特別拝観

京都・上徳寺 特別公開レポ(第57回京の冬の旅)当日の受付や見学の流れ・撮影の可否・御朱印などパンフやガイドブックでは分からない魅力を紹介!(令和5年・2023年)

第57回京の冬の旅で特別公開されている「上徳寺」は公式ホームページがないので、その魅力が伝わりにくいお寺のひとつ。

京の冬の旅のサイトやパンフでも見どころがサラッとし書かれておらず、しかも実際に上徳地にいってみるとパンフに記載がなかった寺宝がずらり!

次にいつ特別公開がわからないレアな寺院ので情報が少なく拝観に行かない方がいるのは非常にもったいない!

ということで、こんな方に向けて拝観レポートを紹介します。

  1. 特別拝観に行くか悩んでいる方
  2. 行く予定で事前に予習したい方
  3. もう行ったけど振り返りをしたい方
  4. 今回は行けないけど特別公開の内容を知りたい方

京の冬の旅のサイトやパンフレットだけでは分からない、公開内容の詳細や見落としてほしくない見どころ、撮影の可否、御朱印についても詳しく紹介していきます。

もし、概要だけざっくり把握したいという方は次の一覧をご確認ください。

■上徳寺 京の冬の旅概要

特別公開期間 2023年1月7日(土)~3月19日(日)
※2月7日(火)~9日(木)は特別拝観休止
公開時間 10:00-16:30(16:00受付終了)
拝観料 800円
特別公開内容 ・本堂内部
⇒本堂内に掛け軸4幅の展示あり
「釈迦涅槃図」「徳川家康肖像画」「徳川家光肖像画」「阿茶局肖像画」
・客殿内部と庭園
⇒客殿内の襖絵は円山派筆
⇒客殿床の間には円山応挙筆の掛け軸や葵の御紋が入った小物の展示
⇒客殿脇床には蒔絵の小物が多数展示
・地蔵堂内部と地蔵菩薩立像(世継地蔵尊)
⇒世継地蔵尊(石像)を間近で見学可能
公開エリアの撮影除く 特別公開エリア全域撮影可能
※絵馬は個人情報なため撮影はNG
※地蔵菩薩像(石像)今回初めて特別に撮影可能
寺院概要 ・1603年(慶長8年)徳川家康により建立された浄土宗の寺院
・家康の側室 阿茶局が開基
・本尊は阿弥陀如来(快慶作)
・観光寺院というより「子授け・安産」のご利益で有名
・毎年2月8日に開催される「世継地蔵尊大祭」は一億日分の功徳を授かる日として全国から参拝者が訪れる
住所 京都市下京区富小路通五条下ル本塩釜町556番地

では、目次を開いて気になる項目から読み進めてくださいませ。
(項目をクリック/タップすると該当箇所にスクロールします)

【上徳寺 特別拝観】拝観受付の場所・配布物:第57回 京の冬の旅

特別拝観受付の場所(画像付)

上徳寺の京の冬の旅拝観受付は本堂のすぐ左側にあります。

上の写真は正門を入ってすぐの場所から撮影したもので、拝観受付の右側の建物が「本堂」、左側の建物が「客殿」です。「地蔵堂」は客殿の奥側に立っています。

拝観受付は、下の画像のような小さなボックス上の建物です。

Kico
Kico
この日は拝観受付ぎりぎりに行ったので、帰り際に写真を撮ったためしまった状態になってしまいました。通常の受付時間中は1人の方が受付を担当してくださいます。

境内図で受付の場所を表すなら下の画像の★印部分になります。
※境内図は私が資料を元に書いたものなので方位・縮尺・パースは正確ではありませんのでご注意を!

拝観受付後に配布されるもの

  1. 特別拝観用チケット
  2. 上徳寺のパンフレット
  3. 京の冬の旅スタンプラリー台紙
    ※すでに持っている方は押印してもらう

上徳寺で拝観受付を済ませると京の冬の旅オリジナルの拝観チケット、上徳寺のパンフレット、京の冬の旅スタンプラリーの台紙が渡されます。

Kico
Kico
パンフレットは四つ折りタイプで山号の由来や世継地蔵の由来、年中行事なが紹介されています。ただ、文体がちょっと古めかしく遠回しな表現なのでちょっと内容を理解しにくいパンフです。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【上徳寺 特別拝観】公開エリア・寺宝の詳細と撮影の可否一覧:第57回 京の冬の旅

上徳寺では、京の冬の旅で特別に公開されるエリア全てが撮影可能です。
今回は初めて地蔵堂内部に安置されている「地蔵菩薩像」も間近で撮影できるという大盤振る舞い!

■特別公開エリアと寺宝の詳細、撮影の可否一覧
前述した通り特別に公開されるエリア全てが撮影可能です。
各公開エリアに展示されている寺宝の詳細も含め一覧にまとめました。

公開エリア 公開内容(寺宝詳細と撮影可否詳細)
本堂内 ・本堂内:撮影OK
※本尊の「」は国宝に指定されたため、お像の健康診断に出されているとのことで見ることができません。3月末に公開されるかもとのことです。
・寺宝の掛け軸:撮影OK
⇒掛け軸は4幅「釈迦涅槃図」「徳川家康肖像画」「徳川家光肖像画」「阿茶局肖像画」
客殿内 ・客殿内:撮影OK
⇒円山派筆の襖絵も撮影可
・寺宝の掛け軸:撮影OK
⇒円山応挙作の掛け軸も撮影可
・寺宝の小物:撮影OK
⇒螺鈿の箱や葵の御紋の入った香炉や菊紋の入った香炉なども撮影可
地蔵堂内 ・地蔵堂内:撮影OK
・地蔵菩薩像:撮影OK
⇒堂内の地蔵菩薩立像(世継地蔵尊)を横から撮影可能

その他、墓地内の「阿茶局のお墓」もお参りすることができ撮影もできました。

絵馬は個人情報なため撮影はNGですが、そのほかは全て撮影OKという太っ腹対応の上徳寺さんです。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【上徳寺 特別拝観】拝観ルート(順路)と見どころ:第57回 京の冬の旅

順路1:本堂(極彩色の仏間と寺宝の掛軸「涅槃図」「家康・阿茶局・秀忠の肖像」)

拝観受付を済ませたあとにまず本堂に向かいます。
受付のすぐ右手が本堂です。

(↑本堂外観)

本堂内部は普段は非公開なので、今回の京の冬の旅の見どころのひとつ。
靴を下駄箱に預けて回廊を左に進み堂内へ入ります。

本堂の正面にかかげられている額(扁額へんがく)には山号の「塩竈山しおがまさん」の文字。
上徳寺がある一帯の住所は「塩竈町」で、現ご住職も「塩竈」さんとおっしゃるそうです。

この「塩竃」の由来は、本堂内で案内ガイドさんから説明がありました。

回廊を進み本堂に入ると左手に仏間内陣があり、仏間外陣の1番奥側には今回特別に公開される寺宝の掛け軸4幅が展示されています。

本堂にはいるとガイドさんから次の解説がありました。

  • 塩竃山の由来
  • お寺の歴史の概要
  • 仏間の解説(厨子の周りの構造、螺鈿の柱、竜の絵など)
  • ご本尊「阿弥陀如来立像」が重要文化財になった理由(他の仏像との違い)
Kico
Kico
拝観日に担当されるガイドさんによって多少説明が異なる場合があります。ガイドさんによっては質問すると色々教えてくださるので興味があることは聞いてみるとより楽しいですよ!

本堂は1753年(宝歴3年)建立で、元々は京都市左京区にある永観堂えいかんどうにあった「祖師堂そしどう」を移築したもの。

木材の痛みや退色はありますが、極彩色が現在も残ります。

(↑柱に描かれた龍)

奥材の亀裂で少しわかりにくいですが、柱には龍が描かれています(緑色の丸の中)

(↑内陣)

本尊を安置する須弥壇しゅみだんの周りは一周できる造りになっているそうです。
須弥壇の奥側にある柱は貝殻入りの黒い柱でキラキラ光ります。

(↑螺鈿の柱)

Kico
Kico
螺鈿好きの私としてはこの柱の説明を聞いてテンション上がりまくりました!この柱を見ただけで拝観満足度UP!

なお、本尊がある内陣の両脇(脇間)はこんな感じです。

左の脇間(内陣の左側) 右の脇間(内陣の右側)

(↑PCの場合クリックすると拡大します)

Kico
Kico
右の脇間の部屋の広さに対してずいぶん大きな太鼓が印象的でした。本堂はそこまで広くないのでこの太鼓をたたいたらかなり激しい感じになるなー。なんてことを考えていました。

さて、お次は快慶かいけいと伝わるご本尊の「阿弥陀如来立像」

2022年11月に重要文化財になったということで楽しみにしていましたが、お像の健康診断3月末まで東京に出張中とのこと。

(↑本尊の解説パネル)

なお、案内ガイドさんによると健康診断で出張中の「阿弥陀如来立像」は3月末には戻ってくる予定なので、その頃に拝観できるのではないかということです。

阿弥陀如来の両脇を固める「観音菩薩像」と「勢至せいし菩薩像」は見ることができます。
中央は仮の本尊が置かれています。

実際の「阿弥陀如来立像」は97.3cmで「観音菩薩像」と「勢至菩薩像」よりも大きいとのお話でした。

先ほどのパネルにも書いてはありますが、本尊がなぜ重要文化財になったのか、他の阿弥陀如来立像とこが違うのかはガイドさんが解説してくださいます。

仏間の解説をしてもらった後は、寺宝の掛け軸へ。

左から「釈迦涅槃図しゃかねはんず」「徳川家康肖像」「阿茶の局肖像」「徳川秀忠肖像」です。
右の秀忠の掛け軸の前にある黒い箱は葵の御紋つきです。

どの掛け軸も作者不明とのこと。

(↑釈迦涅槃図)

寺院めぐりが好きな方はすでにご存じかと思いますが「涅槃図ねはんず」とは、お釈迦さまが亡くなった様子(入滅にゅうめつの様子)を描いたものです。

お釈迦さまが亡くなることを「涅槃に入る」ということから涅槃図と呼ばれます。

涅槃図ではお釈迦様が亡くなった日にお弟子さんや動物、鬼までもが悲しむ様子が描かれます。

Kico
Kico
お釈迦様が亡くなったのが古代インド暦の2月15日なため、京都の多くの寺院が2月15日か旧暦の2月15日である3月15日前後に涅槃会(法要)を行います。東福寺と泉涌寺では日本最大級の涅槃図が公開され、本法寺では長谷川等伯が描いた涅槃図が公開されます。特別公開好きな方は京都の涅槃会も要チェックです!

こちらの涅槃図のお釈迦様の表情は非常に穏やかで柔らかいですね。
お釈迦様は80歳で亡くなれていますが、この涅槃図のお釈迦様は若々しいです。

個人的には3面の阿修羅(白と赤の玉を持っている赤い顔の人物)が非常にかわいくてお気に入り。

(↑摩耶夫人飛来)

お釈迦様のお母様である摩耶夫人まやぶにんが飛来する様子もお付きが多く華やかです。

私の大好きな迦陵頻伽かりょうびんが(上半身が人で下半身が鳥の想像上の生き物)も描かれています。

上徳寺の特別公開で見られる釈迦涅槃図は非常に色鮮やかで描かれた人物や動物もユーモラスでずっと見ていられます。

お次は徳川の肖像画。

(↑家康・阿茶の局・秀忠肖像画)

家康、阿茶の局、秀忠肖の像画が少し痛みもあり、くすみカラーの掛け軸です。

(↑家康肖像画)

武将の肖像画は、教科書で見たものが脳裏に焼き付きますがこちらの家康は頭の中にあるイメージと大きく違いませんでした。


(↑阿茶局肖像画)

家康から最も愛された側室と言われる阿茶局の肖像。
こちらの阿茶の局はふっくらしたお顔ですね。

東京江東区にある雲光院の肖像画はもっと面長です。

阿茶局は、馬術、武術に優れ、共に戦場へも同行する才知に富む女性。
家康死去後も幕府を支えた女性です。

現代に残る公文書(譜牒余録ふちょうよろく)にも阿茶局が大坂城内の淀殿の元へ出向き、家康の上意を伝えたと記されています。

Kico
Kico
阿茶局は「小牧・長久手の戦い」に同行して流産したのち、子どもが産めない身体となったとのことなので、上徳寺が小授け・安産で有名なお寺になったのは阿茶の願いからかもしれないと思うとなんだか感慨深いです。


(↑秀忠肖像画)

こちらは秀忠の肖像画。
秀忠は家康と西郷局さいごうのつぼねとの間に生まれた子どもですが、秀忠を養育したのは阿茶局。

本堂の見学に満足したら今度は客殿へ!

順路2:客殿(円山応挙作の掛け軸、円山派を学んだ絵師による襖絵、菊紋・葵の御紋が入った寺宝)

本堂の見学と写真撮影を終えた後は客殿へ。
本堂の回廊からそのまま客殿の玄関に渡れるように階段や通路が用意されています。

こちら↓が客殿の玄関。

客殿はまた別のガイド(説明員)さんが、案内してくれました。

客殿内は一番奥のお部屋と庭園が今回の京の冬の旅特別拝観の公開場所なので、奥の部屋まで少し歩きます。

Kico
Kico
この記事を書きながらはじめて気が付きましたが、上の写真の廊下左手に杉戸絵がありますね。完全に見逃しました!これから上徳寺の特別拝観に行かれる方はぜひじっくり見てきてくださいませ。

さて、今回の京の冬の旅の見どころである客殿のお部屋はこちら!

上徳寺の客殿は、明治期に聖護院にあった公家住宅(貴族の屋敷)を移築されたと伝えられる江戸後期の書院造の建物です。

今回特別公開されたお部屋は、手前が「紅葉の間」奥が「桜の間」です。

ちなみに、客殿とは寺院の表向きの接客の場となる建物のことです。

床の間の掛け軸と違い棚などに置かれている寺宝が、京の冬の旅のパンフやガイドブックとは異なります。後ほど寺宝のアップ写真紹介しますね。

Kico
Kico
余談ですが、このお部屋のお隣は茶室になっていて外国人観光客向けに英語での茶道教室が開催されています。拝観日に隣から英語での解説が聞こえてきました。主催者を調べたところ「Tea Ceremony Juan」さんというところでした。お茶室にも入ってみたい方は参加してみるといいですね!

さて、室内を見ていきましょう!


(↑桜花図)

奥のお部屋の襖絵は円山まるやま派を学んだ絵師が描いた「桜花図」
襖絵の題材が桜なので奥のお部屋は「桜之間」となっています。


(↑紅葉図)

手前のお部屋の襖絵は、同じく円山まるやま派を学んだ絵師が描いた「紅葉図」
襖絵の題材がもみじなので手前のお部屋は「もみじ之間」となっています。

Kico
Kico
襖絵の作者については特に書物などの記録がないようで解説などはありませんでした。個人的には襖絵より飾り棚の寺宝に夢中でそちらばかり見ていました。

(↑円山応挙筆)

床の間にかざられた掛け軸は円山応挙まるやまおうきょとのことです。

円山応挙(173-1795年)は、江戸時代の後期に京都で活躍した天才絵師。

京の冬の旅のサイトやパンフには記載がなかったので有名人の絵がさらりと飾ってあることに驚きです。

床の間の掛け軸の下には香炉と香炉台があります。
特に説明はありませんでしたが、香炉台の形状が非常に素敵です。

床の間の右側、脇床わきどこにもいろいろと展示されています。

蒔絵まきえの寺宝がなんとも美しいです!

螺鈿のキラキラはいつ見ても心ときめきます。

違い棚の下にも蒔絵。

こちらも美しい!

こちらは菊紋が描かれていますね。

客殿の天井は格子天井です。格式を重んじる部屋ということですね。
上徳寺の客殿にある照明のデザインが非常に美しいのでこちらもぜひ見てください。

京都の寺院めぐりをしていると、とてもおしゃれな照明を取り付けているところが多いのでこれも拝観の楽しみのひとつになっています。

客殿はもともと貴族の屋敷だったということで、釘隠しも立派ですね。

客殿にはお花も飾られていました。

客殿の襖絵や掛け軸、蒔絵を堪能したら次は庭園の見学です。
お部屋からそのまま縁側に出て見学していきます。

順路3:庭園(昭和に造られた枯山水)

枯山水の庭は昭和に作庭されたものとのこと。
庭園の解説は特になく自由に見学します。

庭L字型に造られています。

↑こちらは客殿の手前の部屋(もみじの間)の端から撮った庭園。
この位置から客殿の廊下側を見ると↓のように続いています。

2月3日に入ったのですが日陰には1月26日の雪がまだ残っていました。

お庭を堪能したら、次は地蔵堂へ!
地蔵堂に行くには、本堂前の下駄箱に置いた靴を取りにいかなくてはいけません。

まずは、客殿の玄関に向かいます。

入ったときは気づきませんでしたが、能面が飾られています。
今回公開された桜の間ともみじの間の隣には4室あるようですね。

こちらも入ったときには気が付きませんでしたが、廊下の突き当りには杉戸絵があります。

肉眼で見たときには暗くてよく分かりませんでしたが、画像の明るさを調整してみると結構鮮やかな赤が残っていることが分かりました。

どういうシーンが描かれているのか後日調べてみたいと思います。

さて、客殿の玄関を出て本堂へ。

来た時と同じ順路で本堂に戻り、靴を履いたら今度は本堂と客殿の間を通って左手奥の地蔵堂へ向かいます。

↑板と板の隙間を通っていきます。

順路4:地蔵堂(堂内・世継地蔵の石仏)

こちら↑が地蔵堂。
地蔵堂の左手にお堂の中に入る入口があるのでそこから中へ入ります。

↑こちらが入口。
普段は入れず、今回初めて中に入ってい2mもの大きな石にほられた世継地蔵よつぎじぞう(地蔵菩薩立像)が見られます。

御堂の中に入ると世継地蔵が安置されている須弥壇が。
須弥壇左側面の扉が開いているのでそこに進み、世継地蔵と対面します。

↑こちら世継地蔵(地蔵菩薩立像)。

とにかく大きい!しかも、この世継地蔵を掘ったのが仏師ではいところがまた驚きです。

寺伝によると徳川家綱が将軍だった1656年(明暦3年)、ひとりの子どもを失い、世継に恵まれるようにと本堂に籠り祈願(参篭さんろう)していた清水氏の夢の中にお地蔵さまが現れ「私の姿を石に刻み静かに祈りなさい」と言われたので実際に彫り、祈ったところ世継に恵まれたとのこと。

こんなにも大きな石があることもまたすごいですよね。

Kico
Kico
清水氏が男性なのか女性なのかはわかりませんが、世継のために祈願すると言えば女性のイメージがあるので、これを女性がひとりで彫ったとなれば、何か人知を超えた力がその人に降りてきたのかなーと想像していました。

世継地蔵の正面はこちら↑。とても穏やかなお顔ですね。
世継地蔵を正面に見るポジションで後ろを振り返ると、世継地蔵がいつも眺めている景色が見られます。

これもなかなか貴重な体験です。

御堂の外側から世継地蔵のご尊顔はよく見えないので、今回の京の冬の旅での堂内見学はとても貴重です。

特に小授け・安産のご利益にあやかりたい方は堂内で直接、世継地蔵さまに祈ることができるのでこの機会がおすすめですね。

さて、ここまでが京の冬の旅ので公開される特別拝観です。
このあとは一般公開エリアを自由に見学します。

阿茶局のお墓もお参りできます。

(↑阿茶局のお墓)

阿茶局のお墓は、東京都江東区の「雲光院うんこういん」、京都市左京区の「金戒光明寺こんかいこうみょうじ」と上徳寺にあります。

雲光院と金戒光明寺の墓石は宝篋印塔ほうきょういんとうなので、丸いフォルムの上徳寺の墓石はめずらしいかもしれません。

順路6:一般公開エリア(阿茶局のお墓、石碑、各種地蔵尊など)

上徳寺は、今回特別公開された本堂・客殿・地蔵堂以外にも小さな祠があり、いろいろなお地蔵さまが祀られています。

境内図と共に一般公開エリアも紹介しますね。

上徳寺境内図(Kico制作)※正確ではありません参考までに

上の境内図のピンクうす紫の部分は一般公開エリアで自由に見学ができます。

この境内図を作成しているときに知ったのですが墓地には江戸中期の俳人・堀内雲鼓ほりうちうんこ(1665-1728年)のお墓もあるとのこと。

(↓PCの場合画像をクリックすると拡大します)

手水舎 はがため地蔵 水子地蔵
延命地蔵1 延命地蔵2 願いの塔
七福神 歓喜地蔵 身代わり地蔵
阿茶局お墓 泰栄院の宝篋印塔
Kico
Kico
歓喜地蔵がとてもかわいく印象に残りました

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【上徳寺 特別拝観】拝観の感想・拝観料800円分の価値はある?:第57回 京の冬の旅

上徳寺:京の冬の旅満足度レビュー

5段階レビューは「第57回京の冬の旅」対象寺院をすべて拝観し、幼少期から京都の神社仏閣・庭園など100箇所以上を見てきた中で比較しての評価になります。(あくまで個人のレビューです)

■上徳寺:京の冬の旅満足度レビュー

特別公開内容
への満足度
4.0
京の冬の旅ガイドの
解説内容への満足度
3.0
総合満足度 3.75

特別公開内容への満足度

実は、京の冬の旅のパンフやサイトを見たときには、あまり満足度が得られないのではないかと思って拝観に行くのをやめようかと迷っていました。

ですが、実際に訪れてみるとパンフにない寺宝(円山応挙の掛け軸や螺鈿の絵巻など)があったり、本堂内陣の作りも特殊だったりと期待以上に珍しいものが見れたので満足度は非常に高いです。

特に螺鈿好きの私にとっては、本堂でも客殿でも螺鈿細工が見られてテンション上がりまくり。

また、今回初めて堂内まで入ってみることができる「世継地蔵(石造)」も、パンフレットの写真で得る印象よりもずっと大きく神聖さを感じるものだったのでこちらも間近でみられたことが満足度UPの要因です。

ちなみに、本当は満足度を4.5に使用かと思ったのですが、新しく重要文化財に指定された本尊の阿弥陀如来立像が京の冬の旅会期中はみられなかったので4.0としました。

また、京の冬の旅は全面撮影禁止の寺院が多い中、心置きなく特別公開エリアを撮影させていただけたのも満足度アップの理由です。

京の冬の旅ガイドの解説内容への満足度

上徳寺を拝観した日のガイド(説明員)さんの解説は、いろいろな寺院と比べると普通だったので3.0としました。

もう少し客殿内の寺宝や庭園の解説もあれば嬉しかったなというのが正直な感想です。

上徳寺は毎年特別公開をしているような観光寺院ではないので、ガイドさんたちが得られる情報も少なかったのかな?という感じです。

上徳寺の特別拝観の感想(総評)

総評:800円の価値は?

800円の価値は十分ありました。

第57回京の冬の旅の他の寺院のように国宝や重要文化財がある訳ではありませんが、期待を超える満足度が得られました。

前述しましたが、拝観に行くのやめようかと迷っていたので行ってよかったです!

今回初めて御堂内で撮影可能になる「世継地蔵」は今後も至近距離での公開がされるかは分からないので、ぜひこの機会に!

仏像マニアで本尊の阿弥陀如来をお目当てに拝観する方はお気をお付けください。京の冬の旅の会期中はお像の健康診断で東京に出張されています。
3月末にお寺に戻ってくるとのことです。(京の冬の旅は3/19日まで)


<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【上徳寺】御朱印(値段・種類・朱印所の場所・受付時間)

種類 大慈殿だいひでん
値段 300円
朱印所 客殿横の建物(入口に授与所・朱印所の札あり)
受付時間 9:00-16:00
※公式の時間の掲載はないのでお寺の開門時間が朱印の受付時間となるようです。御朱印専任の方がいるのではなくおそらくお寺のご住職の奥様が書いてくださっています

上徳寺の御朱印は「大慈殿だいひでん」の1種類で、値段は300円です。
京の冬の旅限定の御朱印ではなく通常の御朱印です。

大悲は仏や菩薩の広大な慈悲の心を表し、観音菩薩の別名でもあります。

Kico
Kico
中央の「大慈殿」の文字も筆ペンで書かれています。毛筆の墨書に価値を置く方は満足できないかもしれません。

朱印所は、客殿玄関に向かって右手にある建物にあります。

中に人がいない時には、鐘を鳴らして呼び出します。

Kico
Kico
この金を鳴らすのはちょっと勇気がいりますよね。。この日は建物に入って少しウロウロしていたらお寺の方がでてきてくださったので鐘を鳴らざずに済みました。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【上徳寺】交通アクセス

最寄りのバス停 京都市営バス「河原町五条かわらまちごじょう」下車、徒歩約5分
京都バス「河原町五条」下車、徒歩約5分
最寄りの駅 京阪電車「清水五条きよみずごじょう」駅下車、徒歩約7分
Kico
Kico
こ第57回京の冬の旅で公開されている寺院で近隣にあるのは東本願寺です。
清水寺成就院からだと歩いて30分くらいです。今回成就院から歩いていきました。

京都駅からのおすすめルート

京都駅から上徳寺に行くのであればこのバスに乗っていくのがおすすめです。
どのバスも乗車後約9分で「河原町五条」に到着します。

京都タワー側のバスターミナル
A2乗り場 ・4番(4系統)「四条河原町・上賀茂神社行き」のバスに乗車
・17番(17系統)「四条河原町・銀閣寺行き」のバスに乗車
・205番(205系統)「四条河原町・北大路バスターミナル行き」のバスに乗車

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




第57回京の冬の旅:その他寺院の拝観レポはこちらから!

第57回京の冬の旅 東本願寺レポ「僧侶が案内する諸殿」当日の受付や見学の流れ・撮影の可否・拝観レビューを紹介!特別拝観前後により楽しむ方法も♪(令和5年・2023年)第57回京の冬の旅・東本願寺「僧侶が案内する諸殿」に参加予定で当日の流れを予習したい方、キャンセルが出るのを待つか迷っている方に向けて、...
第57回京の冬の旅 西本願寺レポ「僧侶が案内する書院」当日の受付や見学の流れ・撮影の可否・拝観レビューを紹介!(令和5年・2023年)第57回京の冬の旅・西本願寺「僧侶が案内する諸殿」に参加予定で当日の流れを予習したい方、キャンセルが出るのを待つか迷っている方に向けて、...

こちらで紹介している情報は記事執筆時点のもので変更になることもあります。
お出かけ前に公式サイトや公式SNSでご確認のうえ、お出かけくださいませ。
それでは素敵な京都旅を♪