東福寺の塔頭「龍吟庵(りょうぎんあん)」は通常非公開ですが、毎年春と秋に特別公開が行われます。
こちらの記事では、龍吟庵特別公開について公式サイトでは分からない詳細を紹介します!
では、目次を開いて気になる項目から読み進めてください。
(項目をタップ・クリックすると該当箇所にスクロールします)
- 公開日時・拝観料【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 公開エリア・撮影の可否【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 概要と見どころ【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 方丈(国宝)の鑑賞ポイント:【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 3つの庭園の鑑賞ポイント:【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 御朱印(種類・値段・場所)【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 物販【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 紅葉の見ごろと混雑具合【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- トイレの有無【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 拝観レビュー【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 拝観受付の場所とルート【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 交通アクセス【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- あなたにオススメの記事
公開日時・拝観料【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
東福寺塔頭「龍吟庵(りょうぎあん)」特別公開 | |
---|---|
公開日 |
・春の特別公開(涅槃会期間の公開) 例年3月15日前後 →2024年3月14日(木)~3月16日(土) |
・春の特別後期(GW) →2024年4月27日(土)~2024年5月6日(月・祝) |
|
・秋の特別公開(紅葉シーズン) 例年11月から12月はじめ →2023年11月1日(水)~12月3日(日) →2024年未公表 |
|
拝観時間 |
・春の特別公開(涅槃会期間の公開) 9:00~16:00(15:30受付終了) |
・春の特別後期(GW) 9:30~16:30(16:00最終受付) |
|
・秋の特別公開(紅葉シーズン) 9:30~16:30(16:00最終受付) |
|
拝観料 | 大人 1,000円(高校生以上) 小中学生 300円 ※障害者手帳を提示で本人と付き添い1名まで小中学生料金(300円) |
その年の公開日時は東福寺の公式サイトのお知らせ(こちら)に掲載されます。
数年おきに「京の冬の旅」で公開されることもありますが、今回の記事では東福寺が主催で毎年行う特別公開について紹介しています。
なお、公式サイトは割と更新が遅めなので本サイトの以下の記事もご活用ください。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
公開エリア・撮影の可否【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
公開エリア(境内図・間取りあり)
東福寺塔頭「龍吟庵(りょうぎあん)」特別公開 | |
---|---|
方丈(国宝) | ・方丈の6室のうち5室の見学が可能 →室内には入れず入口の前から中を見るスタイル ・掛け軸「無関普門像」(道晃法親王筆/江戸時代・1659年) →方丈正面中央の「室中の間」 ※2023年12月3日まで京都国立博物館で開催されている「東福寺展」に貸し出し中 |
庭園 | ・3つの枯山水(作庭:重森三玲/昭和39年) ①方丈南側「無の庭」 ②方丈西側「龍の庭(西庭)」 ③方丈東側「不離の庭」 |
その他 | ・開山堂(外観) ・庫裏(外観) |
上記が拝観チケット購入後に見られ公開内容(エリア)です。
専任のガイドさんが方丈と庭園の解説をしてくださいます。
撮影の可否
東福寺塔頭「龍吟庵(りょうぎあん)」特別公開 | |
---|---|
方丈(国宝) | 撮影不可(外観と内部両方NG) |
庭園 | 撮影可 |
※撮影の可否は変更になる場合があるので拝観時の指示に従ってください
方丈の外観はパンフレットに掲載されていますが、全体を写した写真が欲しい方は絵葉書の購入がおすすめです。
→絵葉書詳細はこちら
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
概要と見どころ【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
概要:龍吟庵はこんなところ
龍吟庵(りょうぎあん)概要
- 1291年(正応4年)創建
- 東福寺第三世住持・大明国師(無関普門)の住居として建てられた
- 東福寺の塔頭寺院(塔頭の中で最も格が高い第一位)
龍吟庵は、東福寺の第三世住持・大明国師(=無関普門)が創建し、病に伏してから死去するまでの間、住まいとして利用されていた場所です。
・無関普門とは:鎌倉時代中期の臨済宗の僧(1212-1292年)
・住持とは:寺の長である僧
現在の龍吟庵にある建物は大明国師(=無関普門)が暮らしていた頃のものではありませんが、境内の方丈は1387年(嘉慶元年)に建てられたもので「現存する最古の方丈」として国宝に指定されています。
見どころ1:方丈について
現存最古の方丈建築で国宝
【龍吟庵・方丈基本データ】
- 現存する最古の方丈建築
→足利義満の時代(室町幕府の最盛期)1387年(嘉慶元年)建立 - 国宝
→1963年7月1日に国宝に指定される(1953年3月31日に重文指定) - 桁行八間(16.5m)に梁間六間(12.9m)、屋根は一重の入母屋造で杮葺き
- 1970年(昭和45年)に方丈解体修理を実施(建設当時の形状となる)
- 2021・2022年(令和3・4年)に屋根の修繕工事を実施
方丈とは:禅宗寺院における僧侶の住居。近世以降に住宅兼用の仏堂として宗派を問わず普及した。
龍吟庵方丈は「現存する最古の方丈」として国宝に指定されています。
国宝に指定された理由は次の2点です。
■方丈が国宝に指定された理由
- 現存最古の禅宗方丈建築であるため
→1387年(嘉慶元年)建立 - 「寝殿造」と「書院造」の両方の建築様式が見られるため
→外側が寝殿造の様式、内側が書院造の形式
龍吟庵の方丈が建てられた1387年(嘉慶元年)は、建築様式が「平安期の寝殿造」から「室町時代後期以降の書院造」へと移行する時期で、ひとつの建物の中に寝殿造と書院造両方の特徴が見られます。
ざっくりお伝えすると、方丈の外側に寝殿造、方丈の中側に書院造の特徴が見られます。
詳しくは鑑賞のポイントで紹介しますね。
→龍吟庵「方丈」鑑賞ポイントはこちら
見どころ2:庭園について
昭和の名作庭家・重森三玲、晩年の作
方丈の南 「無の庭」 |
方丈の西 「龍門の庭(西庭)」 |
方丈の東 「不離の庭」 |
- 1964年(昭和39年)昭和の名作庭家・重森三玲により作庭
→1964年の方丈解体修理完了時には庭園がなかったため、重森三玲が寄付金を集め12月2日~27日の25日間で作庭した
方丈の南・西・東には昭和を代表する作庭家・重森三玲の枯山水があります。
こちらの庭園は昭和39年の方丈解体修理完了後に新しく作られたものです。
→龍吟庵「庭園」の鑑賞ポイントはこちら
重森三玲とは:昭和を代表する作庭家で日本庭園史の研究家。(1896年8月- 1975年3月)日本美術学校で日本画を学び、いけばな、茶道を研究し、その後庭園を独学で学ぶ。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
見どころ3:偃月橋について
北政所ねね様のためにつくられた橋
【偃月橋(えんげつきょう)】
- 1603年(慶長8年)竣工
→江戸時代の初期 - 重要文化財
→1967年・昭和42年6月15日指定 - 単層切妻造・桟瓦葺きの木造橋廊(橋長:21m/幅員:2.2m)
- 日本百名橋のひとつ
龍吟庵は、東福寺の境内からこちら「偃月橋」を渡った先にあるのですが、こちらの橋は、豊臣秀吉の正室、北政所ねねさま(1549-1624年)が龍吟庵に通うためにつくられたもです。
北政所:豊臣秀吉の正室、高台院の通称(別名)。「北政所」と呼ばれた人物は歴史上数多く存在したが、高台院以降はこの通称は彼女と不可分のものとして知られるようになる。
高台院:豊臣秀吉の正室。通称「北政所」「ねね」で知られる。秀吉と当時はめずらい恋愛結婚をしていることが有名。
この橋がない時は、「洗玉澗」と呼ばれる渓谷を上り下りするひつようがあり、ねね様にそれはさせるのはいかがなものかと言うことで、造られたそうです。
橋の左右を見た写真・洗玉澗と呼ばれる渓谷 |
なお、橋の名前になっている、「偃月(えんげつ)」は半円の形に見える月(弓張月/半月)のことです。
チェックポイント:「棟札」
龍吟庵を訪れるときまたは乖離に、橋の天井にある「棟札」をチェックしてみてください。
1603年竣工時のことが書かれています。
棟札とは:建物の建築・修築の記録・記念として、工事の由緒・年月・建築者・工匠などをしるして棟木に打ちつける札
見どころ4:開山堂について
鎌倉時代の大明国師座像(重要文化財)が安置されるお堂
龍吟庵の方丈北側には、開山堂があります。
こちらのお堂の中には、「勅諡大名国師」の扁額が掲げられ、鎌倉時代に造られた「大明国師坐像(重要文化財)」が安置されています。
残念ながら開山堂の中は見られず、方丈の廊下から外観を眺めるのみです。
チェックポイント:「扁額」足利義満・筆
方丈に掲げられている扁額だけでなく、こちらの開山堂の扁額も足利義満の字です。
さらっと通り過ぎずにぜひ、開山堂の扁額もチェックしてくださいね!
見どころ5:庫裏について
- 龍吟庵「庫裏」
→桃山時代(1603年)
→桁行10.0m、梁間11.0m、一重、切妻造、妻入、銅板葺、下屋及び廊下を含む
→重要文化財(1953年3月31日指定)
龍吟庵の方丈東側、「不離の庭」の奥にある庫裏も重要文化財に指定されている貴重な建物です。
残念ながら建物内は見れずに、方丈の廊下から眺めるのみです。
見どころ6:表門(勅使門)について
庭園側から見た表門(勅使門) | 外から見た表門(勅使門) |
- 龍吟庵「表門(勅使門)」
→桃山時代(1573-1614年)
→桁行一間、梁間一間、一重、切妻造、妻入、こけら葺
→重要文化財(1953年/昭和28年3月31日指定)
表門(勅使門)は、天皇の使いである「勅使」が来た時か、新しい住職が任命されたときのみひらくそうなので、今は開かずの扉になっています。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
方丈(国宝)の鑑賞ポイント:【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
ポイント1:寝殿造と書院造の2つの様式
龍吟庵の方丈は、建築様式が移り変わる時期にに建てられ「寝殿造」と「書院造」の両方の様式を持つのが特徴です。
寝殿造:平安時代、貴族の住居建築
書院造:室町後期以降から江戸初期にかけて完成していく武士の住居建築
龍吟庵の方丈に見られる寝殿造の様式は建物の外観部分に、書院造の様式は建物の内部に見られます。
寝殿造様式が見られる部分
【龍吟庵の寝殿造様式】
- 蔀戸:上下2枚の格子上の板戸
→上半分を鴨居から吊り下げ、下半分は敷居に掛け金で留める。
開けるときは上半分ははね上げて先端を金具にかけて固定し、下半分は取り外す
- 双折桟唐戸:蛇腹式の扉
→方丈中央の「室中の間」入口の扉
書院造様式が見られる部分
【龍吟庵の書院造様式】
- 部屋の空間が壁や襖で区切られている
→寝殿造様式では襖や壁がなく御簾や几帳、衝立でスペースを仕切った - 天井がある
→寝殿造様式では屋根の傾きがそのまま見える化粧屋根裏という建築方法
→龍吟庵の方丈内の天井は部屋の格式で高さが異なる
(高い天井=格式が高い部屋) - 欄間がある
→寝殿造様式では障子で取り外しが可能
→龍吟庵の方丈内の欄間も部屋の格式で異なる
(格式が高い部屋=筬欄間がある)
ポイント3:足利義満直筆の扁額「龍吟庵」
龍吟庵の方丈の中央「室中の間」の入口上にある「扁額」も鑑賞ポイント。
こちらの「龍吟庵」の文字は、室町幕府3代将軍・足利義満の字です。
扁額とは:神社の鳥居や社殿、寺院の本堂などに掲げられている看板のこと。
神社の扁額は神額、寺院の扁額は寺額、天皇の直筆による扁額は勅額と呼ぶ
ポイント4:仏間がなく広い古式の「室中の間」
いくつもの禅寺の方丈を見ている方であれば、方丈中央「室中の間」の奥に仏間(仏壇)がないことに違和感を感じるかもしれません。
龍吟庵は、方丈形式が確立する以前の古い様式で方丈中央「室中の間」の正面が壁になっています。
ここもしっかりチェックしてくださいね。
また、「室中の間」が両サイドの部屋よりも広いのも古い様式の特徴です。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
ポイント5:室中の間にある「無関普門像」の掛け軸
- 「無関普門像」:道晃親王筆・1659年(江戸時代・万治2年)
龍吟庵の方丈「室中の間」の壁には、東福寺の第三世住持・大明国師(=無関普門)の軸が掛けられています。
上の画像は大名国師の部分だけですが、実際は下のように文字も入っています。
#無関普門 #円爾 の直弟子の一人で、#東福寺 第3世を務めました。
塔頭・龍吟庵を創設するほか、#南禅寺 の開山にも迎えられました。伝記に目が三角で耳が大きいと記されており、
この肖像画からもその特徴が伺えます。#東福寺ゆかりの人物紹介 #特別展東福寺 #東福寺展#東京国立博物館 pic.twitter.com/c7JLkAiS51— 特別展「東福寺」 (@tofukuji2023) March 16, 2023
「無関普門像」の掛け軸は2023年に東京国立博物館と京都国立博物館で開催された「東福寺展」で展示されるレベルの重要な文化財なので、こちらも見逃さずにチェックしてくださいね。
ポイント6:各部屋の天井の高さ
龍吟庵の方丈は、天井の高さが「部屋の格式」をあわわしています。
ぜひ、各部屋の天井の高さも見比べてみてください。
なお、方丈中央「室中の間」の天井が建物内で1番高くなっています。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
3つの庭園の鑑賞ポイント:【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
ポイント1:「無の庭」(方丈前・南側)はこう見る!
- 方丈の南側「無の庭」:重森三玲・作庭(1964年/昭和39年)
→重森三玲の晩年(69歳)の作品
→一木一草も用いない簡素な白砂敷き(龍吟味庵パンフより抜粋)
方丈の南側のお庭名前は「無の庭(むのにわ)」で、禅僧の悟りの境地を表現しています。
そのため、岩や緑などを使わず白砂と石のみで作られています。
方丈の前には白砂を敷くという約束(ルール)があり、方丈前の庭には儀式を行うために出入りする門(勅使門/表門)があるため、いろいろなものを置かないとのこと。
↑勅使門(表門)
「無の庭」はここに注目!
「無の庭」の1番の鑑賞ポイントは、右側の竹垣です。
「無の庭」の竹垣は、稲妻が走る様子を表していて、次の庭「龍の庭(西庭)」へストーリーをつなぐ役割を果たします。
なぜ、稲妻が次の庭につながるのかは、次の「龍の庭(西庭)」の解説をご覧ください。
10年以上間をあけて訪れてみたらなんと!
この記事を書いていて気づいたのですが、2011年と2023年で、「無の庭」の竹垣のデザイン」が変わっていました。
2011に撮影した「無の庭」の竹垣 | 2023に撮影した「無の庭」の竹垣 |
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
ポイント2:「龍門の庭(西庭)」(方丈西側)はこう見る!
- 方丈の西側「龍の庭(西庭)」:重森三玲・作庭(1964年/昭和39年)
→重森三玲の晩年(69歳)の作品
→寺名の「龍吟庵」にちなみ龍が海中から黒雲を得て昇天する姿を石文により表している。青石による龍頭を中央に配し白砂と黒砂は雲を、竹垣は雷を表している(龍吟味庵パンフより抜粋)
方丈の西側には「龍の庭」と名付けられた、重森三玲らしい枯山水が広がります。
こちらの庭園には雷雲のから顔と体の一部を出す龍が表現されています。
「龍の庭」はこう見る!
【龍吟庵パンフ解説】寺名の「龍吟庵」にちなみ龍が海中から黒雲を得て昇天する姿を石文により表している。青石による龍頭を中央に配し白砂と黒砂は雲を、竹垣は雷を表している
パンフレットでは上記のように解説されていますが、2023年11月に来訪した際の解説ガイドさんからは、上の画像のように黒砂は雷雲、白砂は波間との解説がありました。
なお、『重森三玲庭園の全貌(田中勝康・著)』を読むと、龍が黒い雲(黒砂で表現)を呼び起こし、海中(白砂で表現)から左回りに現れる様子を表現といった記載があります。
龍の顔を左右からみるとこんな感じです。
いかつい龍というより、なんだかかわいらしく見えるのは私だけでしょうか?
ちなみに、重森三玲の庭で使用される青石は、阿波産青石です。
なお、「龍の庭(西庭)の竹垣も稲妻模様ですが、先ほどとは形状が違います。
雷(稲妻)のイメージから出来た幾何学的模様「雷紋(稲妻紋)」です。
雲の縁取りに使われているのは砂とセメントと水とを練り混ぜて作る建築材料のモルタルです。
砂の色の違いだけでなく、モルタルで線も表現するあたりに重森三玲っぽさを感じます。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
ポイント3:「不離の庭」(方丈東側)はこう見る!
- 方丈の東側「不離の庭」:重森三玲・作庭(1964年/昭和39年)
→重森三玲の晩年(69歳)の作品
→方丈と庫裏をむすぶ渡廊下に面した長方形の庭園。赤砂を敷いて中央に長石を臥せ、その前後に白黒の二石を配している。狼に襲撃されそうな国師の身を、二頭の犬が守ったという、国師幼少の頃の故事に基づいて作庭されたという。(龍吟庵パンフレットより)
方丈の東側にある「不離の庭」は、赤い石が敷かれた珍しい枯山水です。
こちらの庭は、無関普門(大明国師)が幼少の頃に天然痘を患い山に捨て去られたときの物語が表現されています。
その物語とは、山に捨てられ狼の群れに襲われそうになった無関普門(大明国師)を2匹の犬が守ったという伝説です。
どのように無関普門(大明国師)、犬、狼が表現されているかを紹介しますね。
「不離の庭」はこう見る!
庭園中央の3つの石が無関普門(大明国師)と2匹の犬を表します。
横長で平の石が無関普門(大明国師)で、その左右が犬ですね。
なお、犬は石の色から左が黒い犬、右が白い犬とされています。
2匹の犬はそれぞれ3匹の狼をけちらします。
石の様子から、白い犬の向かいの石の狼はにらみ合っているように見え、その後ろの2匹の狼はしっぽをまいて逃げ出しているように見えます。
反対側の黒い犬は、すでに3匹の狼を追い払った後のように見えます。
なお、重森三玲の庭で鑑賞ポイントとなる竹垣ですが、こちらは「森」を表現しています。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
御朱印(種類・値段・場所)【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
御朱印の種類・値段
東福寺塔頭「龍吟庵(りょうぎあん)」特別公開 御朱印 | |
---|---|
値段 | 500円 |
タイプ | 書置きのみ |
文字 | 正法眼蔵 |
龍吟庵は、特別公開時のみに御朱印の授与があります。
他の日に御朱印のみ頂きに行ける寺院ではないのでご注意ください。
朱印所(御朱印がいただける場所)
東福寺塔頭「龍吟庵(りょうぎあん)」特別公開 御朱印 | |
---|---|
朱印所 | 拝観受付のテント |
受付時間 | 9:30~16:00 |
御朱印が欲しい場合には、拝観受付のテントでその旨を伝えます。
御朱印の受付時間は、9:30~16:00の拝観開始時間から最終受付時間までです。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
物販【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
クリアファイル
東福寺塔頭「龍吟庵(りょうぎあん)」特別公開 物販 | |
---|---|
クリアファイル | A4サイズ(龍の庭):400円 |
クリアファイルは、拝観受付のテントで購入できます。
絵葉書
東福寺塔頭「龍吟庵(りょうぎあん)」特別公開 物販 | |
---|---|
絵葉書 | 絵葉書セット8枚組:500円 |
絵葉書は、拝観受付のテントで購入できます。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
紅葉の見ごろと混雑具合【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
- 11月中旬から12月初旬
例年11月中旬ごろから色づき始め、11月下旬から12月初旬が見頃になります。
ただ、龍吟庵内は色づく木々は少なめです。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
トイレの有無【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
龍吟庵内には観光用トイレなし
龍吟庵に観光用のトイレはありません。
偃月橋を渡る前にトイレは済ませておくのがおすすめです。
龍吟庵に1番近いトイレ(境内図と写真)
龍吟庵に1番近いトイレは下の画像の「トイレ①」です。
龍吟庵に行くには、東福寺の境内(上の図の赤い点線)を通るのですが、「トイレ①」は少しこのルートからそれることになります。
最短距離で龍吟庵に行きたい方は、「トイレ②」に行くのがおすすめです。
トイレ① | トイレ② |
なお、龍吟庵から1番近い「トイレ①」がある場所は、紅葉シーズン限定でオープンする「前田茶房」のテントが設置され、こんな感じになります。↓
(↑2023年秋の前田茶房)
前田茶房のテントに向かって右側(テントの中ではなく横)を通り抜けるとトイレがあります。
↓下の画像の右側の建物が「トイレ①」です。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
拝観レビュー【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
行ってよかったこと
- 解説が丁寧で理解が深まった!
- 東福寺内の寺院だけど人が少なめでゆっくり拝観できる!
2011年と2023年の2回訪れているのですが、2023年はガイドさんが詳細な説明をしてくださったので、方丈と枯山水庭園の鑑賞ポイントが分かり、満足度が高まりました。
龍吟庵は、紅葉シーズン真っ只中に行きましたが、本家の東福寺に比べると人も少なく割と落ち着いて拝観できることも良いところです。
拝観料1000円で少し高めですが、国宝が見れて丁寧な解説も付くので大満足です!
残念だったこと
- 強いて上げるなら、東福寺塔頭寺院にある「蓮弁」が見当たらなかった
龍吟庵の特別拝観で残念だったことは基本的にはなく、大満足なのですが強いて上げるなら、「蓮弁」が見当たらなかったことです。
「蓮弁」が何かといえば、ちょっと長くなりますが説明しますね。
東福寺にはかつて仏殿に「新大仏」と呼ばれた、高さ約15mの釈迦如来坐像がありました。
この新大仏は、1881(明治14)年の大火災で燃えてしまうのですが、お釈迦様の左手とお釈迦様が座っていた蓮の花の花弁(蓮弁)が残りました。
この焼けずに残った「蓮弁」が東福寺の各塔頭寺院に分配されています。
多くの塔頭が方丈に飾っているのですが、龍吟庵では見当たらなかったのです。
2023年の秋は、東福寺の複数の塔頭で「蓮弁」巡りをしていたので、龍吟庵で「蓮弁」を写真に収められなかったことだけが強いてあげる残念だったことです。
実際の「蓮弁」はこちら↓。
東福寺本坊の蓮弁 | 東福寺塔頭・一華寺の蓮弁 |
京都国立博物館で撮影(撮影許可あり) | 一華寺で撮影 |
「蓮弁」が見れなかったこと以外は、まったく残念なことはなく大変満足でした!
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
拝観受付の場所とルート【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
拝観受付の場所
偃月橋を渡り、階段を上がったところに拝観受付のテントがあります。
拝観受付までのルート
龍吟庵に行くには、東福寺の境内を通っていきます。
最寄り駅のJRまたは阪急「東福寺駅」、市バス「東福寺」を利用する場合、「日下門」から東福寺の境内に入ることになります。
なので、「日下門」から「龍吟庵拝観受付」までを写真と共に紹介します。
1.日下門をくぐって直進
前述しましたが、JRまたは阪急の「東福寺駅」、市バスの「東福寺」バス停から徒歩で龍吟庵を目指す場合、東福寺の「日下門」を最初に目指します。
本記事での龍吟庵までのルートは「日下門」からの解説です。
2.本堂前まで直進
龍吟庵に行くために、「日下門」をくぐったらそまま直進します。
3.本堂左横の回廊にある門をくぐる
本堂の前まで来たら左側に上の画像のような回廊と門があるので、門をくぐります。
上の画像は、分かりやすくするために2023年3月に撮ったものになっているので人が少ないですが、紅葉シーズンとその他の時期では下の画像のような差があります。
2023年11月(紅葉シーズン)の様子 | 2023年3月(涅槃図公開日)の様子 |
4.東福寺の庫裏(本坊庭園拝観受付)まで直進
回廊の門をくぐったら、龍吟庵に行くために今度は東福寺の「庫裏(本坊庭園拝観受付)」を目指して直進します。
紅葉シーズはお店がたくさん出ているのでにぎやかです!
紅葉シーズンとその他の時期では下の画像のような差があります。
2023年11月(紅葉シーズン)の様子 | 2023年3月(涅槃図公開日)の様子 |
ちなみにすでに紹介している龍吟庵に1番近いトイレは「2023年3月(涅槃図公開日)の様子」の水色の矢印の方にあります。
5.東福寺の庫裏(本坊庭園拝観受付)の右横を直進
東福寺の庫裏(本坊庭園拝観受付)まで来たら、建物の右横を直進して龍吟庵を目指します。
紅葉シーズンのみ上の写真↑のように御朱印専用の受付が用意され、看板が出ているのでその横を直進します。
東福寺の庫裏(本坊庭園拝観受付)の横を直進していくと奥に「龍吟庵特別拝観」の看板が見えてきます。
なお、ここまでくると「即宗院特別拝観」の看板も並んでいますが、焦らずそのまま直進でOKです。
6.突き当りを曲がり偃月橋へ
突き当りに来たら左に曲がります。
曲がると「偃月橋」が見えてくるので直進します。
6.偃月橋を渡る
偃月橋を渡ります。
7.階段を登り拝観受付のテントへ
橋を渡ったら直進して石の階段を登ります。
ちなみに、橋をわたった正面に「龍吟庵」、右側に「即宗院」が並んでいます。
↓こんなかんじです。
即宗院も秋に特別公開をしているので龍吟庵の拝観の後にぜひ立ち寄ってみてください!
階段を登った左手に龍吟庵の拝観受付(テント)があります。
受付で拝観料を支払いパンフレットを受け取ったら、右手の門へ進みます。
↑こちらが龍吟庵のパンフレット。2011年に来た時と内容は同じでした。
門をくぐって左手が、龍吟庵方丈の入り口です。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>
交通アクセス【特別公開・龍吟庵(東福寺塔頭)】
最寄り駅(バス・鉄道)
東福寺塔頭「龍吟庵(りょうぎあん)」特別公開 | |
---|---|
最寄り駅(鉄道) | ・JR奈良線「東福寺」駅下車、徒歩約12分 ・京阪本線「東福寺」駅下車、徒歩12分 |
最寄り駅(バス) | ・京都市営バス(市バス)「東福寺」下車、徒歩約6分 |
住所 | 京都市東山区本町15丁目778 |
京都駅からのアクセス
京都駅から龍吟庵に行くなら、JR奈良線がオススメ。
というか、これが1番安くて早く行ける方法です。
駐車場
龍吟庵の駐車場はありません。
ちなみに東福寺の駐車場は、龍吟庵が公開される期間は封鎖されていて駐車できません。
<スポンサーリンクの下に記事が続きます>