度良かったです。
お料理もおいしくお腹いっぱいになるので、京都で精進料理を食べると考えたときに今回のお料理のボリュームと味で3000円はお得だと思います。(※2024年4月現在4000円に値上がりしたのでお得度は若干下がりました)
特に本来の白書院で食事ができた場合にはかなりお得なお値段になります。
残念だった点を挙げるとすると当日受付と部屋までの案内を担当してくれた2名の方の対応にWelcome感がなかったところですね。
他の方を案内していた方はとてもWelcome感ある方だったので、全員が全員同じ対応ではないようです。
淡々とした対応が好きじゃない方はそれを踏まえて3000円の価値があるかを考えて申し込みを決めるのがおすすめです。(※2024年4月現在4000円に値上がり)
個人的には、また暖かい時期に白書院で食事ができる日をねらって当日参加してみたいと思います。
食事会場の非公開「白書院」「表小書院」を簡単に紹介【東本願寺・お斎】
非公開「白書院」はこんな場所!
東本願寺 白書院の概要
- 明治44年(1911)年再建
- 来賓の接待などで使用
- 帳台構や違い棚を設けた書院造
東本願寺の書院は、明治44年(1911年)に親鸞聖人650回御遠忌の際に際消された書院造の建物です。
通常は非公開で、来賓の接待などで使われています。
建物内の見どころのひとつは欄間。
白書院の欄間は、東本願寺の唐門(菊の門)や仁和寺の勅使門も手掛けた亀岡末吉(1865-1922年)らの建築技師によるものです。
見どころのもう一つは障壁画。
東本願寺の白書院の障壁画は京都画壇の幸野西湖や森本東閣、伊藤鷺城によるもの。
東本願寺の白書院の障壁画には東本願寺の紋である「牡丹」と親鸞聖人にちなんだ「藤の花」が描かれています。
白書院からは能舞台とお庭が見られます。
非公開「表小書院」はこんな場所!※白書院が使えないときの食事場所
「白書院」が特別拝観や行事で使われているときには、別の部屋に案内されます。
私が京の冬の旅で白書院の特別公開をしている際にお斎に申し込んだときにはこちらの「表小書院」に案内されました。
こちらの表小書院は情報がなく、どういったお部屋なのかお伝えすることができない状況です。お部屋に案内してくれた方にもっといろいろ聞いておくのだったと後悔しています。
お部屋の天井の作りや床の間の作りを見たところ格式は高くないお部屋です。
私がお斎で表小書院に行ったときは冬で暖房をきかせていたため、最初は襖は全てしまっている状態でした。
ご一緒した別の方が締め切った部屋で食事をしたくない!チラシにあった庭を楽しみにしていたのに部屋と違う!とご立腹されていて、配膳の方に襖を開けるよう依頼して上の写真のように庭の木々が少し見えるようになりました。
ただ、途中から寒くなってご自身で襖を閉めてました。
申し込み方法(事前予約・当日参加)【東本願寺・特別昼食(お斎)】
事前予約の場合
事前予約の場合、希望日の2週間前までに電話で申し込みをします。
原則、毎日お斎は開催しているので希望日と時間を伝えます。
お斎の受付電話番号はこちらです。
【東本願寺 お斎(精進料理)申し込み】
TEL:0753719210
東本願寺・本廟部参拝接待所
TEL受付時間9:00-17:00
東本願寺 お斎 | ||
---|---|---|
開催日 |
原則毎日開催 ※特別公開期間中やお寺の行事などで予約できない日もあり |
|
開催時間 |
11:30~13:30まで ※当日受付の場合13:00まで |
|
料金(冥加金) |
・大人:4,000円(税込)/1食 ※2024年4月現在3000円から4000円に値上がり ・子ども:1,000円(税込)/1食 ※子どもは3~8歳くらいまで・料理は子ども向けになる |
|
支払い方法 | 当日現金支払い |
すでに伝えした通り、食事の場所が白書院になるのか他の場所になるのかの確認をおすすめします。
また、椅子をお願いしたい方は予約の際に伝えておくと良いですね。
東本願寺「お斎」当日参加方法
お斎の当日参加の場合、次の2STEPで申し込みます。
STEP1:当日参加できるか確認
東本願寺境内の「参拝接待所」に行き、中のお問い合わせ窓口でお斎の当日申し込みが可能か確認します。
窓口担当の方が仕出し屋さんに電話をし準備ができるようなら申込可能です。
STEP2:申込用紙の記入&お支払い
当日参加OKであれば申し込み用紙を記入し料金をお支払いして受付完了です。
参拝接待所の入り口を入って右手に↓このようなお斎の展示があり、当日の何食準備できるか書いてあります。
ただ、仕出し屋さんがお料理を準備できるか確認が取れて初めて申し込めるので、東本願寺についたらすぐに確認するのがおすすめです。なお、当日受付は13時までとかいてありました。
参拝接待所は↓こちらの建物です。
東本願寺 お斎 | ||
---|---|---|
開催日 |
原則毎日開催 ※特別公開期間中やお寺の行事などで予約できない日もあり |
|
開催時間 |
11:30~13:30まで ※当日受付の場合13:00まで |
|
料金(冥加金) |
・大人:4,000円(税込)/1食 ※2024年4月現在3000円から4000円に値上がり ・子ども:1,000円(税込)/1食 ※子どもは3~8歳くらいまで・料理は子ども向けになる |
|
支払い方法 | 当日現金支払い |
その他の非公開エリアでの昼食情報
東本願寺が気になるあなたにお勧めの記事
こちらで紹介している情報は記事執筆時点のもので変更になることもあります。
お出かけ前に公式サイトや公式SNSでご確認のうえ、お出かけくださいませ。
それでは素敵な京都旅を♪