新撰組結成160年の2023年夏、壬生寺では普段は非公開の「千体仏塔」内部で特別企画展「山岡鉄舟と近藤勇」が開催されています。
2020年富山県にある禅寺「国泰寺」で見つかった近藤勇が着用したと伝わる甲冑と山岡鉄舟の書が展示されています。
7月8日に拝観したので、現地で撮った写真や当日の様子などをご紹介します。
本記事はこんな方に向けて書いています。
- 見学に行くか行かないか迷っている方
- 当日の見学をより楽しむために予習したい方
では、目次から気になる項目を選んで読み進めてください。
- 【何が見られる?レア度は?】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
- 【公開基本情報】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画)
- 【拝観受付の場所と配布物】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
- 【会場レイアウト)】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
- 【拝観ルートと見どころ(写真あり)】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
- 【拝観レビュー】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
- 【10倍楽しむ予備知識】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画)
- 【交通アクセス】壬生寺の最寄り駅・バス停・駐車場
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【何が見られる?レア度は?】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
出典作品リスト:山岡鉄舟と近藤勇ゆかりの品
新選組組結成160年記念連動企画「山岡鉄舟と近藤勇」~局長の帰還~(壬生寺) | |
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1.近藤勇着用の甲冑 「紺糸威二枚銅具足」 (大本山国泰寺蔵) |
・2020年に富山県高岡市の禅寺「国泰寺」で発見された近藤勇着用とされる甲冑 ・「国泰寺」の宝物台帳に山岡鉄舟が近藤勇着用の甲冑を寄進したとの記録が見つかり甲冑の出所がわかる ・年代:16~17世紀 |
2.山岡鉄舟筆 「漢詩屏風(国泰寺千双屏風)」 (高岡市立博物館蔵) |
・書の達人でもある山岡鉄舟が「国泰寺」の窮状を救うために自ら大量に書いて奉納した屏風類の一部 ・年代:明治12~14年(1879~81)頃 ・点数:六曲一双(2隻) |
3.山岡鉄舟筆 「摩訶般若波羅蜜多心経」 |
・書の達人でもある山岡鉄舟が書いた般若心経 |
4.山岡鉄舟愛用筆 | ・約2年間で1,200双(1双は12枚)のほか軸や額など数万点かいたたと伝わる山岡鉄舟愛用の筆 |
1.近藤勇着用の甲冑 | 2.鉄舟筆「漢詩屏風」 | 3.鉄舟筆「摩訶般若波羅蜜多心経」 4.鉄舟愛用の筆 |
今回の展示では、近藤勇の甲冑が360度全方向から見られます。
また、山岡鉄舟の屏風はガラスケースなしで展示されていて、美術館では実現し得ない贅沢な展示方法がとられています。
タイアップ企画:「青のミブロ」等身大パネル
今回の特別展は、2016年にアニメ化されたサッカーマンガ「DAYS」の作者、安田剛士さんの最新作「青のミブロ」とタイアップされています。
展示会場の扉を開くと、青のミブロの主人公にお、近藤勇、土方歳三の等身大パネルが出迎えてくれます。
青のミブロとは:安田剛士による日本の漫画作品。2021年から週刊少年マガジン(講談社)にて連載中。幕末の京都が舞台で主人公の少年・にお視点で新選組を描く。
特別物販コーナー
(↑画像左手が物販コーナー)
- 日本橋・山本海苔店の「味海苔」
→山岡鉄舟が明治天皇に献上する海苔をオーダーしたのが日本橋の山本海苔店 - 銀座木村屋の「あんぱん」
→明治8年木村屋のあんぱんを明治天皇に献上する仲介を担ったのが山岡鉄舟
→あんぱんは7月10日の週に追加されるとのこと - コーヒー焙煎店「Laughter」のドリップパック
→Laughterは京都西陣にある焙煎所兼店舗、農園に直接通い生産、輸入、焙煎、販売まで一貫して行う - sampaiプロデュースの限定バッグ
→sampaiは京都・西陣で伝統産業や服飾産業の生産過程で出るアップサイクル素材を再利用したハンドメイドアクセサリーブランド
会期中の土日はLaughterの水出しコーヒーも!
会期中の土日は京都西陣にある焙煎所兼店舗Laughterの水出しコーヒーの販売も行われます。
水出しコーヒーはドリップコーヒーよりもじっくりとコーヒー成分が染み出るので、コーヒー独特のトゲトゲ感がなく、丸みのある口当たりのいいコーヒーになります。
ちょっとコーヒー苦手かもという方にも試してほしいですね♪
展示会場がレア!千体仏塔内部は通常非公開
特別展「山岡鉄舟と近藤勇」は、壬生寺内の非公開エリアで開催されています。
会場になっている千体仏塔内部に観光で入る機会はないので、かなりレア体験です。
千体仏塔:1988年(平成元年)建立。ミャンマーのパゴダ(仏塔)に似た形で室町時代からの石仏が千体安置されている
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【公開基本情報】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画)
公開期間・拝観時間・拝観料・開催場所
新選組組結成160年記念連動企画「山岡鉄舟と近藤勇」~局長の帰還~(壬生寺) | |
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公開期間 | 2023年7月7日(金)~8月27日(日) |
拝観時間 | 10:00~17:00(16:30受付終了) |
拝観料 | 800円 ※京の夏の旅「本堂と壬生塚」の拝観とは別料金です |
開催場所 | 壬生寺境内の千体仏塔内部 |
公開内容と撮影の可否
展示品すべてが写真はOKで動画はNGです。
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【拝観受付の場所と配布物】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
展示会場の千体仏仏塔は壬生寺境内のここ!
壬生寺の本堂に向かって左側が、特別展示「山岡鉄舟と近藤勇」の会場「千本仏塔」です。
なお、壬生寺には3つの門(表門、南門、北門)があり、どこからでも入れます。
千本仏塔の実際の写真はこちらです。
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【会場レイアウト)】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
会場内のレイアウト
特別展「山岡鉄舟と近藤勇」の会場である千本仏塔内はそんなに広くありません。
近藤勇の甲冑を中心に周りを取り囲むように山岡鉄舟の書や屏風が展示さえています。
上のレイアウト図のポジション通りに写真を並べるとこんな感じ!
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【拝観ルートと見どころ(写真あり)】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
順路1:青のミブロ等身大パネル
展示会場の扉を開くと、青のミブロの主人公にお、近藤勇、土方歳三の等身大パネルが出迎えてくれます。
青のミブロとは:安田剛士による日本の漫画作品。2021年から週刊少年マガジン(講談社)にて連載中。幕末の京都が舞台で主人公の少年・にお視点で新選組を描く。
順路2:山岡鉄舟筆「摩訶般若波羅蜜多心経」と愛用の筆
- 山岡鉄舟筆「摩訶般若波羅蜜多心経」
- 山岡鉄舟愛用の筆
順路3:近藤勇所用甲冑
- 近藤勇着用の甲冑「紺糸威二枚銅具足」(16~17世紀)
こちらが2020年に国泰寺で見つかった近藤勇の甲冑。
専門家の鑑定は、室町時代の部品を使い江戸時代に作られたものだそうです。
甲冑下の箱の家紋は、斎藤一の家紋で「丸に九枚笹」。
この箱に近藤勇の甲冑が入っていたそうです。
順路4:山岡鉄舟筆「漢詩屏風(国泰寺千双屏風)」
山岡鉄舟筆「漢詩屏風(国泰寺千双屏風)」左隻
- 山岡鉄舟筆「漢詩屏風(国泰寺千双屏風)」左隻
山岡鉄舟筆「漢詩屏風(国泰寺千双屏風)」右隻
- 山岡鉄舟筆「漢詩屏風(国泰寺千双屏風)」右隻
屏風はガラスケースなしでまじかで見られるので、筆の勢いなどもじっくり見ることができます。
順路5:物販コーナー
(↑左側が物販コーナー)
- 日本橋・山本海苔店の「味海苔」
→山岡鉄舟が明治天皇に献上する海苔をオーダーしたのが日本橋の山本海苔店 - 銀座木村屋の「あんぱん」
→明治8年木村屋のあんぱんを明治天皇に献上する仲介を担ったのが山岡鉄舟
→あんぱんは7月10日の週に追加されるとのこと - コーヒー焙煎店「Laughter」のドリップパック
→Laughterは京都西陣にある焙煎所兼店舗、農園に直接通い生産、輸入、焙煎、販売まで一貫して行う - sampaiプロデュースの限定バッグ
→sampaiは京都・西陣で伝統産業や服飾産業の生産過程で出るアップサイクル素材を再利用したハンドメイドアクセサリーブランド
私がうかがった7月8日は物販コーナーに本特別展の主催、合同会社京都村正の代表・村山カズマサさんが座られていて、いろいろお話を聞かせていただきました。(当日私は、この人どなただろ?企画の関係者かな?と思いながらお話してたことは内緒です。)
村山さんの話から推測すると物販商品は会期中に少し変わるようです。
順路6:Laughterの水出しコーヒー(土日限定)
会期中の土日は京都西陣にある焙煎所兼店舗Laughterの水出しコーヒーの販売も行われます。
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【拝観レビュー】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画
行ってよかったこと
かなり個人的な言ってよかったことになりますが、次の3点がよかったなと思いました。
- 非公開の「千体仏塔」内部を知れたこと
- 村山カズマサさんから甲冑が出てきた時の話や展示会に込めたロマンの話を聞けたこと
- Laughterの水出しコーヒーがおいしかったこと
そもそもこの展示に行った理由が「千体仏塔の内部がどうなっているのか知りたい!」というものだったので、そこが一番行ってよかったことになります。
特別拝観などで非公開エリアに行くのが好きな方には同じ理由で展示に行く方もいるのではないでしょうか。
2番目は、拝観した日に本展示の企画者の村山さんが物販ブースにいらっしゃって、話を聞けたというのがありますが、山岡鉄舟がどんな人物かよく知らずに見に行ったのでお話を聞いたおかげで展示の価値がぐっとあがりました。
最後は、展示内容ではないですが、おいしいコーヒー屋さんをひとつ知れたことは行ってよかったことのひとつになります。
残念だったこと
展示会自体に残念だったと事は特になしです。
たた、この展示で何が見れてどんなロマンがあるのかは、ネットや京の夏の旅のチラシでは伝わらない点がもったいないな。と感じました。
もっと多くの方にこの展示に興味を持ってもらいたいという思いもあり、今回見学レポートを書いています。
800円の価値はある?
どこに価値を置くかで800円が安くもなり高くもなる展示会だと思います。
新撰組や幕末ファン、山岡鉄舟好きにはプライスレスで安すぎる拝観料だと思います。
ただ、美術品や文化財が目的で行く場合、美術館と比べると高く、寺院の小さめの宝物館と比べる同じくらいといえる価格設定ですね。
このような文化財の展示は、保管に貢献する意識があればとても安いものです。
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【10倍楽しむ予備知識】壬生寺「山岡鉄舟と近藤勇」新選組結成160年記念連動企画)
山岡鉄舟と近藤勇の関係は?
- 新撰組の前進「浪士組」で接点あり
→浪士組の取締役が山岡鉄舟、隊士のひとりが近藤勇 - 近藤勇の娘婿が開いた道場の名称「撥雲館」は山岡鉄舟が命名
山岡鉄舟と近藤勇は、新選組の前身である「浪士組」で接点がある2人です。
浪士組はざっくり説明すると、清河八郎の発案で第14代将軍・徳川家茂を警護するために剣豪を集めた組織。
1863年(文久3年)に、清河八郎が隊士234名と役員30名の浪士組を率いて江戸の小石川から京都へ上洛した際の取締役が山岡鉄舟、234名の剣豪のひとりが近藤勇でした。
山岡鉄舟と近藤勇の交流は近藤勇の手紙にも残っているとのとです。
また、1876年(明治9年)に近藤勇の娘婿が開いた道場の名称「撥雲館」は山岡鉄舟が命名しています。
企画展主催者が伝えたいロマンとは?
- 学術的事実より、激動の時代に生きた山岡鉄舟と近藤勇、2人の武士のつながりに思いを馳せる展示会
山岡鉄舟も近藤勇も「浪士組」という同じ組織からスタートしますが、それぞれ別の道を歩みます。
山岡鉄舟は江戸城無血開城の土台をつくり新政府では明治天皇の教育係に。
一方、近藤勇は新選組を結成後、池田屋事件・戊辰戦争・甲州勝沼の戦いなどを経て板橋で新政府軍に捕まり斬首の運命をたどります。
2人の立場は相対するものになりましたが、山岡鉄舟は近藤勇の甲冑を幕府ゆかりの寺に奉納することで近藤勇の魂(志)を供養をしたのではないかと考えられています。
今回の企画展示は、歴史的な事実としてどうこうというよりも、新政府軍で重役についている山岡鉄舟が、新政府軍から罪人としてみなされた近藤勇の甲冑を徳川ゆかりの寺・国泰寺に奉納したことに、山岡鉄舟から近藤勇への敬意や男同士の魂のつながりのようなロマンを感じてほしい展示会だと、本特別展の主催、合同会社京都村正の代表・村山カズマサさんも話されていました。
しかも、今回の展示は本来は甲冑が見つかった2020年直後に開催しようとしたところコロナで流れ、今回新選組結成160年の年に開催との運びになったことも必然だったと村山カズマサさんはお話してくれました。
国泰寺はどんな寺?山岡鉄舟との関係は?
- 住職が江戸で将軍にあいさつができるほど格式が高い寺
- 3代徳川家光以降の歴代将軍の位牌が安置される徳川ゆかりの寺
- 山岡鉄舟が明治天皇の北陸への巡幸の際、荒廃した状況をみて「由緒ある寺をこのまま放置できない」復興のために手厚くフォローした寺
山岡鉄舟が明治天皇の北陸への巡幸の際、廃仏毀釈の影響でさびれた国泰寺を見て、由緒ある寺がこのままではいけないと、鉄舟自身が1万枚以上の書を奉納し、復興のための資金作りをフォローした。
廃仏毀釈とは:明治時代の初めころに起きた社会現象。仏教に反感を持つ神道家や神職や一般人も加担して仏教を排斥したり攻撃したりした運動のこと
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【交通アクセス】壬生寺の最寄り駅・バス停・駐車場
壬生寺交通アクセス基本情報
住所 | 京都市中京区壬生梛ノ宮町 31 |
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最寄りのバス停 | 京都市バス「壬生寺道」下車、徒歩約 3 分 (系統:3・8・11・26・28・91・203) |
最寄り駅 | 阪急京都線「大宮駅」下車、徒歩約10分 嵐電「四条大宮駅」下車、徒歩約7分 |
駐車場 | なし (近隣にコインパーキングは多少あり) |
壬生寺に1番近い公共交通機関の駅は、京都市バスの「壬生寺道」です。
壬生寺側のバス停からであれば信号を渡ることがないため徒歩3分ほどで壬生寺正門につきます。
壬生寺道に停車する京都市バスの系統は、3・8・11・26・28・91・203です。
なお、電車の最寄りの駅は阪急京都線「大宮駅」と嵐電「四条大宮駅」で、徒歩7~10分ほどで壬生寺の正門までいけます。四条大宮駅の方が少し壬生寺に近い位置にあります。
ちなみに、大宮駅・四条大宮駅付近には、「壬生寺道」に行く市バスが止まる停留所「四条大宮」があります。同じ「四条大宮」のバス停でも複数停留所があるので注意が必要です。
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