特別拝観

真如院庭園の特別公開・御朱印2024|公開日時・拝観料・撮影の可否・見どころ・交通アクセス・拝観レビュー(堀川五条)

京都市下京区にある真如院(眞如院)は通常非公開ですが、毎年10月中旬から11月初旬に6日ほど「庭園の特別公開(秋の特別公開)」が行われます。

公開される本堂前の「真如院庭園」は織田信長が庭園愛好家の足利義昭(室町15代将軍)のために造らせた政治的な要素をもつ庭で、昭和の中期に重森三玲により復元されています。

また、真如院の山門をくぐってすぐにある重森三玲・作庭の小庭も見どころ。

本記事では2023年の特別公開に行った経験をもとに「真如院の庭園特別公開」について写真と図解入りで詳しく紹介していきます。

目次から、気になる項目を選んで読み進めてくださいませ。
(項目をクリック/タップすると該当箇所にスクロールします)

目次
  1. 基本情報|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  2. 公開エリア・ルート・所要時間・混雑具合|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  3. 寺院の歴史・由緒|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  4. 見どころ①:真如院庭園|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  5. 見どころ②:重森三玲作庭の小庭|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  6. 拝観レビュー|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  7. 御朱印・授与品|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  8. 拝観ルートに沿って当日の様子を紹介|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  9. 交通アクセス|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  10. 過去の公開履歴|堀川五条・真如院(秋の特別公開)
  11. あなたにオススメの記事

基本情報|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

公開日・拝観時間・拝観料

※真如院には公式サイトはなく、公開情報は京都観光オフィシャルサイト(こちら)に準じて紹介しています。

真如院・庭園特別拝観
公開日 例年10月中旬から11月初旬の限定日
①2024年10月19日(土)~10月27日(日)の間の土日
10/19(土)、10/20(日)、10/26(土)、10/27(日)
②2024年11月1日(金)~4日(月)
→11/1(金)、11/2(土)、11/3(日)、11/4(月・祝)
拝観時間 10:00~15:00
拝観料 600円

過去の公開日履歴を本記事の後半(こちら)で紹介しているので、公開日の傾向を知りたい方は合わせてご確認ください。

撮影の可否

  • ルールを守れば撮影可能
    →大きなシャッター音はNG
    →歩き回っての撮影はNG
    →仏間内部の撮影はNG

拝観受付でいただくパンフレットには「写真撮影禁止」と記載がありますが、2023年は拝観受付に以下の撮影ルールの張り紙があり、撮影可能でした。

〇写真撮影について(真如院掲示物より)
大きなシャッター音や歩き回っての撮影は、他の参拝者のご迷惑となりますのでご遠慮ください。

※撮影に関しては毎年ルールや撮影の可否が変わる可能性があるので、拝観時の指示に従ってください。

Kico
Kico
お堂内はかなりシーンとしているので、普通のシャッター音でも大きく感じると思われます。シャッター音のしないアプリなどを使った撮影がおすすめです。

トイレの有無

  • 拝観者用のトイレあり
    →本堂横の廊下に男女別トイレの使用可能

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公開エリア・ルート・所要時間・混雑具合|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

公開エリアと拝観ルート

【真如院(眞如院)の特別公開エリア】

  1. 山門周辺の前庭
    →重森三玲の作庭の「小庭」が2か所
  2. 本堂内
    →本尊・阿弥陀如来
  3. 庭園
    →重森三玲・復元の枯山水「真如院庭園」

真如院(眞如院)の特別公開では、大きく分けて上記の3つのエリアが公開対象となります。

拝観ルートの赤矢印は参考の順路で、青い×印がついているところは進入禁止の結界です。

なお、上の図にある赤い部分に毛氈もうせんが敷かれ、ここから庭園を見ることができます。

実際の様子はこちら↓。

山門 山門横の小庭・重森三玲作庭
本堂 真如院庭園

所要時間

  • 10~25分

真如院はとても小さなお寺で寺宝の展示もないので、サクッとみるだけなら10分程度でも拝観可能です。

ゆっくり庭園を見ても25分くらいで充分堪能できる規模です。

ただ、庭園前の廊下のうち窓が開いているところに座ってじっくり見たい場合は、場所が空くのを待つ時間も含め30~40分見ておいた方がよいかもしれません。

Kico
Kico
拝観者の多くの方が10分以上庭の前に座って眺めているのが印象的でした。カメラのシャッター音もほとんどしないので、静寂の中庭を眺めるのが心地良い空間です。

混雑具合

  • 開門直後と昼過ぎは人が増える

超人気スポットに比べれば拝観者は少ないですが、小さな建物なので10人くらい人がいるとちょっと多く感じます。

真如院庭園の前の廊下は12~13人は座れる広さですが、皆さん窓が開いているところに座って鑑賞するので、8人くらいでいっぱいになります。

2023年10月22日(日)に拝観した際は、13時13分頃に中に入ったときは人が少なかったのですが、13時30分以降に人が次々に入ってきました。

静かにお庭を見たければ、午前中が良いかもしれません。

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寺院の歴史・由緒|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

真如院の成り立ち・出来事

室町時代
1535年
(天文4年)
4月に日映上人により創建
→寺名は「真実常の如し」という仏教の言葉より名付けられた
→日蓮宗の大本山「本圀寺ほんこくじ」の塔頭寺院のひとつとして創建
1536年
(天文5年)
天文法華の乱により全焼し、一時大阪の堺に避難
→天文法華の乱は比叡山衆徒による洛中洛外の日蓮宗21寺を襲った事件
1560年
(永禄3年)頃
京都に戻り再建
→この時は今よりも規模が大きい
1560年
(永禄3年)
足利義昭が宿泊
→日蓮宗の本山・本圀寺で13代将軍・足利義輝により天下泰平の祈願が行われ足利義昭も参詣し真如院に宿泊
→このときに烏帽子石を気に入った足利義昭が「本圀寺ほんこくじ」から真如院に運び込ませる
1568年
(永禄11年)
織田信長が足利義昭を招く
→織田信長は足利義明との会談のために真如院庭園を造られせる
→足利義昭は庭園愛好家
江戸時代
1788年
(天明8年)
天明の大火により焼失
1789~1801年
(寛政年間)
再建
1799年
(寛政11年)
都林泉名勝図会みやこりんせんめいしょうずえ」に真如院庭園が掲載される
→「都林泉名勝図会」は江戸時代の京都観光ガイド
1832年
(天保3年)
新築
近代
1934年
(昭和9年)
内部を大改築
1936年
(昭和11年)
作庭家・庭園史研究家の重森三玲が実測調査を行う
1949年
(昭和24年)
隣接する「明徳女子高等学校」の校地拡張により現在地に移転
→この時大幅に敷地が縮小する
→明徳女子高等学校はその後京都明徳高等学校となり西京区に移転
1961年
(昭和36年)
重森三玲により庭園を復元
→「都林泉名勝図会」に基づき復元

真如院は、日蓮宗の大本山「本圀寺ほんこくじ」の元塔頭で室町時代の1535年(天文4年)に日映上人により創建されました。

創建当初は「真如院」の周辺一帯に本圀寺の塔頭寺院が100個ほどあり、天明の大火後は半分の50、1919年(大正8年)頃には25、本圀寺の山科移転後は16と減っていったようです。

都林泉名勝図会みやこりんせんめいしょうずえ
1799年(寛政11年)刊行された京都の名庭園を紹介したガイドブック。文章を京都の俳諧師・秋里籬島あきさとりとうが担当し、挿絵を絵師の佐久間草偃さくまそうえん西村中和にしむらちゅうわ奥文鳴おくぶんめいの3人が描いた。全5巻・1巻は上下巻の2冊。
重森三玲しげもり みれい(1896年8月- 1975年3月没)
昭和の作庭家・庭園史研究家。日本美術学校で日本画を学び、華道と茶道を習得後、独学で日本庭園の世界へ。国内に約200の庭園を作庭。代表作は「東福寺の八相の庭」。全国の庭園を実測し『日本庭園史大系』全33巻(別巻2巻)を完成させるなど庭園史に多大な功績を残す。

拝観前に抑えたいポイント

真如院の拝観をするうえで知っておきたい歴史のポイントは次の3つ。

  1. 真如院は室町15代将軍・足利義昭の宿院だったこと
  2. 織田信長が義昭の歓心を買うため真如院に庭園を新たに造園し義昭を招いたこと
  3. 昭和に入り規模を縮小した真如院の庭園を昭和の名作庭家・重森三玲が復元したこと

もちろん、お寺が立っている場所や建物は室町時代とは異なりますが、織田信長と足利義昭ゆかりの場所です。

重森三玲ファンにとっても年に数日だけ拝観できる貴重な場所です。

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見どころ①:真如院庭園|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

庭園の変遷

  • 室町時代1568年(永禄11年)頃・織田信長が足利義昭のために造園させる
    →1568年に信長が15代将軍となったばかりの足利義昭との会談を真如院で行う際に、庭園愛好家である義昭の歓心を得るために造らせた
  • 江戸時代1799年(寛政11年)「都林泉名勝図会みやこりんせんめいしょうずえ」に掲載される
    「都林泉名勝図会」は京都の名庭園を紹介したガイドブック
  • 江戸時代末期に荒廃し、明治まで度々改修される
  • 1936年(昭和11年)作庭家・庭園史研究家の重森三玲が実測調査を行う
  • 1949年(昭和24年)に現在地へ移転
    →隣接する「明徳女子高等学校」の校地拡張により現在地に移転
    →明徳女子高等学校はその後京都明徳高等学校となり西京区に移転
  • 1961年(昭和36年)に『都林泉名勝図絵』を元に重森三玲が復元

「真如院庭園」の始まりは室町時代にさかのぼります。

1568年に織田信長が庭園好きの15代将軍・足利義昭をもてなすために造営させたのが「真如院庭園」です。

なお、特別公開で実際に目にする「真如院庭園」は昭和36年(1961年)に作庭家の重森三玲が復元した庭園になります。

かつては200~300坪の広さの庭園でしたが現在は80坪(264㎡)ほどに縮小されています。

都林泉名勝図会の真如院庭園 現在の真如院庭園

鑑賞ポイント1:鱗形の石

真如院庭園の1番の見どころは、小判型の石を鱗状に並べ水流を表現しているところ。

この表現方法は室町末期からはじまったもので、それまでは白砂や小石で水を表現していましたが、よりリアルな水の表現を追求して生み出されたようです。

現在の真如院庭園は80坪と小規模ですが、移転する前は200~300坪の広さでした。

移転前の真如院庭園はイラストで残っているので紹介しますね。

こちら↑は江戸時代に発行されたの京都の名所案内イラストガイドブック『都林泉名勝図絵』の真如院庭園。(真如院の本堂に展示されています。)

Kico
Kico
石の数がものすごいですよね!この規模で鱗状に並べられた石が生み出す水流は今よりもっと人々の心を魅了したのではないかと思います。都林泉名勝図絵に掲載されるのも納得です。

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鑑賞ポイント3:瓜実灯篭

上の画像の手前にある丸みのある灯篭が「瓜実灯篭うりざねとうろう」です。

この名前を付けたのが室町幕府最後の将軍・足利義昭です。

『都林泉名勝図会』に「足利義昭公の銘なり。その高さ台共に二尺二寸三分(68㎝)、
広さ所回り三尺二寸五分(98㎝)」と解説されています。

ちなみに、上の画像の左のツツジの植え込みに隠れているのは春日灯篭です。

鑑賞ポイント2:烏帽子石

上の画像の奥に見える尖った石が「烏帽子石えぼしいし」です。

元々は本圀寺にあった石なのですが、1560年に室町幕府13代将軍・足利義輝が本圀寺で天下泰平の祈願を行った際に、参列した足利義昭がこの石を気に入り、その時宿泊していた真如院に運びこませた石です。

現在の「本圀寺」は京都市山科区にありますが、当時は真如院に近い六条堀川にありました。

なぜ、烏帽子石かといえば足利義昭が烏帽子をかけたからだとか。

本圀寺から運び込まれたことは、江戸時代の1711年(正徳元年)に刊行された『山州名跡志』に「永禄3年…義昭参詣あって寺内を巡覧の時、かの石を見て宿坊のゆえ当院へ移して愛をなせり」との記載があるそうです。

また、烏帽子をかけたことは『都林泉名勝図会』に「足利義昭公 烏帽子を掛け置き給いし石なり」と記載があることから伝えられています。

■山州名跡志
1711年(正徳元年)に刊行された地誌。全22巻。元禄年間に実地踏査を行い、神社・仏閣・名所旧跡の由来、縁起等を記したもの。当時の現状と古書の記載との相違を考証した結果が随所に取り入れられている山城国研究の基本書。

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鑑賞ポイント4:呼子手水鉢

こちらは江戸時代・1788年の「天明の大火」で亡くなった子どもを弔うために奉納された「呼子手水鉢よぶこちょうずばち」です。

手水鉢の手前の面には象形文字で文字が彫られています。

左から「父」「子」「母」と彫られ、両脇から両親が子を支え、子を呼んでいる姿として「呼子手水鉢よぶこちょうずばち」の名がついたそうです。

鑑賞ポイント5:小堂

庭園の右側(西側)には、小さなお堂があります。

屋根には桃の飾り瓦がありますが、これは火難除けの桃です。

水分多い果物は、火災から建物を守るという意味でお堂や門の屋根に飾られます。

この小堂には日蓮上人が祀られています。

真如院のパンフレットには『像は「拾遺都名所図会しゆういみやこめいしよずえ」にある「古井尊像ふるいのそんぞう」です』と書かれています。(古井尊像は、古井戸から見つかった高層の像の意味)

また、真如院の本堂内に流れる解説では、真如院から盗まれた像を盗賊が井戸の中に隠したが、井戸からお像が真如院に帰りたいという声を発し、見つかったというような話がされていました。

Kico
Kico
「拾遺都名所図会」で紹介された「古井尊像ふるいのそんぞう」を調べてみると日蓮宗・瑞雲院のものしか情報が出てこなかったのでちょっと謎です。

古井尊像ふるいのそんぞう」の逸話をざっくり紹介しておきますね。

ある日、日乗上人が大宮八条付近を歩いていると法華経の読経のような声が聞こえてきました。不思議に思った日乗上人が声が聞こえる方に近ずくと祠と古井戸があり、古井戸の中から声が聞こえていました。井戸に入って声の主を探すと、高祖の尊像が見つかります。日乗上人は、これを持ち帰りお祀りしました。この像は足利義昭も信仰し、井戸の中には稲荷神を祀り、古井稲荷社と呼ばれました。江戸時代に刊行された京都の観光ガイド「拾遺都名所図会」で井戸から見つかった像、日蓮上人坐像(古井尊像)が紹介された。

拾遺都名所図会しゆういみやこめいしよずえ
1787年(天明年)に刊行された京都の名所紹介ガイド。全5巻。1780年(安永9年)に刊行された『都名所図会みやこめいしょずえ』の後編。本文は京都の俳諧師・秋里籬島あきさとりとうが担当し、図版は大坂の絵師竹原春朝斎たけはら しゅんちょうさいが描いた。

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見どころ②:重森三玲作庭の小庭|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

2つの小庭


(庫裏玄関から見た山門・前庭)

山門の内側の両サイドに重森三玲が作庭した小庭があります。

左の小庭 右の小庭

こちらの小庭は、重森三玲の庭園を紹介した書籍にも登場することがないので、知る人ぞ知る重森三玲作品です。

右奥の三尊石の立石2つと手前の小さな石の対比がいいですね。

右側の小庭はにはマンホールが隠れています。白砂の同心円の下がマンホールです。

小庭横の門の後ろは真如院庭園に続いています。

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拝観レビュー|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

行ってよかったこと

  • 重森三玲がかかわった3つの庭園が見られたこと
  • 庭園の写真が撮れたこと

重森三玲ファンとしては、3つも庭園が見られたことが何より行ってよかったと感じることです。

しかも、条件を守れば庭園の撮影までできるとは嬉しい限りです。

公開期間が短いので京都に移住して本当によかったな~と思います。

行って残念だったこと

  • 特になし
Kico
Kico
拝観前に知っておいていただきたいのですが、京都の日蓮宗のお寺さんは特別公開をされても、事細かな説明などはしないスタンスのようです。なので「淡々と拝観受付をすませ、静かに庭園を鑑賞して帰る」というイメージです。ほかのお寺で感じるWelcome感やお寺のことを多くの方に知ってほしい!みたいな雰囲気はないのであしからず。

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御朱印・授与品|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

御朱印一覧(値段と写真)

御朱印 御首題ごしゅだい
真如 南無妙法蓮華経
400円(直書き) 600円(直書き)

真如院の御朱印は2種類あり、御朱印「真如」は400円、御首題ごしゅだい「南無妙法蓮華経」は600円です。

真如院(眞如院)では、御朱印帳の販売(授与)はありませんでした。

真如院の三代住職が藤原氏から入っているため寺紋は「下り藤」です。

Kico
Kico
真如院のすぐ近くにある浄土真宗・西本願寺の寺紋が「下り藤」なので、よく拝観者の方から日蓮宗なのになぜ下り藤なのか聞かれるそうです。ちなみに西本願寺の親鸞聖人も藤原氏の流れをくむ家系です。

御首題ごしゅだいとは】
お題目と呼ばれる「南無妙法蓮華経」の文字に「寺院名」「日付」の墨書きと、それぞれの寺院の印が押されたもの。文字がヒゲのようにはねたり伸びているので「ひげ文字、髭題目」とも呼ばれれる。

Kico
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なお、御首題は寺院によっては日蓮宗の御首題のみが書かれた「御首題帳」でないと、かいていただけないところもありまが、真如院さんは普通に書いてくださいます。

絵葉書

  • 絵葉書:3枚1組 200円(撮影:写真家・水野克比古)

庭園写真では有名な写真家水野克比古氏の作品です。

庭園の撮影NG時代は、こちらの絵ハガキを買い求める方が多かったようです。

■写真家・水野克比古(1941~)
京都市西陣生まれ。大学を卒業後、新聞社に就職。その後、東京の専門学校で写真を学び東京でフリーのカメラマンとして活動。1969年(昭和44年)から京都の風景・庭園・建築を題材に写真撮影に取り組み、 第一人者として「京都写真」を確立。

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拝観ルートに沿って当日の様子を紹介|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

順路1:山門から拝観受付まで

こちらが真如院の山門です。特別公開期間は柱と奥の小さい入口に張り紙が出されます。

こちら↓は2023年撮影。

山門をくぐったら右側に進みます。

山門の横には重森三玲が作庭した小庭がありますが、こちらは最後に紹介します。

建物内に入ったら下駄箱があるので靴を預けて拝観受付へ進みます。

この建物は庫裏なのでとても天井が高いです。

■庫裏(庫裡):寺院の台所や僧侶が居住する場所

順路2:拝観受付で支払い(御朱印はここで依頼)

写真の画質が悪くて申し訳ないのですが↑こちらの写真のように拝観受付で御朱印と絵葉書の販売がされています。

▶御朱印詳細を見る

▶絵葉書詳細を見る

拝観受付を済ませると2種類のパンフレットを頂きます。

上の画像の右側のパンフレットは、重森三玲に庭園の解説です。

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順路3:本堂でご本尊前にご挨拶

真如院の御本尊は、阿弥陀如来です。

仏間には日蓮上人の像も安置されています。

本堂の襖や内陣仏具にある「下り藤」の寺紋は、真如院の三代住職が藤原氏から入っているためだそうです。

すぐ近くに、浄土真宗の西本願寺がありこちらの寺紋が「下り藤」なので、「日蓮宗なのになぜ?」という質問がよくあるそうです。

ちなみに、西本願寺の親鸞聖人も藤原の流れをくむので「下り藤」を使われてます。

順路4:真如院庭園を拝見

庭園前の廊下に赤い毛氈が敷かれているのでゆっくり座って見ることができます。

ただ、拝観者は結構マニアの方が多いようで10~15ずっと座られている方もいるので、窓が開いているところから見たい場合順番待ち状態になります。

真如院庭園の1番の見どころ、鱗状に並べられた楕円の石は写真で見るより実物の方が迫力があるので、ぜひ拝観して確かめてください。

真如院庭園の鑑賞ポイントはすでに紹介しているのでここでは割愛して、いろんな角度からの写真を紹介しますね。

▶真如院庭園の鑑賞ポイントを見る

庭園にかかる橋。

江戸時代の真如院庭園は、庭園の左側に橋がありますが今は右側に配置されています。

庭園中央には、室町15代将軍・足利義昭の時代からある「烏帽子石えぼしいし」と「瓜実灯篭うりざねとうろう」。

瓜実灯篭 烏帽子石

真如院庭園の右端(西側)です。日蓮上人がお祀りされているお堂があります。

真如院庭園の左側(東側)です。うろこ状の石はカーブして奥へと流れていきます。

本堂の東側に白砂の庭が続いていきます。

お庭を堪能したので本堂内も見学。

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順路5:本堂の床の間などを拝見

床の間の掛け軸は日蓮曼荼羅。

南無妙法蓮華経(題目)の周囲に仏・菩薩、仏弟子、天台系の学僧たち、インド・中国・日本の神々の名前が書かれています。

掛け軸の下にはウサギの香炉がありました。

本堂の照明には寺紋の下り藤。

お寺の本堂にある照明器具の意匠を見るのが好きなので必ずチェックしています。

さて、続いては山門横の重森三玲の小庭へ。

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順路6:重森三玲作庭の小庭を拝見

石の向かい側の丸い砂紋部分にはマンホールが隠れています。

前述していますが、こちらの2つの小庭は重森三玲の庭園を紹介した書籍にも登場することがないので、知る人ぞ知る重森三玲作品です。

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交通アクセス|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

最寄り駅からの所要時間

真如院(堀川五条)|交通アクセス
最寄り駅
(バス)
・市バス「五条堀川」下車、徒歩3分
※京都駅から9番系統
最寄り駅
(電車)
・地下鉄烏丸線「五条」駅下車、徒歩約13分
・JR山陰本線「丹波口」駅下車、徒歩約10分
・各線「京都」駅下車、徒歩約25分
住所 京都市下京区猪熊通五条上る柿本町677

京都駅から行くのであれば、京都タワー側のバスターミナルのB1乗り場から9番のバスに乗るのがオススメです。

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過去の公開履歴|堀川五条・真如院(秋の特別公開)

分かる範囲で過去の公開日をまとめました。次回の公開日予測にご活用ください。

公開年 公開日
2023年 10月14(土)・15(日)・21日(土)・22日(日)・28日(土)・29日(日)
2022年 10月15日(土)・16日(日)・22日(土)・23日(日)・29日(土)・30日(日)
2021年 10月29日(金)・30日(土)・31日(日)
11月1日(月)・2日(火)・3日(水)
2020年 10月19日(月)~22日(木)が中止となる
2019年 10月19日(土)・20日(日)・26日(土)・27日(日)
11月1日(金)・2日(土)・3日(日)・4日(月)
2018年 10月20日(土)・21日(日)・27日(土)・28日(日)
11月1日(木)・2日(金)・3日(土)・4日(日)
2017年 10月21日(土)・22日(日)・28日(土)・29日(日)
11月4日(土)・5日(日)
2016年 10月29日(土)・30日(日)
11月1日(火)・2日(水)・3日(木)・4日(金)・5日(土)・6日(日)
2015年 10月24日・2日・26日、31日
11月1日・2日・3日
2014年 10月25日・26・27日、11月1日・2日・3日

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