通常非公開の「光清寺(こうせいじ)」は年に6日間(春3日・秋3日)だけ特別公開される臨済宗建仁寺派の禅寺です。【※9/24・2024年秋の公開情報更新】
主な見どころは、昭和の名作庭家・重森三玲の庭「心和の庭」と「月心庭」、諸芸上達に効く「浮かれ猫図」です。
特別公開期間中は、御朱印とオリジナル御朱印帳の授与もあります。
本記事では、こんな方に向けて写真と図解使って特別公開について詳しく初回していきます。
- 出かける前にしっかり予習をしたい方
- 写真を見ながら拝観を疑似体験したい方
- 拝観後に「あれは何だっけ?」と振り返りたい方
では、目次を開いて気になる項目から読み進めてください。
(項目をクリック/タップすると該当箇所へ移動します)
基本情報|光清寺・特別公開(重森三玲の庭)
公開日時・拝観料・公開内容(春と秋の特別公開)
光清寺さんはアマチュアカメラマンによる撮影トラブルを回避するため、拝観時間を2つに分けています。
※2024年秋は初の夜間公開が開催されます。夜間拝観は2日間のみなのでご注意を!
1.撮影専用拝観 (早朝) |
2.通常拝観 (日中) |
3.通常拝観 (夜間) |
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一眼レフなどスマホ以外で 撮影する方はこちら |
スマホで 撮影する方はこちら |
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公開日 |
【秋の特別公秋】11月末の数日間 |
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→2024年11月2日(土) ~11月4日(月・祝) |
→2024年11月2日(土) ~11月3日(土) |
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【春の特別公開】4月末の数日間 →2024年4月27日(土)~4月29日(月・祝) |
- | ||
拝観 時間 |
・8:30 ~ 9:50 | ・10:00~16:30 (16:00受付終了) ※11時、14時半からお寺の由緒と庭園の解説あり(1回15分程度) |
・18:00~20:00 (19:30受付終了) |
拝観料 | ・2,000円 | ・大人800円 ・小学生400円 ※お茶席希望者は別途700円 |
・大人1,000円 ・小学生500円 ※夜間はお茶席なし |
予約 の有無 |
・要予約 (各回定員15名) |
・予約不要 | ・予約不要 |
予約 方法 |
・公式サイトの専用ページ(こちら)から事前申し込み | - | - |
※上記は変更になる場合があります。お出かけ前に公式情報をご確認ください。(公式サイトはこちら)
特別公開のポスター | |
2024年春 | 2023年秋 |
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撮影の可否
- 本尊以外撮影可能
※通常の拝観時間(10:00~16:30)はスマホでの撮影のみ
⇒2024年の秋は夜間拝観中もスマホの実での撮影が可能
※スマホ以外での撮影は専用の時間(8:30 ~ 9:50)の予約が必要
光清寺さんは、御本尊以外は本堂内もお庭も撮影OKです!
ただ、前述しているように撮影機材で拝観時間が2つ分けられているのでご注意ください。
一眼レフやデジカメでの撮影は早朝で事前予約が必要です!
浮かれ猫のパネル | |
本堂内のパネル | 書院のパネル |
トイレの有無
- あり
→女性用トイレ:玄関から本堂に向かう廊下部分
※中には洋式・和式・男性用便器がありますが、特別拝観時は女性限定になります
→男性用トイレ:三門右手側
女性トイレ | 男性トイレ |
廊下の左側が女性用トイレ | 三門をくぐって右側奥が男性用トイレ |
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公開エリアと拝観ルート・所要時間|特別公開・光清寺(重森三玲)
公開エリアとルート(境内図・間取り・写真)
光清寺の特別公開期間は、上の画像(境内図)のオレンジ点線部分の「本堂と心和の庭」が拝観料で見られるエリアになります。
水色点線の「書院と坪庭」は拝観料とは別料金で「お茶席券」を購入すると入れるエリアです。(坪庭は室内からの鑑賞)※夜間拝観時間はお茶席はありません
お茶席券で、ほうじ茶とお茶菓子がいただけます。
▶お茶とお茶菓子の詳細はこちら
本堂の寺宝・展示品
光清寺の本堂内には、絵馬や書、着物などが展示されています。
ざっと展示物を写真と共に紹介しますね。それぞれの詳細は本記事の後半でお伝えします。
①絵馬「浮かれ猫図」 | ②鏡文字の書「帰家」 | ③染色家・木村明の着物 |
絵馬「浮かれ猫図」(本物) 猫が抜け出した伝説のある絵馬 ▶詳細へ |
鏡文字の「帰家」 →建仁寺の第8第管長・湊 素堂(葆州素堂)の筆 ▶詳細へ |
染色家・木原 明の着物 →住職の奥様が着物の制作をされてる縁で展示 ▶詳細へ |
④扁額「心和山」 | ⑤重森三玲の絵付け皿 | 床の間・床脇 |
山号・心和山の扁額 →心和山は伏見宮貞致親王の母親の戒名からとられた名称 |
作庭家・重森三玲の絵付け皿 →2024年春に展示あり |
本堂の床の間の前には グランドピアノがあります |
■重森三玲(1896年8月- 1975年3月没)
昭和の作庭家・庭園史研究家。日本美術学校で日本画を学び、華道と茶道を習得後、独学で日本庭園の世界へ。国内に約200の庭園を作庭。代表作は「東福寺の八相の庭」。全国の庭園を実測し『日本庭園史大系』全33巻(別巻2巻)を完成させるなど庭園史に多大な功績を残す。
境内のその他の建物・庭
山門から拝観受付の玄関までにも庭園やお堂がいろいろあります。
三門 | 鎮守弁天堂 | 庫裏前「心月庭」・重森三玲作庭 | |
拝観受付(玄関) | 中門 | 鐘楼堂 | |
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所要時間
- 庭園と本堂:10~30分
→庭園と本堂内をサクサク見るなら10分ほど - 庭園と本堂+お茶席(書院):20~40分
→人が少なければ書院でのお茶とお菓子を頂く時間は早ければ10分ほど
※副ご住職によるお寺の解説も聞く場合は、上記にプラス15~20分
庭園と本堂の拝観だけなら、拝観時間は10~30分程です。
写真撮影もそこそこに、さっと見るだけなら10分でも拝観できる規模です。
書院でのお茶席は、空いていてすぐにお茶の用意をしていただけるようなら食べて少し庭を見るくらいなら10分ほどです。
もちろんじっくりゆっくり拝観するなら、本堂とお庭を30分以上かけてみることもできます。
なお、特別公開期間中は副ご住職が光清寺の由緒や庭園の鑑賞ポイントなどを説明してくださる時間があります。解説は15~20分程です。
※解説が行われる時間は開催年によって変更になる可能性があるのでお出かけ前に公式情報をご確認ください。
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見どころ1:2つの枯山水庭園(重森三玲・作庭)
1.心和の庭(方丈前庭)
- 重森三玲が71歳の1967年(昭和42年)に作庭
- 光清寺の山号「心和山」にちなんで地模様(苔のある部分)が「心」の文字
- 七五三配石で12個の青石を使用
- 光清寺の住職(第11世透関和尚)が重森に依頼して作庭
光清寺の1番の見どころが昭和の作庭家・重森三玲の「心和の庭」です。
■重森三玲(1896年8月- 1975年3月没)
昭和の作庭家・庭園史研究家。日本美術学校で日本画を学び、華道と茶道を習得後、独学で日本庭園の世界へ。国内に約200の庭園を作庭。代表作は「東福寺の八相の庭」。全国の庭園を実測し『日本庭園史大系』全33巻(別巻2巻)を完成させるなど庭園史に多大な功績を残す。
本堂前の広縁に座ってゆっくり鑑賞できます。
(↑2024年春)
「心和の庭」の鑑賞のポイントを説明しだすと長くなるので、本記事の後半で詳しく紹介します。
2.心月庭(庫裡前庭)
- 重森三玲が78歳の1974年(昭和49)に作庭
- お寺の庫裡の前にあり、金閣寺垣に囲まれた小さな庭
- 高さ30cmほどのモルタル製の州浜台座と大きな石が特徴
- 庭面には苔「龍の髭」が使用されている
庫裡の前にある「心月庭」は、本堂前の「心和の庭」作庭から5年後、1974年(昭和49年)に作庭された枯山水です。
この場所にはかつてクロマツがあり、枯死したあとに作庭を依頼されたようです。
庭の名前の「心月」は心の真実を月にたとえた表現です。
白砂台を設け石を組み金閣寺垣で囲んでいます。
こちらの庭は重森三玲の奇抜さがより出ている枯山水ですね。
残念ながら、こちらの庭については副ご住職の解説がなかったので鑑賞のポイントは紹介できずです。
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見どころ2:本堂内寺宝
1.諸芸上達に効く「浮かれ猫図」(絵馬)
- 諸芸上達の御利益がある絵馬
- 猫が抜け出し踊りだす伝説あり
光清寺の見どころ二つ目は、絵馬「浮かれ猫図」です。
なぜこの絵馬が見どころかといえば、絵馬から猫が抜け出した伝承が残されているからです。
■光清寺「浮かれ猫図」の伝承
江戸時代、光清寺の傍に「五番町」という遊郭があり、夕方になると遊郭から三味線の音や歌が聞こえてきました。
この音が聞こえると、光清寺の弁天堂の南に掲げられている絵馬から猫が抜け出し、きれいな若い女性の姿となって踊り舞いだしました。
その姿を見た人からは「浮かれ猫」と言いはやされ、当時の住職・松堂和尚が「こりゃまずい」と踊り狂う猫を法力で絵馬に封じ込めました。
その夜、住職が寝ていると夢枕に衣冠束帯(昔の貴族の正装)に身を包み姿勢を正した武士が現れ、「私は絵馬の猫の化身です。あなたに封じ込められ不自由に耐えられません。今後は軽はずみをつつしみますので、なにとぞお許しください」と嘆願し、住職は猫を哀れに思って法力の封を解いてあげました。
その後再び猫が絵馬を抜け出すことはなかったのですが、この話はいっそう世に広まり、「人気商売に利益あり」とされ諸芸上達を祈願する祇園や島原の芸子さんや舞妓さんも参詣しました。
この伝承は、光清寺がある「出水の七不思議」のひとつとなってます。
■出水の七不思議
上京区出水通一帯に伝わる7つの不思議なできごと。①地福寺の日限ひぎり薬師、②極楽寺の両小袖門、③観音寺の泣く山門、④五劫院の寝釈迦、⑤光清寺の浮れ猫、⑥華光寺の時雨松、⑦福勝寺の牡丹桜
本堂の浮かれ猫パネル | 書院の浮かれ猫パネル | お茶券の浮かれ猫 |
光清寺の特別公開時には、お茶席のチケットやパネルになった浮かれ猫ちゃんを見ることができます。
今は「浮かれ猫図」と呼ばれていますが、もともとは「牡丹に三毛猫」という名称のようです。
絵馬には猫・牡丹・蝶が描かれています。
猫と牡丹はすぐ分かりますが、蝶々はぱっと見だとどこにいるか分からないですよね。
↓赤丸部分が蝶です。
高い位置に展示されているので、蝶々は目視するのも写真で確認するのも少し難しいです。
さて、描かれているモチーフですが、牡丹と蝶は中国では富の象徴とされているそうです。
猫は経典をかじるネズミを駆除してくれることから、お寺の天井画などに書かれることがあります。
また、牡丹の花の下で眠る猫は「牡丹花下眠猫児」という禅問答にも登場するので、お寺とは縁が深いモチーフのようです。
■牡丹花下眠猫児
牡丹の花の下で猫の子が寝ていた。だが、人の気配を感じると、すぐさま起きて逃げてしまった。さて、この猫は寝ていたのか。また、寝ている振りをしていたのか。という禅問答。
なお、浮かれ猫の絵馬がもともと飾ってあった弁財天堂は、光清寺の山門を入ってすぐ左側にあります。
建物の右側に、絵馬の写真と解説文が掲げられています。
弁天堂にかかげられている「浮かれ猫図」の写真は、写真家・中田昭さんが寄贈されたとか。
こちらは、弁天堂に掲げられている解説です。
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2.鏡文字の「帰家」の書(墨蹟)
こちらの書(墨蹟)は、建仁寺の8代目の管長・湊 素堂(葆州素堂)の鏡文字「帰家」。
光清寺副ご住職の解説によると、脳梗塞で右半身不随になったあと左手で書かれた文字とのこと。
■墨蹟(墨跡)
紙や布に墨書された肉筆。特に禅僧の筆跡。
■鏡文字
上下はそのままで左右を反転させた文字で鏡に映すと正常な文字・文章が現れる。
■湊素堂(葆州素堂)(1912-2006年没)
昭和から平成にかけての臨済宗の禅僧。臨済宗建長寺派管長を務めったのは1964年-1980年と1989年-1999年。
禅語の「帰家穏坐」、仕事で忙しい毎日で心にゆとりがなくても家に帰れば穏やかに安らかにくつろぎましょう。ということから、お寺もそのような場所でなければいけませんよ。という意味でこの字を書かれたそうです。
正面から見ると鏡文字ですが、ご本尊側からみると「帰家」になるので本尊に向けて書かれたのではないかというお話でした。
実際に裏から見るとこんな感じです。
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3.染色家・木原 明の着物
(↑2024年春撮影)
こちらは、京都府の人間国宝(京都指定無形文化財保持者)の染色家・木原明さんの作品です。
2023年秋と2024年春に伺いましたが、どちらの特別公開でも木原さんの作品が展示されていました。
(↑2023年秋撮影)
光清寺の副ご住職の奥様が着物をつくられているそうで、そのご縁で展示されているようです。
■木原 明(1942-2014年没)
京都生まれの染色家。京都指定無形文化財(絞り染め)保持者。友禅と絞り染の技法を併用した独自の作品を制作。友禅作家の木原生長の長男で、1962年に辻が花染めの小倉建亮に師事し、その後日本画家の小松均に師事。伝統工芸展などに出品し多数受賞。
着物はこんな感じ↓で本堂の右側に展示されています。
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お茶席の詳細|特別公開・光清寺(重森三玲)
お菓子とお茶
- お菓子
→左が塩芳軒の「聚楽」
→右が浮かれ猫の「干菓子」(光清寺オリジナルデザイン) - お茶
→無農薬のほうじ茶(おそらく、奈良の月ヶ瀬健康茶園)
光清寺さんのお茶席のお菓子は塩芳軒の「聚楽」と浮かれ猫の「干菓子」です。
お菓子の後ほどより詳しく紹介しますね。
お茶はほうじ茶で、お寺の方が「奈良の月ヶ瀬のほうじ茶です」とおっしゃっていたので、おそらく奈良の月ヶ瀬健康茶園のほうじ茶だと思います。(違ったらごめんなさい)
2023年秋と2024春の両方お茶席券を購入しましたが、どちらもお茶とお菓子は同じでした。おそらく今後も変わらないと思います。
■塩芳軒
創業明治15年(1882年)。京都の西陣、豊臣秀吉の邸宅・聚楽第跡の一角で京菓子を作り続けるお店。大正初期に完成した店舗は 景観重要建造物、京都市歴史的意匠建造物に指定。
主菓子
塩芳軒さんの「聚楽」の中身はこちら↑。
大きさは7センチくらいで厚みが2.5センチとずっしりとしています。
中にはこしあんが入っています。
初代から伝わる代表銘菓「聚楽」聚楽専用に炊き上げたなめらかな「こし餡」
和三盆の蜜を使用した独特な風味のしっとりとした生地【塩芳軒】を代表する味をお楽しみください。(引用元:塩芳軒御欄ショップ)
塩芳軒さんも書かれてますが、記事がちょっと独特の風味です。
干菓子
こちら↑が浮かれ猫の干菓子です。
干菓子の浮かれ猫ちゃんは、お茶券の猫ちゃんより顔が横長で丸みがありますね。
どちらも味があって可愛いです。
ほうじ茶
光清寺さんのお茶席でいただくほうじ茶は、ものすごくおいしいです!
今まで飲んだ中でほうじ茶で一番おいしかったと言っても過言ではないくらい。
前述してますが、お寺の方が「奈良の月ヶ瀬のほうじ茶です」とおっしゃっていたので、おそらく奈良の月ヶ瀬健康茶園のほうじ茶だと思います。(違ったらごめんなさい)
今度購入してみようと思います。
お茶席会場・書院の様子
(↑2024年春)
お茶をいただく部屋は「書院」で、座布団席と椅子&テーブル席があるので好きな方に座ります。
※公式情報によると2024年の秋は15時以降本堂お茶とお菓子を頂くことができるようです。
書院にも浮かれ猫のパネルがあります。
書院からは坪庭が見えます。
(↑2024年春)
(↑2023年秋)
(↑2024年春)
(↑2023年秋)
(↑2023年秋)
書院の写真は他にもいろいろ撮ったので本記事の後半で紹介します。
お茶席のオススメ度
- おすすめ度:4
お茶席会場の書院前の庭は特に名前がない坪庭で、書院自体も特別な歴史的価値が高い建物ではないようですが、1度はお茶席券を購入してみてください。
みなさんに、おいしいほうじ茶も飲んでいただきたいですし、光清寺さんの快活なスタッフの方のおもてなしも体験していただきたいですね。
京都以外からいらっしゃる方にとっては、塩芳軒さんのお菓子をいただく機会も貴重な体験になると思います。
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御朱印(種類・値段・場所)|特別公開・光清寺(重森三玲)
御朱印一覧
1.大悲殿 | 2.心月 | 3.心和庭 |
本尊の御朱印 | 庫裏前の庭園の御朱印 | 本堂前の庭園の御朱印 |
大非殿(だいひでん) | 心月(しんげつ) | 心和庭(しんわてい) |
500円 | 500円 | 500円 |
直書き・書置き選択可能 | 直書き・書置き選択可能 | 直書き・書置き選択可能 |
光清寺さんは、特別公開の期間だけ御朱印の授与があり、上記の3種類です。
直書きと書置きから選べ、1枚500円です。
右上の朱印・伏見宮十四裏菊(伏見宮の紋)がレアだなと思います。
「大非殿」は観音様のことを表します。光清寺場合、ご本尊の聖観世音菩薩です。
【光清寺・御朱印情報】
2024年は7月7日に「七夕光清寺祭」が行われ、上記の3種とは別の御朱印の授与がありました。墨文字が「星河清涼風」で朱印は上記の心和庭と同じもの。直書きは10時30分〜11時45分まで、それ以降は書置き対応でした。次回開催をぜひチェックしてみてください。
御朱印帳一覧
1.朱印帳「心和山」 | 2.朱印帳「砂紋」 |
2500円 | 2500円 |
蛇腹式・大判タイプ(約18×12cm) | 蛇腹式・大判タイプ(約18×12cm) |
特別公開の期間だけ御朱印帳の授与もあります。
上記の2種類で、1冊2500円です。
仕様は、蛇腹式の大判タイプ(約18×12cm)です。
朱印所(御朱印がいただける場所)
- 本堂内に設置される朱印所
光清寺さんは、特別公開期間のみ御朱印の授与をされているので授与所のような専門の部屋はなく、本堂内に朱印所スペースが設けられます。
2023年11月と2024年3月では↓このように場所が違いました。
2024年4月 | 2023年11月 |
2024年春は本堂左手に朱印所スペース 書き手は副ご住職ひとり |
2023年春は本堂右手に朱印所スペース 書き手は2名 |
2024年春は、副ご住職がひとりで御朱印の書き手をされていたので、御朱印待ちの方がたくさんいらっしゃいました。
書置きも用意されていましたが、やはり皆さん直書きを選択されていましたね。
2023年秋のときは書き手さんが2名いたためか、御朱印待ちが多い印象は受けませんでした。
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拝観レビュー|特別公開・光清寺(重森三玲)
行ってよかったこと
- とにかくお寺の方々の雰囲気がいいこと
→超Welcome感があり、質問などにも丁寧に答えてくださる - 庭園の鑑賞ポイントを教えてもらえたこと
→1日に1~2回ですが副ご住職によるお寺の由緒やお庭の解説があり、今回「心和の庭」への理解が深りました - 重森三玲巡りをしているので庭園が見られたこと
→これまで座禅会や写経などのイベント以外、拝観は受け付けていない寺院なので重森三玲巡りをしている身としては庭園が見られて非常によかった
光清寺さんはの特別公開は非常に期間が短いのですが本当に行ってよかったです。
特に、お寺の方々が非常に快活で丁寧な対応をしてくださり、Welcome感も感じられるのが非常に良かったです。
10年ほど前に重森三玲の庭園にはまり、京都で公開している寺院や邸宅を見て回っているのですが、鑑賞方法を解説していただけるところは数少ないので、今回新たに知識をつけられたのも行ってよかった点です。
次回の公開に行かれる方には、住職の解説がある時間帯をおすすめします。
残念だったこと
- 特になし
残念だったことは何もなしです!
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寺院の歴史・由緒|特別公開・光清寺(重森三玲)
光清寺の成り立ち・出来事
- 江戸初期の1669年(寛文9年)創建/皇族の伏見宮家の菩提寺
→開山:臨済宗の杲山義洋禅師
→皇族・伏見宮家の第13代当主の伏見宮貞致親王が母(安藤定子)の供養のために寺地を寄進
→創建当初の寺院名は「聲實庵」 - 江戸中期の1706年(宝永3年)お堂を焼失し再建
→皇族・伏見宮家の第14代当主の伏見宮邦永親王により再建
※邦永親王は貞致親王の息子
→伏見宮貞致親王の母(安藤定子)の戒名「慈眼院殿心和光清大信女」から「心和山光清寺」と改名 - 1868年(明治元年)に建仁寺派の禅寺となる
→建仁寺派となる前は伏見宮家の帰依により本山に所属しない無本寺格 - 1967年(昭和42年)本堂前庭「心和の庭」作庭・重森三玲
→光清寺の住職(第11世透関和尚)が重森に依頼して作庭
→重森三玲71歳 - 1974年(昭和49年)庫裏前庭「心月庭」作庭・重森三玲
→光清寺の住職(第11世透関和尚)が重森に依頼して作庭
→重森三玲78歳 - 2023年(令和5年)秋より特別公開を実施
→これ以前は座禅やヨガ体験者のみ拝観ができたが一般公開はされていなかった
光清寺さんは江戸初期にできているので、京都では新しいお寺です。
かつては岩倉具視(岩倉家)の菩提寺でもあったそうですが、現在倉家の菩提寺は西賀茂霊源寺へ移転しているそうです。
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当日の様子をたっぷり紹介|特別公開・光清寺(重森三玲)
順路1:山門
(2023年秋撮影)
- 山門:1986年(昭和61年)に総ケヤキ造で新築
こちらが光清寺さんの山門です。
光清寺は皇族・伏見宮家の菩提寺がはじまりで格式が高い寺院のため、塀には最高格式を表す5本線が引かれています。
特別公開期間は山門に伏見宮家の家紋「十四裏菊」が書かれた幕が飾られます。
2023年秋と2024年春に拝観した際に、山門入口の左側に「浮かれ猫」の伝説についてかかれた用紙が置いてあり、自由に持ち帰れました。
山門をくぐったら、敷石に沿って直進します。
こちらの写真は2024年4月27日の春の特別公開の時なのでサツキが咲いて、境内がかわいらしい印象です。
順路2:庫裏前「月心庭」(重森三玲・作庭)
- 重森三玲が78歳の1974年(昭和49)に作庭
- お寺の庫裡の前にあり、金閣寺垣に囲まれた小さな庭
- モルタル製の州浜台座と大きな石が特徴
こちらは、1974年(昭和49年)に78歳の重森三玲が作庭した「心月庭」です。
重森三玲は1975年に亡くなっているので最晩年の作品ですね。
かつてこの場所にはクロマツがあり、枯死したあとに当時の副ご住職が作庭を依頼されたようです。
庭の名前の「心月」は心の真実を月にたとえた表現です。
正面からみるとこんな感じ。
重森三玲ファンとしてはこちらもゆっくり見たいところですが、まずは拝観受付へ急ぎます。
順路3:鐘楼堂と拝観受付入口
- 鐘楼堂:総ケヤキ造で1967年(昭和42年)に建立、鐘の音色は黄鐘調
※黄鐘調は日本雅楽に使われる六調子の中のひとつで129Hr(ヘルツ)
「心月の庭」を通り過ぎると左手に鐘楼堂、右手に玄関があります。
こちら↑が拝観受付のある玄関です。
靴を脱いで中に入ります。
拝観受付を済ませると、お寺のパンフ、お寺のイベント案内、心和の庭シール、浮かれ猫シール(お茶席券)を受け取ります。
お茶席は拝観とは別料金なので、購入したひとだけこの可愛い猫ちゃんシールがもらえます。
拝観受付のお部屋を出ると廊下に本堂とお茶席の案内があります。
お茶席券も購入しましたが、まずは本堂へ!
本堂までの間にお手洗いがあります。(上の写真の左側)
普段は男女兼用で使用されていますが、特別拝観期間はこちらのトイレは女性専用になります。男性用は別の建物(山門入ってすぐ)にあります。
本堂に続くこちらの廊下は、歩くとキュッキュと音がしますが、鴬張りの廊下ではなく釘が緩んで音がするようになったそうです。
さて、こちら↑が本堂です。期待が高まります!
順路4:本堂でご本尊をお参り
- 本堂
→大正5年(1916年)光清寺の10代目住職・古関義禎和尚の代に竣工
→翌年に建仁寺の第4代目管長・竹田黙雷老師(黙雷宗淵)を導師に入仏式を執行
お庭にダッシュしたいところですが、まずはご本尊さまにご挨拶。
本堂は襖が取り払われて広々とした空間でした。
特別公開期間以外は、こちらの本堂で座禅会や写経・ヨガ教室が開催されています。
光清寺の本尊は「聖観世音菩薩立像」です。
慈覚大師(円仁)の作と伝わるご本尊で、とても古いようですがお姿は残念ながらよく見えませんでした。
本尊
慈覚大師作と伝えられている平安時代の聖観世音菩薩立像です。宝永元年(1704年)に、京都西北の栂尾(とがのお)領内善妙寺村にあった高山寺末の聲實庵(しょうじつあん)が当寺に移転されたことがありました。その折にもたらされ本尊として安置されました。左手に仏性を象徴する蓮のツボミを持ち、右手をそれにかざして開花をうながす姿です。すべての人々に仏の安らぎがありますようにと願う、慈しみの仏のお祈りをあらわしています。(引用元:光清寺公式サイト)
仏間の横には、浮かれ猫のパネルが置かれてます。↓↓
順路5:御朱印所へ
光清寺さんは、特別公開期間のみ御朱印とオリジナル御朱印帳の授与をされています。
直書きで書き手の人数も限られるので、庭園をゆっくり見る前に預けるのがおすすめです。
御朱印まちの番号札などがないので取り違いに注意です。(今後番号札などができる可能性もあり)
2024年春の特別公開では、御朱印所横に重森三玲の絵付け皿が展示してありました。
2023年秋にはなかったので、もしかしたら今後また別の重森作品や寺宝が展示されるかもしれません。
順路6:「心和の庭」重森三玲・作庭
こちらが1967年(昭和42年)に71歳の重森三玲が作庭した「和心の庭」です。
重森三玲が晩年に作庭しているので、余分なものをそぎ落とし非常にシンプルでありながら、独特のダイナミックな青石の配石が見られる枯山水です。
庭の正面(東部分)には白壁、右側(南部分)に竹垣があります。
庭の左側(北部分)には中門があり、鐘楼堂の屋根が見えます。
個人的には↑ここの石の流れが好きです。
(2023年秋撮影↑)
11月に訪問すると↑苔が少し茶色くまた味わいが異なります。
6つの鑑賞ポイント「心和の庭」
ここからは、拝観時に副ご住職の解説にあった庭園の見方とその他資料を基にした鑑賞のポイント7つを紹介していきますね。
鑑賞ポイントに興味がなく、他の写真が見たい方は「こちら」をクリックして順路7へ進んでください。
鑑賞ポイント1:心の形をチェック
- 鑑賞ポイント1:心の形をチェック
光清寺の「心和の庭」の1番のポイントは、山号の「心和山」にちなんで、苔の部分が「心」の形になっていることです。
少し抽象的な「心」のデザインになっているので、上の写真では少しわかりにくいと思う方もいるかもしれませんね。
そこで、心の文字を書き込んだ写真を用意してみました。↓↓↓
赤文字も含めてみると、心にの形に納得する方も増えたのではないでしょうか。
心の形の庭は過去の枯山水になかったようで、重森三玲としても他に類を見ない創作庭園だったようです。
鑑賞ポイント2:世界観をチェック
- 鑑賞ポイント2:世界観をチェック
光清寺の「和心の庭」は、白砂が海を表し、4つの島(苔の部分)が仙人が住む島を表します。
4つの島は、蓬莱島、方丈島、瀛州島、壺梁島で、まとめて「四神仙島」と呼ばれます。
4つの島がどう対応するかはこちらです。↓↓
A:蓬莱島 B:方丈島 C:瀛州島 D:壺梁島
1番大きな手前の島Aが「蓬莱島」、心の文字の最初の点にあたるBが「方丈島」、右側の小さい島のうち、Cが「瀛州島」、Dが「壺梁島」です。
それぞれの島にどのような違いがあるのかは、私も勉強不足で説明できないのですが、目の前に広がる光景は「海に浮かぶ4つの島で、それぞれの島に仙人が住んでるんだなー」と思ってもらえれば幸いです。
豆知識:砂紋の秘密
豆知識:現在の砂紋は作庭当初とは別物!
現在は、直線を中心としたシンプルな砂紋ですが、作庭当初はより表情豊かな砂紋だったそうです。
どのような砂紋だったかというと、光清寺さんの御朱印帳に描かれている↓こちらの砂紋です。
2023年に「そうだ 京都、行こう。のエクスプレス・カード」会員向けに行われた光清寺の特別拝観では、重森三玲のお孫さん作庭家の重森 千靑さんが、当時の砂紋を披露されました。
余談ですが、前述したように白砂は海を表すので重森三玲は「一木一草を用いない」と言っているのですが、庭の左側にちょこんと草が生えてるんですよね。
この植物はどういう意図でここにあるのか非常に気になります。次回拝観時に聞いてみたいと思ってます。
鑑賞ポイント3:配石をチェック
鑑賞ポイント3:配石をチェック
光清寺の「和心の庭」は、12個の青石が使われています。
画像に番号を振ってみたのでご覧ください。↓↓↓
(左奥から横に石を数えています。)
正面からの庭の写真では分かりずらい方もいると思うので図でも紹介します。↓↓
副ご住職の解説の中に「12という数字は仏教における絶対数でとても大切な数」というお話がありました。
この解説を聞いた時は、12が何を表すのかよく分からなかったのですが、仏教で現実の人生の苦悩の根源を断つことによって苦悩を滅するための12の条件を系列化した「十二因縁(十二縁起)」のことを話されていたようです。
さて、話を石組に戻しましょう。
光清寺の「和心の庭」の石組の種類は「七五三石組」と「三尊石組」です。
■七五三石組
中国で古来から信じられてきた陽の数、奇数の代表的数字、七・五・三という吉数の石を用いて石組みとするもの。
■三尊石組
日本庭園の石組の基本パターンの1つで仏像の三尊仏に見立てて石を配石すること。中央に背の高い主石(中尊石)を置き、左右に主石より低い添石(脇侍石)を配す構成。背の低い石を組み合わせた形式のものを品文字石組と呼ぶこともある。
どのように石組を数えるかは、見る人にゆだねられるのが枯山水ですが、そうはいっても気になりますよね。
今回は、副ご住職に解説していただいた数え方を紹介しますね。
■七五三石組の数え方(副住職解説バージョン)
まず副ご住職が教えてくださった「七五三石組」の7は上の図のように数えます。
上の画像の1番の石が本尊石でと呼ばれます。
この本尊石1個と手前の島(苔の部分)にある5個の石っを合わせて7です。
図でも紹介します。↓↓
↓この赤い丸の石が本尊石。
本尊石は、光清寺さんの本堂にいらっしゃるご本尊とほぼ対の位置にあるそうです。
次に副ご住職解説バージョンの「七五三石組」の5は、本尊石を除いて奥側の5つの石です。
図でも紹介します。↓↓
副ご住職が「本尊石を入れたくなりますが5には入れません」と力説されてたのが印象てきでした。
次に副ご住職解説バージョンの「七五三石組」の3は手前の島(苔部分)の右側3つの石です。
図でも紹介します。↓↓↓
以上が、副後住職に解説していただいた七五三石組の数え方でした。
光清寺さんのパンフレットに掲載されている重森美玲の文章では、また違う七五三石組の数え方が読み取れるので、ぜひ拝観時にそちらも確認してみてください。
■三尊石の数え方(副住職解説バージョン)
副ご住職の解説のなかではこちら↑の3つが三尊石になっているという紹介がありました。
■三尊石組
日本庭園の石組の基本パターンの1つで仏像の三尊仏に見立てて石を配石すること。中央に背の高い主石(中尊石)を置き、左右に主石より低い添石(脇侍石)を配す構成。背の低い石を組み合わせた形式のものを品文字石組と呼ぶこともある。
3つの石をアップにするとこちら。↓↓↓
三尊石の定義「中央に背の高い主石(中尊石)を置き、左右に主石より低い添石(脇侍石)を配す」考えると左が1番背が高いので個人的にはこの三尊石でいいのかな?と違和感を持ちました。
こちらの図↑でみても、背が高い1番の石が中央に見えるポジションはなさそうです。
三尊石に関しては、お寺のパンフレットに書かれている重森三玲の解説からもう一つ紹介します。
■三尊石の数え方(重森三玲解説バージョン)
重森三玲は「大島最奥の立石(主石)が左右の二石と共に三尊石組であり、且つ本尊石である。」と記しているので、本尊石(1番)とその手前にある少し低い石(2番・3番)の3つが三尊石となります。
図にするとこちら。↓↓
■三尊石組
日本庭園の石組の基本パターンの1つで仏像の三尊仏に見立てて石を配石すること。中央に背の高い主石(中尊石)を置き、左右に主石より低い添石(脇侍石)を配す構成。背の低い石を組み合わせた形式のものを品文字石組と呼ぶこともある。
3つの石のアップはこちら↓↓
この3石のバランスはなんだかとてもしっくりきます。
鑑賞ポイント4:余白をチェック
- 鑑賞ポイント4:余白をチェック
光清寺さんの「心和の庭」には、あえて石を置かず空間を作ってるところがあります。
空間は赤丸をした部分です。↑
副ご住職は解説の中でこんな風に語られていました。
「石をたくさん置くと忙しくゆとりがない。人生に置き換えて”待つこと”は大事。なんでも急いだらうまくいかないことありますよね。石を置かないのは、私たちにとって待つことを教えている。人と人との間合い、距離感を重森三玲は教えてくれていると思てる。」
鑑賞ポイント5:竹垣をチェック
- 鑑賞ポイント5:竹垣をチェック
重森三玲の庭園は竹垣もお庭を構成する重要な要素です。
光清寺の竹垣は「心」の文字を抽象化したデザインになってるそうです。
鑑賞ポイント6:方丈横の庭園もチェック
鑑賞ポイント6:本堂脇の南側もチェック
これは、私も拝観を終えてから気づいたので写真がないのですが、光清寺の「心和の庭」は、本堂の南側(上の写真の立ち入り禁止の看板より右側)にも続いています。
本土脇の南側にはかつて庭園で使われていた石が5つ配置されています。
光清寺公式サイトの俯瞰図を見ると、石が置かれているのが確認できます。
(引用元:光清寺公式サイト)
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順路7:本堂内の展示を拝見
本堂の中央の庭園側に光清寺の山号「心和山」と書かれた扁額があります。
どなたの字なのか、いつ作成されたものなのかは解説がなかったので不明です。
こちらが見どころで紹介した、建仁寺の8代目管長・湊 素堂(葆州素堂)の鏡文字「帰家」の書(墨蹟)です。
副ご住職がお話されていた本尊側からみた「帰家」。
欄間の間の柱で残念ながら字が見えないですね。
こちらは見どころ1で、絵馬から猫が抜け出した伝承などの詳細を紹介した絵馬「浮かれ猫図」の実物です。
飾られている場所は下の図①のところです。
結構高い位置に飾られてるので猫の表情などをじっくり見ることはできませんが、江戸時代から諸芸上達に効くと言われる絵馬を見られたのはうれしい限りです。
こちら↑は本堂の床の間と床脇。
床の間の前には衝立が置かれていました。
結構古そうですが、誰の書や絵が貼られているのかは不明です。
こちらは見どころで紹介した染色家・木原明さんの訪問着です。
お着物は本堂の仏間に向かって右側に展示されています。
■木原 明(1942-2014年没)
京都生まれの染色家。京都指定無形文化財(絞り染め)保持者。友禅と絞り染の技法を併用した独自の作品を制作。友禅作家の木原生長の長男で、1962年に辻が花染めの小倉建亮に師事し、その後日本画家の小松均に師事。伝統工芸展などに出品し多数受賞。
裏側も見えるようになっています。
本堂の小壁には絵や書などがいろいろ飾られていました。
それぞれの詳細は分からないので写真をざざっとご紹介します。
ここで紹介していないものもあるので、ぜひ拝観して確認してみてください。
お庭と本堂お拝観を担当したら、次はお茶席へ!
※お茶席は拝観料と別料金です
御朱印をお願いしてる方はお忘れなく!
順路8:お茶席へ
お茶席会場の書院へは、本堂を出て廊下を真っすぐ進みます。
お茶券の浮かれ猫シールを用意します。
お寺のスタッフの方にお茶券猫ちゃんを見せて、書院に入ります。
こちらがお茶席会場の書院です。
書院内には座布団席とテーブル&椅子席があるので好きなところに座ります。
書院内の雰囲気はこんな↑かんじです。
しばらくすると、お寺のスタッフの方がお茶とお菓子を持ってきてくださいます。
お茶とお菓子についての紹介もしてくれます。
本記事ではすでに紹介しているのでここでは割愛しますね。
坪庭を眺めながら頂きます。
2023年の秋に来たときは4人ほど先にお茶をしてる方がいましたが、2024年春は貸し切り状態でした。
座布団席に人がいるとこんな感じになります↓(2023年秋)
お茶とお菓子をいただいた後は床の間や書院内を拝見。
お茶席会場の書院には、正座をしてる浮かれ猫のパネルがあります。
2023年秋 | 2024年春 |
床の間の書は前回と今回で別のものでした。
床の間の欄間には伏見宮家の家紋「十四裏菊」。
床の間の角には、飾り警策。
■警策(きょうさく)
坐禅の際に修行者の肩に打ちつけて、注意を与えたり、眠気を払ったりするために用いられる法具。
違い棚には龍の絵。
この龍は、建仁寺・法堂の天井画『双龍図』(小泉淳・作)ですね。
書院は3間分の襖を外して一部屋にしています。
なので、欄間が2か所あるのですが2つともデザインが違いました。
ぜひ、拝観時に欄間もぜひチェックしてみてください。
書院にはたくさんの書がありました。
お庭にも近づいて見てみましょう。こちらは↑は2024年春の写真です。
2023秋も伺いましたが西日で影が濃く、ガラスに室内が反射してしまったので春のお庭を紹介しています。
坪庭の手水鉢は四角で格子柄です。
銀閣寺の手水鉢のように4面格子模様が違うのか詳しくチェックするのを忘れたので次回はよく見てこようと思います。
書院内の装飾品と坪庭を堪能したので境内散策へ向かいます!
順路9:鐘楼と中門
(↑2023年秋)
拝観受付を出ると目の前に松と鐘楼堂が見えます。
ここで右側を向くと中門があります。
- 光清当寺で最古の建物(年代不明)
- 扉の透かし彫りは開基の伏見宮家家紋「十四裏菊」
こちらの中門の奥が「心和の庭」です。門には伏見宮家の家紋「十四裏菊」。
さて、中門の家紋から見る「心和の庭」もしっかりチェックして帰ります。
家紋越しに見る「心和の庭」はこんな感じ。
※中門の家紋越しに中を見るときは戸に触れないようご注意ください!!
家紋の隙間から「心和の庭」はこんな感じ。
※中門の家紋越しに中を見るときは戸に触れないようご注意ください!!
こちらは先ほどの玄関前にある鐘楼堂。
- 鐘楼堂:総ケヤキ造で1967年(昭和42年)に建立、鐘の音色は黄鐘調
※黄鐘調は日本雅楽に使われる六調子の中のひとつで129Hr(ヘルツ)
鐘を突く側はこんな感じ。
順路10:再び 庫裏前「月心庭」(重森三玲・作庭)
- 重森三玲が78歳の1974年(昭和49)に作庭
- お寺の庫裡の前にあり、金閣寺垣に囲まれた小さな庭
- 高さ30cmほどのモルタル製の州浜台座と大きな石が特徴
- 庭面には苔「龍の髭」が使用されている
拝観受付に向かうときにはゆっくり見ていなかったので、庫裏前庭「月心庭」をじっくり鑑賞。
いろんな角度から見てみましょう。
堪能したので、次に向かいます。
順路11:鎮守社・弁天堂(鎮守・玉照神社)
- 旧伏見宮邸より遷座(移築)
- 1918年(大正7年)再建
- 祭神:中央に弁財天、両脇に稲荷大明神と愛宕大権現
こちらは、本堂に飾られていた「浮かれ猫図」の絵馬がもともとあった弁天堂。
伏見宮邸にあった「鎮守・玉照神社」を江戸時代に光清寺に移したそうです。
ただ、現在のお堂は大正7年に再建されたもの。
建物の側面に「浮かれ猫図」の写真と説明書きが掲げられています。
「浮かれ猫図」については見どころで詳しく紹介したのでここでは割愛しますね。
弁天堂を正面から見るとこんな感じ。
お祭りされている神様は、中央に弁財天、両脇に稲荷大明神と愛宕大権現だそうです。
■弁財天・ご利益
仏教と学芸の守護神。
財運や商売繁盛、芸事の上達、学業向上、縁結び、恋愛成就、子宝成就、寿命長久、開運必勝など
■稲荷大明神
稲を象徴する穀霊神・農耕神。
ご利益:五穀豊穣、商売繁栄、家内安全、交通安全、芸能上達、学業成就、縁結び、厄除けなど
■愛宕大権現
八天狗の筆頭・太郎坊ゆかりの火伏せの神。
ご利益:火にまつわる災厄よけや防火・防災、印刷・コンピューター関係、商売繁盛、恋愛・縁結びなど
以上が、光清寺さんの特別公開の写真でした!
混雑状況と春秋の違い
混雑状況
2023年の秋は、初の一般公開だったので人が多い印象でしたが、ガイドブックに必ず乗る様な寺院に比べると拝観者は少ないです。
光清寺の春と秋を比較すると春の方がゆっくり落ち着いて鑑賞できました。
とはいえ、重森三玲ファンは多くいるので今後人が増えていく可能性はあります。
なお、副ご住職の解説時間に合わせて拝観に来る方は多くいらっしゃいました。
(↑2024年春)
春と秋の違い
- 御朱印
→書き手の人数が秋の方が多い(秋:2名、春:1名・副住職) - 庭園「和心の庭」
→苔が春は青々とした緑だが秋は茶色
→秋は早い時間から西日で日影になる - 本堂内の展示
→若干展示内容がかわります
→着物の展示作品が2023秋と2024春では違いました
→2024春には重森三玲の絵付け皿が展示されていました
春と秋でものすごく大きく違う点はなく、上記に書いた部分が違いです。
光清寺の1番の見どころは「和心の庭」なので、庭の状況が1番大きな違いになります。
春の「和心の庭」 | 秋の庭「和心の庭」 |
4月27日11:20頃の庭 | 11月26日14:20頃の庭 |
先ほど記載した通り、春の苔は青々とした緑で、秋は緑もありますが茶色っぽいです。
光清寺の「和心の庭」の塀の外の木は紅葉しないので印象は大きくは変わりません。
ただ、「和心の庭」は本堂の西側にあり14時ころには庭に影が落ちていました。
春と秋のどちらがオススメ?
個人的には春がオススメです。
庭の状態がエネルギッシュで、京都市内の観光客数が秋よりも少ないのでゆっくり拝観できます。
とはいえ、2025年以降も春と秋の両方公開していただけるのかはまだ分からないので、今後のお楽しみです。
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交通アクセス|特別公開・光清寺(重森三玲)
最寄り駅(バス・鉄道)
光清寺|交通アクセス | |
---|---|
最寄り駅(バス) | ・市バス「千本出水」下車、徒歩約5分 ※6、10、46、55、201、206 ※京都駅からは6,206系統 ※二条駅からは6、46、201、206 ・市バス「七本松出水」下車、徒歩約2分 ※52系統(1時間に1本) |
最寄り駅(電車) | ・JR「二条」駅下車、徒歩約20分 ※改札からの時間 ・地下鉄東西線「二条」駅下車、徒歩約19分 ※1番出口からの時間 |
住所 | 京都府京都市上京区七番町339 |
京都市内を歩いて回るのに慣れてない方は、二条駅からだとかなり遠く感じると思うので、バスで「千本出水」から行くのがおすすめです。
なお、光清寺さんのサイトには二条駅から徒歩10分と書かれてますが、初めて二条駅から光清寺に行く方は、20分くらいみておく方が良いと思います。
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