公開情報

京都・三門(山門)に上がれる寺院とその魅力!公開時期・拝観料・歴史・障壁画・仏像配置・交通アクセスなど

京都には三門(山門)に登って拝観できる寺院が複数あり、楼上(2階)内部の極彩色の障壁画や回廊からの眺望が楽しめます。

本記事では、写真や図を使って京都で拝観できる三門(山門)に特化して紹介していきます。

■三門と山門の違い
三門:禅宗寺院の仏殿前にある門のこと。1階部分に悟りの境地を表す「三解脱門さんげだつもん」(空門くうもん無相門むそうもん無願門むがんもんの3つ)があり、ここを通って菩提の場に入るとされる。
山門:寺院の正門

では、目次を開いて気になる項目から読み進めてください。
(項目をタップ/クリックすると該当箇所にスクロールします)

目次
  1. 【一覧】公開状況(寺院名・公開時期・拝観料)|京都
  2. 三門(山門)の特別公開の魅力
  3. 三門(山門)をいろいろ比較!
  4. 1.南禅寺の三門(天下竜門)【重要文化財】
  5. 2.東福寺の三門【国宝】
  6. 3.金戒光明寺(くろ谷)の山門
  7. 4.知恩院の三門【国宝】
  8. 5.妙心寺の三門【重要文化財】
  9. 6.東本願寺の山門(御影堂門)【重要文化財】
  10. 7.大徳寺の三門(金毛閣)【重要文化財】

【一覧】公開状況(寺院名・公開時期・拝観料)|京都

通年・特別公開で拝観が可能な三門(山門)

1.南禅寺なんぜんじの三門(天下竜門)【重要文化財】:詳細へ
外観 拝観エリアと公開時期 拝観料
【回廊のみ】
・通年
一般:600円
高校生:500円
小中学生:400円
【回廊と内部】
・秋の早朝特別拝観(事前予約)

⇒例年10月末~12月初
ひとり:3000円
※その他エリアの拝観も含む
2.東福寺の三門【国宝】:詳細へ
外観 拝観エリアと公開時期 拝観料
【回廊と内部】
・春季特別公開

⇒毎年3月14日~16日
・秋季特別公開
⇒例年11月中旬~12月初旬
一般:1,000円
小中学生:300円
3.金戒光明寺こんかいこうみょうじ(くろたに)の山門:詳細へ
外観 拝観エリアと公開時期 拝観料
【回廊と内部】
・春期京都非公開文化財特別公開

⇒例年4月末~5月中旬頃
・秋の特別日中拝観
⇒例年11月中旬~12月初

一般:1,000円
中高生:500円
4.知恩院の三門【国宝】:詳細へ ※下記以外に公開になることもあり
 外観 拝観エリアと公開時期 拝観料
【回廊と内部】
・ミッドナイト念仏in御忌

⇒例年4月18日19時~19日7時
※内部で念仏を唱えるイベント(途中参加・退出自由)
【回廊と内部】
・秋期京都非公開文化財特別公開

⇒例年10月末~11月初
一般:1,000円
中高生:500円
5.妙心寺の三門【重要文化財】:詳細へ
 外観 拝観エリアと公開時期 拝観料

【回廊と内部】
山門懺法さんもんぜんぽう
⇒毎年6月18日(固定)
※回廊から内部を見学
300円
6.東本願寺の山門(御影堂門)【重要文化財】:詳細へ
 外観 拝観エリアと公開時期 拝観料
【回廊と内部】
・団体参拝
⇒通年((5名以上で1か月前に事前予約)
※僧侶の案内でめぐる団体参拝の一部に山門(御影堂門)が含まれる
調査中
【回廊と内部】
・春の法要
⇒2025年4月1日 (火) ~ 6日 (日)一般公開
大人1,000円
高校生以下500円

※料金や時期は変更に可能性があります。お出かけ前は公式情報もご確認ください。

Kico
Kico
東本願寺の山門(御影堂門)の拝観については、2025年の2月に”京の冬の旅”の拝観をした際に僧侶の方から聞いた情報です。東本願寺の公式サイトに記載はないのですが、おそらく団体参拝の諸殿拝観に含まれているのだと思います

三門(山門)の公開がある際は、3か月毎の特別公開をまとめて紹介している記事(こちら)に記載しているので合わせてご確認ください。

年間スケジュール

先ほど一覧で紹介した6つの三門(山門)の公開スケジュールを年間でまとめてたのが↑こちら。

毎年必ず公開されるとは限らないですが、参考として活用してみてください。

三門(山門)の公開があるときは、毎月の特別公開をまとめて紹介している記事(こちら)に記載しているので合わせてご確認ください。

Kico
Kico
心寺の山門はこれまでに「京の冬の旅」で公開にされたことが何度かあります。ちなみに夏場はお盆でお寺さんは忙しくなるので「京の夏の旅」で三門が公開になる可能性は低めです。知恩院の三門は春と秋のライトアップ時期に回廊の拝観が組み込まれることがあります。なお、10月以降の特別公開はその年の紅葉の色づきによって時期がずれることもるあります。
南禅寺三門 東福寺三門 金戒光明寺三門
知恩院山門 妙心寺三門 東本願寺三門(御影堂門)

過去に公開があった三門(山門)

7.大徳寺の三門(金毛閣)【重要文化財】:詳細へ
外観 拝観エリアと公開履歴 拝観料
【回廊と内部】
2024年6月22日

※古文化保存協会の会員限定で公開
※2026年が大徳寺創建700年なので特別公開される可能性あり
3,000円/ひとり
Kico
Kico
大徳寺の三門は2024年の古文化協会会員限定公開が初の一般公開だったようです。(会員で三門マニアなのでもちろん上がってきました!)大徳寺の三門はここ最近、京都春秋主催の特別公開で三門の下をくぐり間近で見ることができます。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




三門(山門)の特別公開の魅力

魅力1:極彩色の障壁画!

三門(山門)の楼上内部(2階の内部)の天井や柱、梁などには極彩色で極楽浄土の世界が描かれています。

天女(左:知恩院・右:東福寺)
飛龍(東福寺) 鳳凰(南禅寺)
Kico
Kico
本記事で紹介している写真は絵葉書や書籍用の写真なので明るくきれいですが、実際に拝観するときは堂内は薄暗いので少し絵は見づらいです。それでも極楽浄土の世界に圧倒されます。

【三門楼上内に描かれる主なモチーフ】

  • 飛天(天人や天女)
  • 迦陵頻伽(かりょうびんが)
    仏教で説かれる想像上の生き物。上半身が人で下半身が鳥の姿。極楽浄土に住み、美しい声で法を説く。
  • 共命鳥(ぐみょうちょう)
    仏教で説かれる想像上の生き物。頭が2つある双頭一身の姿。美しい羽根を持つ。極楽浄土に住み、妙なる声で囀ると伝えられている。
  • 飛龍(ひりゅう)/応龍(おうりゅう)
    龍の子どもとされる伝説の霊獣。龍の頭、魚のような胴体、翼のある姿で描かれる。
  • 楽器類
    琵琶、琴、ささら、太鼓、笛、銅鑼など

三門(山門)に描かれるモチーフは各寺院で異なり、仮に同じモチーフでも表現が違うので見ていてとても楽しいです。

なお、本記事で紹介している金戒光明寺の山門と東本願寺の山門(御影堂門)には、極楽図がありません。(延暦寺東塔の山門・文殊楼は堂内障壁画については不明)

Kico
Kico
楼上内は寺院内の他の建物より天井が低く、狭いので極彩色の極楽浄土の世界がとても近く、表現された世界の美しさに感動します。個人的には初めて入った知恩院の三門で迦陵頻伽に出会ってから三門楼上の魅力に取りつかれました。

魅力2:回廊からの眺望!


(南禅寺三門回廊より)

寺院自体が山にあり、多くの三門がビルの7~8階相当の高さがあるため、回廊からは京都市内が望め、天気がいい日は大阪方面まで見えたりします。

京都タワーや五重塔を探すのも三門(山門)拝観の楽しみのひとつです。

ただ、回廊からの眺めを撮影できるのは南禅寺と知恩院くらいです。(近隣が住宅だと撮影禁止になる傾向)


(知恩院三門の回廊より・月影プログラム参加時撮影)

魅力3:釈迦の息子・羅怙羅!


左から4番目が「羅怙羅」で仏殿がある方を向いている
(引用元:妙心寺花園会館のスタッフによるブログ

こちらはかなりマニアックな魅力になります。

三門内部には十六羅漢像が安置されているのですが、釈迦の息子・第十一尊者「羅怙羅」の像が、釈迦が祀られている仏殿の方を向いていたりします。

各寺院で羅怙羅がどこを向いているのかチェックするのも楽しみがあるのも魅力のひとうです。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




三門(山門)をいろいろ比較!

【大きさ】実はこんなに違う三門の高さ!

※大徳寺の三門(金毛閣)は、大きさの数値が公表されていないため割愛しています。

拝観可能な三門(山門)のうち、サイズが公表されているものを比較すると上の図のようになります。

白文字はビルに換算すると何階相当になるかを表しています。

大徳寺の三門は2024年の古文化協会会員限定公開が初の一般公開だったようです。(会員で三門マニアなのでもちろん上がってきました!)大徳寺の三門はここ最近、京都春秋主催の特別公開で三門の下をくぐり間近で見ることができます。

Kico
Kico
三門(山門)の拝観をする際は、それぞれを間近でみるのでどれも大きく感じてましたが、比較してみると思った以上に違いがあるのに驚きました。

ダントツ1位が東本願寺の山門(御影堂門)の27mでビルに換算すると9階建て相当。

これだけ高いのはやはり明治時代につくられているからでしょうか。

どの三門(山門)も2階部分の拝観時には傾斜の厳しい階段を登るのですが、東本願寺はまだ上がったことがないのでどれくらい怖いのか気になるところです。

第2位は知恩院の24mでビルに換算すると8階相当。

知恩院は横幅がダントツで大きのも特徴ですね。山門前の階段も結構な段数があるので目立ちます!

第3位は金戒光明寺の22mでビルに換算すると8階相当。

金戒光明寺は横幅がたいとなのでスリムな山門ですね。屋根の形も他の三門とはちょっと違うのが特徴です。

第4位は東福寺と南禅寺の22mでビルに換算すると7階相当。

東福寺 南禅寺

南禅寺は横幅の数値が公開されていなかったのでこの2つの比率にどんな差があるかは不明です。

写真だけ見ると同じくらいに見えますが結構違ったりするかもしれませんね。

第5位は妙心寺の三門16mでビルに換算すると5階相当。

間近で見ているときは小さいいんしょうなんてんなかったので、妙心寺の三門ってこんなに小さかったんだ!と驚きました。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【古さ】現存最古は600年以上前!

【参考】京都の大きな戦乱・大火
応仁の乱:1467年 – 1477年
天明の大火:1788年(京都の歴史上最大の火災)
元治の大火:1864年(禁門の変にともなう火災)

Kico
Kico
どの三門(山門)も部分修繕や解体修復が行われていますが、600年も前に建てられたものが今も見られるとはすごいですよね。明治時代の東本願寺でさえも110年以上前の建物なのがすごいです!今まで再建時期はあまり気にせず拝観していたので次は意識して登ってみたと思います。

古さで比較すとダントツで古いのが東福寺の三門です。

現存最古とは耳にはしていましたがこうやって比較すると600年の重みを感じますね。

2番目に古いのは大徳寺の三門。大徳寺の三門は下層と上層部分で60年ほど差があります。

3番目に古いのが妙心寺の三門。朱塗がきれいなのでそんなに古い印象がなく、並べてみてびっくり!

4番目は知恩院の三門、5番目は南禅寺の三門、6番目は金戒光明寺の三門。江戸時代は長いだけあって再建ラッシュですね。

8番目は東本願寺の三門(御影堂門)の明治時代。

Kico
Kico
三門(山門)2階部分はいつ安全上の問題で拝観中止になるかわからないので早めに登っておくことをオススメします!

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【障壁画】あの有名絵師が担当!

1.南禅寺三門 2.東福寺三門 3.金戒光明寺三門
再建・江戸時代(1628年) 再建・室町時代(1405年) 再建・江戸時代(1860年)
・狩野探幽たんゆう(1602-1674)
・土佐徳悦(?-?)
吉山明兆きっさんみんちょう(1352-1431) 中殿暁園なかどのぎょうえん(?-?)
・金龍胤乃(?-?)
鳳凰、飛天(天人や天女)など 飛天(天人や天女)、伽陵頻伽かりょうびんが共命鳥ぐみょうちょう飛龍ひりゅう(子どもの龍)、楽器など ・天井画「蟠龍図」
※その他の障壁画なし
詳細へ 詳細へ 詳細へ
4.知恩院三門 5.妙心寺三門 6.東本願寺山門(御影堂門)
江戸時代(1621年) 再建・安土桃山時代(1599年) 再建・明治時代(1911年)
・狩野探幽たんゆう(1602-1674) ・不明 ・障壁画なし
龍、飛天(天人や天女)、迦陵頻伽かりょうびんが、楽器(琵琶、琴、ささら、太鼓、笛、銅鑼)など 龍、飛天(天人や天女)、鳳凰、飛龍(子どもの龍)、迦陵頻伽かりょうびんが、楽器(琵琶、琴、笛)など 竹内栖鳳たけうちせいほうが「飛天舞楽図ひてんぶがくず」を描く予定が実現せず(実物大の原画は現存)
詳細へ
詳細へ 詳細へ
7.大徳寺三門
上部の再建・安土桃山時代(1589年)
内部の写真なし
・長谷川等伯とうはく(1539-1610)
 龍、飛天(天人や天女)、迦陵頻伽かりょうびんが共命鳥ぐみょうちょう、仁王など
詳細へ
Kico
Kico
三門(山門)内部は通常非公開で日の光に当たることが少ないため、当時のままの色彩が残っている状況です。天井も低いので狩野探幽や吉山明兆の作品を間近で見るチャンスでもあります。

■狩野探幽たんゆう(1602-1674)
江戸時代初期の狩野派(江戸狩野)の絵師。13歳で2代将軍・秀忠より祖父・永徳の再来と絶賛され16歳で江戸幕府御用絵師となる。二条城・江戸城・名古屋城・大徳寺・妙心寺などの障壁画を担当

■土佐徳悦(?-?)
詳細不明

吉山明兆きっさんみんちょう(1352-1431)
室町時代前・中期の臨済宗の画僧。周囲から禅僧として高位の位を望まれるが画を好みそれを拒否し、初の寺院専属の画家として大成。僧の位は仏殿の管理を務める殿司でんすだったため「兆殿司」と称された。

中殿暁園なかどのぎょうえん(?-?)
詳細不明・幕末の絵師

■金龍胤乃(?-?)
詳細不明

■長谷川等伯とうはく(1539-1610)
安土桃山時代から江戸時代初期にかけての絵師。千利休や豊臣秀吉らに重用されたった一代で当時画壇のトップにいた狩野派を脅かすほどの絵師となる。

■竹内栖鳳せいほう(1864-1942)
明治中期から大正時代にかけて活躍した日本画家。「東の大観(横山大観)、西の栖鳳」称された。新時代の日本画表現を模索した近代日本画の先駆者で
京都画壇を代表する大家。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【仏像配置】実は寺院で少し異なる

ベーシックな配置

(東福寺三門内部)

三門の楼上(2階部分)内部は上の図のように、須弥壇中央に「宝冠釈迦如来ほうかんしゃかにょらい像」、左に「月蓋長者がっかいちょうじゃ像」、右に「善財童子ぜんざいどうじ像」が配され、その左右に「十六羅漢像」が配置されてるのが基本スタイルです。

須弥壇中央
月蓋長者がっかいちょうじゃ 宝冠釈迦如来ほうかんしゃかにょらい 善財童子ぜんざいどうじ
天竺(インド)の富豪。国中に悪疫が流行した際、仏の教えに従い弥陀三尊像を造り祈念したことで病気をしずめた。 如来になる前の修行中の釈迦の姿。髪を高く結い宝冠をつけ、衣のドレープが多いのが特徴。 仏法を求めて53人の名僧や知識人を訪ね歩いた菩薩。

寺院によっては中央須弥壇の3体が別の仏像になっていたりします。(このあと紹介しています)

十六羅漢は、①に第一尊者、②に第二尊者のように左右交互に並ぶのが基本スタイルです。(寺院によっては①に第二尊者、②に第一尊者のところもある)

須弥壇の左右
十六羅漢
①に第一尊者、②に第二尊者のように左右交互に並ぶのが基本(①と②が逆になることも)
第一尊者:賓度羅跋囉惰闍びんどらばらだじゃ 第二尊者:迦諾迦伐蹉かなかばっさ 第三尊者:迦諾迦跋釐堕闍かなかばりだじゃ
第四尊者:蘇頻陀そびんだ 第五尊者:諾矩羅なくら 第六尊者:跋陀羅ばだら
第七尊者:迦哩迦かりか 第八尊者:伐闍羅弗多羅ばじゃらほったら 第九尊者:戎博迦じゅはくか
第十尊者:半諾迦はんたか 第十一尊者:羅怙羅らごら
※釈迦(仏陀)の息子
第十二尊者:那伽犀那ながせな
第十三尊者:因掲陀いんがだ 第十四尊者:伐那婆斯ばなばし 第十五尊者:阿氏多あした
第十六尊者:注荼半託迦ちゅうだはんたか

本記事で紹介している8寺院の三門(山門)はベーシックな配置だけでなく、中央3つの像が異なるもの、三門や寺院の関係者の像が祀られいるなど少しずつ違いがあります。

図を使って8寺院分をざっと紹介していきます。

各寺院の仏像配置

1.南禅寺三門
配置の詳細へ
2.東福寺三門
配置の詳細へ
3.金戒光明寺三門
配置の詳細へ
4.知恩院三門
配置の詳細へ
5.妙心寺三門
配置の詳細へ
6.東本願寺山門(御影堂門)
配置の詳細へ
7.大徳寺三門(金毛閣)
配置の詳細へ

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




【扁額】著名人の直筆あり!

1.南禅寺 2.東福寺 3.金戒光明寺 4.知恩院
再建・江戸時代(1628年) 再建・室町時代(1405年) 再建・江戸時代(1860年) 落成・江戸時代(1621年)
玅雲閣みょうううんかく(妙雲閣) 浄土真宗最初門 華頂山
足利義持・筆
(室町幕府4代将軍)
後小松天皇ごこまつてんのう・筆
(第100代天皇)
霊元れいげん上皇・筆
(第112代天皇)
・玅は妙の異体字
・大きさは畳3枚分
・浄土宗の真の教えを最初に広めた寺の意味  ・知恩院の山号
・大きさは畳2枚以上 
5.妙心寺 6.東本願寺(御影堂門) 7.大徳寺
再建・安土桃山時代
(1599年)
再建・明治時代
(1911年)
上部再建・安土桃山時代
(1589年)
真宗本廟 金毛閣
伏見宮貞愛親王ふしみのみやさだなるしんのう・筆
明治~大正の皇族)
松花堂昭乗しょうかどう しょうじょう・筆
(江戸時代初期の真言宗の僧侶・文化人)
・東本願寺の正式名称 ・松花堂昭乗が張即之ちょうそくしの書を参考に揮毫
・金毛は金毛の獅子のことで優れた禅僧を意味する 

建物顔といってもいい「扁額へんがく」。天皇や将軍、文化人がその文字を書いています。

教科書で見る名前の人の直筆が現在まで残っているのはすごいですよね。

京都は天皇や将軍が残した扁額がけっこうたくさんあるので、扁額の文字を誰が書いたか意識的にチェックするのも楽しいすよ!

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




1.南禅寺の三門(天下竜門)【重要文化財】

  • 三門の構造:五間三戸二階二重門、入母屋造、本瓦葺、高さ約22m
  • 両側の山廊:それぞれ桁行三間、梁間二間、一重、切妻造、本瓦葺

歴史・由緒・特徴

南禅寺三門
初期 ・鎌倉時代の永仁3年(1295年)に公卿・西園寺実兼の寄進によって創立
応安おうあん年間(1368-1375年)に新三門へと改築されるが文安4年(1447年)の火災で焼失
現在 ・江戸時代の寛永5年(1628年)藤堂高虎が大阪夏の陣に倒れた家来の菩提を弔うために再建
文化財指定 ・重文:1899年(明治32年)に国指定の重要文化財に

南禅寺の三門は「天下竜門」の別名をもつ日本三大門のひとつです。

日本三大門:南禅寺三門(京都)、東福寺三門(京都)、久遠寺三門(山梨)

上層部は「五鳳楼ごほうろう」と呼ばれています。

建築様式は宋から禅宗とともに伝わった「禅宗様ぜんしゅうよう」。

南禅寺の三門とえいば、歌舞伎の演目「楼門五三桐さんもんごさんのきり」内の石川五右衛門のセリフ「絶景かな、絶景かな~」が有名ですが、石川五右衛門がいたとされる時代は南禅寺に三門が存在していない時期になります。

石川五右衛門(1558-1594年):安土桃山時代の盗賊の首長。イエズス会の宣教師であるペドロの日記の中に、その人物の実在を思わせる記述が見つかっている。 

こちらもチェック!

三門前の右側にある巨大な石灯籠は寛永5年(1628年)の三門落慶の際に佐久間勝之かつゆき(安土桃山から江戸時代前期にかけての武将)が供養の為に奉献したもので、日本三大灯籠(上野東照宮、熱田神宮)のひとつ。

この灯篭は「佐久間玄藩げんぱんの片灯寵」と呼ばれ、灯篭の銘文は南禅寺の第270世住職の本光国師(金地院崇伝)の元と伝わっている。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




障壁画

南禅寺三門:再建・江戸時代(1628年)
メイン絵師 ・狩野探幽たんゆう(1602-1674)
・土佐徳悦(?-?)
モチーフ 鳳凰、飛天(天人や天女)など

■狩野探幽たんゆう(1602-1674)
江戸時代初期の狩野派(江戸狩野)の絵師。13歳で2代将軍・秀忠より祖父・永徳の再来と絶賛され16歳で江戸幕府御用絵師となる。二条城・江戸城・名古屋城・大徳寺・妙心寺などの障壁画を担当

■土佐徳悦(?-?)
詳細不明

仏像配置

南禅寺三門
【須弥壇】
・南禅寺三門の須弥壇上の配置はベーシックスタイル
・上の図に記載していないが藤堂高虎一門の重臣の位牌も安置されている
⇒南禅寺の三門は大阪夏の陣に倒れた家来の菩提を弔うために再建したため
・十六羅漢のうち釈迦の息子第十一尊者:羅怙羅らごら(フラーラ)が釈迦如来の方を向いている(拝観時にどこにあるか見るのをメモし忘れたので図に記載なし)
【須弥壇前】
・三門を再建した藤堂高虎とうどうたかとら像、南禅寺の第270世住職の本光国師(金地院崇伝)像、金地院崇伝と親交の深かった徳川家康像が祀られている点が他と異なる
【仏像の状態】
・各像の色彩は割ときれいに残っている状態

公開時期・拝観時間・拝観料

【回廊のみ】南禅寺三門
公開日 通年
※年末(12月28日~31日)は拝観休止
拝観時間 【12/1~2/28】8:40~16:30(16:10受付終了)
【3/1~11/30】8:00~17:00(16:40受付終了)
拝観料 一般:600円
高校生:500円
小中学生:400円
【回廊と内部】南禅寺三門
公開日時期 秋の早朝特別拝観(事前予約)
⇒例年10月末~12月初
※紅葉の色づきによって毎年異なる
拝観時間 【10月】7:00~7:50
【11・12月】7:30~8:20
拝観料 ひとり:3000円
※その他エリアの拝観も含む
備考 秋の早朝特別拝観の詳細は別の記事(こちら)で紹介しています

公開日が分かり次第こちらの記事に掲載しています。

京都特別公開・特別拝観一覧 2025年3月・4月・5月・6月点在している京都の特別公開・特別拝観の情報をまとめました!京都に住んでいるからこそ知ることができる情報を随時更新しています。...
三門の拝観受付は三門の階段を覆う建物内

撮影の可否

南禅寺三門
楼上内部 不可
回廊

南禅寺の三門の上からは境内が一望でき、春は新緑、秋は紅葉が楽しめます。

三門からの景色の撮影が可能な点がうれしいところ。

秋の早朝特別拝観に参加すると登ってくる朝日がとてもきれいです。

朝の特別拝観時に撮影

交通アクセス

南禅寺三門
バス ・京都市営バス(市バス)「東天王町」下車下車、徒歩約10分
・京都市営バス(市バス)「南禅寺・永観堂道」下車、徒歩約10分
電車 ・地下鉄東西線「蹴上けあげ」駅下車、地上出口(1番出口)から徒歩約9分
※ホームからだと約13分
⇒駅からの行き方は別の記事(こちら)で紹介しています
住所 京都府京都市左京区南禅寺福地町

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




2.東福寺の三門【国宝】

  • 三門の構造:五間三戸二階二重門、入母屋造、本瓦葺、幅25.5m・高さ22m
  • 両側の山廊:切妻造、本瓦葺

歴史・由緒・特徴

東福寺三門
初期 ・鎌倉時代の1255年(建長7年)に完成
・鎌倉時代の1319年(応元年)、南北朝時代の1334年(建武元年)、1336年(建武3年)年の3度の火災で焼失
現在 室町時代前期の1405年(応永2年)に室町幕府第4代将軍足利義持によって再建
文化財指定 国宝:1952年(昭和27年)3月29日に指定(三門としては初)
⇒1897年(明治30年)12月28日に重要文化財に指定
メモ 1969年~1977年(昭和44~52年)に全面解体修理を実施

東福寺の三門も日本三大門のひとつです。

日本三大門:南禅寺三門(京都)、東福寺三門(京都)、久遠寺三門(山梨)

建築様式は東大寺の再建の際に取り入れられた「大仏様だいぶつよう天竺様てんじくよう)」と、禅宗とともに伝わった「禅宗様ぜんしゅうよう」の組み合わせ。

東福寺の三門には屋根を支える補助の角柱は、天生大地震てんしょうじしんによる痛み修復するために豊臣秀吉が付けられた事から「太閤柱」と呼ばれています。

天生大地震:安土桃山時代の天正13年11月29日(1586年1月18日)に日本の中部地方で発生した巨大地震

扁額

東福寺
文言 玅雲閣みょうううんかく(妙雲閣)
※玅は妙の異体字
揮毫者 足利義持・筆(室町幕府4代将軍)
大きさ 畳3枚分

揮毫者きごうしゃ:漢字を筆でしたためる人

「真理・美しい」という意味をあらわす「妙」の女偏を「玄」にすることで「奥深い道理」意味も合わせ持たせたとのこと。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




障壁画

東福寺三門:再建・室町時代(1405年)
メイン絵師 吉山明兆きっさんみんちょう(1352-1431)
モチーフ 飛天(天人や天女)、伽陵頻伽かりょうびんが共命鳥ぐみょうちょう飛龍ひりゅう(子どもの龍)、楽器など

東福寺三門内の障壁画は、東福寺の画僧・吉山明兆(きつさんみんちょう)とその弟子「赤脚子(せっきゃくし)」が描いたものと伝わっています。

天井画の中央には「天女」が2人、右側には「伽陵頻伽」、左側には「共命鳥」が描かれています。

吉山明兆の作風は強い墨線と濃い色彩が特徴です。

三門柱や梁には龍の子ども(飛龍)が描かれています。上の写真には3匹の飛龍がいます。

Kico
Kico
三門内部の拝観する際に飛龍が描かれているとテンションあがります!

仏像配置

2.東福寺三門
【須弥壇】
・ 東福寺三門須弥壇上の配置はベーシックスタイル
・十六羅漢のうち釈迦の息子第十一尊者:羅怙羅らごら(フラーラ)が釈迦如来の方を向いている(拝観時にどこにあるか見るのをメモし忘れたので図に記載なし)
【須弥壇前】
・特になし
【仏像の状態】
・各像の色彩は劣化が激しい印象

公開時期・拝観時間・拝観料

【回廊と内部】東福寺三門
公開日 ・春季特別公開(毎年3月14日~16日)
⇒2025年3月14日(金)~3月16日(日)
・秋季特別公開
⇒例年11月中旬~12月初旬
拝観時間 春季
9:00~16:00(15:30受付終了)
秋季
9:30~16:30(16:00受付終了)
拝観料 一般:1,000円
小中学生:300円
※拝観受付は三門すぐ横のテント(公開期間だけ設営)
備考 貴重品以外の荷物は拝観受付に預けるのでスマホや財布を入れる小さいカバンも持って行くのがオススメ

公開日が分かり次第こちらの記事に掲載しています。

京都特別公開・特別拝観一覧 2025年3月・4月・5月・6月点在している京都の特別公開・特別拝観の情報をまとめました!京都に住んでいるからこそ知ることができる情報を随時更新しています。...

東福寺三門の特別公開がある際には三門横に↓このような受付用のテントが設営されます。

Kico
Kico
東福寺の三門拝観時にはリュックやバッグは受付に預ける必要があります。貴重品は持って上がる必要があるのでミニバックも持参するのがおすすめです。

撮影の可否

東福寺三門
楼上内部 不可
回廊 不可

交通アクセス

東福寺
バス ・京都市バス「東福寺」下車、徒歩約約10分
電車 ・JR・京阪電車「東福寺」駅下車、徒歩約10分
・京阪電車「鳥羽街道」駅下車、徒歩約8分
住所 東山区本町15-778

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




3.金戒光明寺(くろ谷)の山門

  • 三門の構造:3間1戸、重層、入母屋造、本瓦葺、高さ23m。
  • 両側の山廊:-

歴史・由緒・特徴

金戒光明寺(くろ谷)山門
初期 1400年頃の創建と考えられ応仁の乱(1467-1477年)で焼失
現在 1860年(万延元年)に再建
文化財指定 京都府指定有形文化財:1985年(昭和60年)5月15日に指定
メモ 2013年(平成25年)に修復作業完了

扁額

金戒光明寺(くろ谷)山門
文言 浄土真宗最初門
揮毫者 後小松天皇ごこまつてんのう(第100代天皇・在位1382-1412)
大きさ 不明(情報なし)

揮毫者きごうしゃ:漢字を筆でしたためる人

「浄土真宗最初門」は「浄土宗の真の教えを最初に広めた寺」という意味です。

金戒光明寺(黒谷)は法然が最初に浄土宗の布教を行った念仏発祥の地であり、それを表す扁額になっています。
浄土宗:法然ほうねんが開いた宗派
浄土真宗:親鸞しんらん(法然の弟子)が開いた宗派

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




障壁画

金戒光明寺山門:再建・江戸時代(1860年)
メイン絵師 中殿暁園なかどのぎょうえん(?-?)
・金龍胤乃(?-?)
モチーフ 天井画「蟠龍図ばんりゅうず

天井には極楽図ではなく龍の絵が描かれてます。

龍がとぐろを巻いて天に昇る姿を描いた「蟠龍図(ばんりゅうず)」です。

龍は仏法の守護神とされ、火災から守るという意味も込められるため寺院の建物にはよく描かれるモチーフですね。

ただ、浄土宗の建物に龍が描かれることは少ないので珍しい組み合わせです。(禅宗寺院では龍が多く描かれる)

絵師については情報がなく、中殿暁園と金龍胤乃は幕末の絵師で蟠龍図に2人の落款が残っているとのこと。

Kico
Kico
金戒光明寺の山門に関しては情報が少なく、特別拝観に行った際に説明員の方にいろいろ質問しても「詳細は分からない」と言われることが多いです。

仏像配置

3.金戒光明寺三門
【須弥壇】
・金戒光明寺三門須弥壇上の配置は中央が釈迦三尊像(宝冠釈迦如来・文殊菩薩・普賢菩薩)な点が大きな特徴
・十六羅漢のうち釈迦の息子第十一尊者:羅怙羅らごら(フラーラ)は正面を向いている
【須弥壇前】
・金戒光明寺の伽藍がらん整備に金一万両を寄進した、肥前の大旦那・横尾宗兵衛夫妻の木像が祀られている点が他と異なる
【仏像の状態】
・各像の色彩はきれい

公開時期・拝観時間・拝観料

【回廊と内部】金戒光明寺(くろ谷)山門
公開日 ・春期京都非公開文化財特別公開
⇒例年4月末~5月中旬頃
・秋の特別日中拝観
⇒例年11月中旬~12月初
拝観時間 ・春 9:00~16:00(受付終了)
・秋 10:00~16:30(16:00受付終了)
拝観料 一般:1,000円
中高生:500円

公開日が分かり次第こちらの記事に掲載しています。

京都特別公開・特別拝観一覧 2025年3月・4月・5月・6月点在している京都の特別公開・特別拝観の情報をまとめました!京都に住んでいるからこそ知ることができる情報を随時更新しています。...

撮影の可否

金戒光明寺(くろ谷)山門
楼上内部 不可
回廊 不可

交通アクセス

金戒光明寺(くろ谷)山門
バス ・京都市営バス「岡崎道」下車、徒歩約10 分
・京都市営バス「東天王町」下車、徒歩約15 分
電車 ・京阪鴨東線「神宮丸太町」駅下車、徒歩約20分
住所 京都市左京区黒谷町121

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




4.知恩院の三門【国宝】

  • 三門の構造:五間三戸・二階二重門・入母屋造、本瓦葺、高さ24m、横幅50m、屋根瓦約7万枚
  • 両側の山廊:各桁行三間、梁間二間、一重、切妻造、本瓦葺

歴史・由緒・特徴

知恩院の三門
初期 創建当初は三門などの伽藍なし
現在 江戸幕府の第2代将軍・徳川秀忠が1619年(元和5年)に建立を発意
1621年(元和7年)に完成
※焼失することなく現存
文化財指定 国宝:2002年5月23日に国宝に指定される
⇒重文指定は1902年7月31日
メモ

現在の知恩院にはいろいろなお堂がりますが、江戸時代になってから浄土宗を信仰した徳川家康が将軍家の菩提所として造営したものになります。

扁額

知恩院三門
文言 華頂山
揮毫者 霊元れいげん上皇(第112代天皇)
大きさ 畳2枚以上

揮毫者きごうしゃ:漢字を筆でしたためる人

華頂山は知恩院の山号です。

知恩院と霊元上皇の間に直接の関係はなく、二代将軍・徳川秀忠の寄進で元和7年(1621年)に完成した知恩院三門に掲げられたそうです。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




障壁画

知恩院三門:江戸時代(1621年)
メイン絵師 狩野探幽たんゆう(1602-1674)
モチーフ 龍、飛天(天人や天女)、迦陵頻伽かりょうびんが、楽器(琵琶、琴、ささら、太鼓、笛、銅鑼)など

知恩院の三門内部は、5つに区切られた天井の中央に龍、その左右両側のに飛天と迦陵頻伽、さらにその両側に琵琶、琴、ささら、太鼓、笛や銅鑼といった楽器が描かれています。


(月影プログラム参加時に撮影)

Kico
Kico
知恩院の三門は広いだけあって天井画もダイナミックです。個人的には知恩院の迦陵頻伽(かりょうびんが)が一番素敵だと思ってます。迦陵頻伽を見るために知恩院の三門特別公開に何度も行ってます。ちなみに知恩院三門は明治の廃仏毀釈の影響から堂内のあちこちに落書きがされている点が非常に残念です。

仏像配置

4.知恩院三門
【須弥壇】
・知恩院三門の須弥壇の配置は、月蓋長者がっかいちょうじゃの位置に須達長者すだつちょうじゃがいる点が他との大きな違い

⇒須達長者は、天竺(インド)の富豪で、釈迦が最も長く滞在して教えを説いた寺院「祇園精舎」を建てた人物
・十六羅漢は重要文化財
【須弥壇前】
・将軍家から三門造営の命をうけた造営奉行・五味金右衛門夫婦の自作の木像が祀られている点が他と異なる
⇒この夫婦は三門完成後予算超過を理由に自刃したと伝えられ夫婦を弔うために三門内部に安置されている
【仏像の状態】
各像の色彩はきれい


(月影プログラム参加時に回廊より撮影)


(月影プログラム参加時に回廊より撮影)

公開時期・拝観時間・拝観料

【回廊と内部】知恩院三門
公開日
・ミッドナイト念仏in御忌
⇒例年4月18日19時~19日7時
※内部で念仏を唱えるイベント(途中参加・退出自由)
・秋期京都非公開文化財特別公開
⇒例年10月末~11月初
拝観時間
・ミッドナイト念仏in御忌
19時~翌日7時
・秋期京都非公開文化財特別公開
9:00-16:00(受付終了)
拝観料
・ミッドナイト念仏in御忌
調査中(おそらく無料)
・秋期京都非公開文化財特別公開
大人 1000円
中高生 500円
※保護者同伴の小学生以下の子ども1名無料
備考 春と秋に行われるライトアップイベントの時に三門の回廊に上がれることもあります。

公開日が分かり次第こちらの記事に掲載しています。

京都特別公開・特別拝観一覧 2025年3月・4月・5月・6月点在している京都の特別公開・特別拝観の情報をまとめました!京都に住んでいるからこそ知ることができる情報を随時更新しています。...

撮影の可否

知恩院三門
楼上内部 不可
回廊


(2023年春のライトアップイベント時に撮影)

交通アクセス

知恩院
バス ・市バス「知恩院前」下車、徒歩約5分
電車 ・地下鉄東西線「東山」駅下車、徒歩約8分
・阪急電車「京都河原町」駅下車、徒歩約15分
・京阪電車「祇園四条」駅下車、徒歩約14分
住所 上京都市東山区林下町400

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




5.妙心寺の三門【重要文化財】

  • 三門の構造:五間三戸二階二重門、入母屋造、本瓦葺、高さ16m、幅12m
  • 両側の山廊:各桁行二間、梁間二間、一重、切妻造、本瓦葺

歴史・由緒・特徴

妙心寺三門
初期 応仁の乱では境内伽藍を焼失
応仁の乱後、亀年禅愉きねんぜんゆが住持の時に造営
現在 妙心寺80世・鉄山宗鈍てつさんそうどんが徳川家康の支援を得て1599年(慶長4年)に再建
文化財指定 重要文化財:1912年2月8日指定

建築様式は宋から禅宗とともに伝わった「禅宗様ぜんしゅうよう」。

障壁画

妙心寺三門:再建・安土桃山時代(1599年)
メイン絵師 不明
モチーフ 龍、飛天(天人や天女)、鳳凰、飛龍(子どもの龍)、迦陵頻伽かりょうびんが、楽器(琵琶、琴、笛)など

年1回、午前中に行われる法要(山門懺法さんもんぜんぽう)のとき以外は、ほぼ閉ざされているため彩色が鮮やかに残っています。


<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




仏像配置

5.妙心寺三門【重文】
【須弥壇】
・妙心寺三門の須弥壇の配置は、中央に観音菩薩(円通大士)が安置されている点が他との大きな違い
・十六羅漢のうち釈迦の息子第十一尊者:羅怙羅らごら(フラーラ)は父の釈迦が安置されている仏殿の方を向いている
【須弥壇前】
特になし
【仏像の状態】
・各像の色彩はかなりきれい
※妙心寺の三門は6/18の山門懺法で回廊から拝観したため仏像配置に他の特徴がある可能性あり

公開時期・拝観時間・拝観料

【回廊と内部】妙心寺三門
公開日 山門懺法さんもんぜんぽう
⇒毎年6月18日(固定)
※回廊から内部を見学
拝観時間 9:00~10:30
※法要の進行具合で時間は前後する
拝観料 300円
備考 上記以外の公開履歴
【第43回京の冬の旅】
2018年1月6日(土)~3月18日(日)
【平成26年度 第50回記念 京都非公開文化財 特別公開】
2014年10月31日(金)~11月9日(日)

山門懺法やその他の公開日が分かり次第こちらの記事に掲載しています。

京都特別公開・特別拝観一覧 2025年3月・4月・5月・6月点在している京都の特別公開・特別拝観の情報をまとめました!京都に住んでいるからこそ知ることができる情報を随時更新しています。...


山門懺法の山門拝観受付待ちの様子

撮影の可否

妙心寺三門
楼上内部 不可
回廊 不可

妙心寺の三門は高さが16mと低いので、回廊からは妙心寺の境内が見える程度です。

交通アクセス

妙心寺
バス ・市バス「妙心寺北門前」下車、徒歩約7分(北門まで約2分、山門まで約5分)
・市バス「妙心寺前」下車、徒歩約5分(南門まで約4分、山門まで約1分)
電車 ・JR嵯峨野線「花園」駅下車、徒歩約6分(南門まで約5分、山門まで約1分)
住所 京都府京都市右京区花園妙心寺町1

妙心寺の三門は南門側にあるので、南門に近いルートの方がすぐに三門にたどり着けます。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




6.東本願寺の山門(御影堂門)【重要文化財】

  • 山門の構造:三間三戸二階二重門、入母屋造、左右繋塀及び山廊附属、本瓦葺、正面21m、側面13m、高さ27m
  • 両側の山廊:-

歴史・由緒・特徴

東本願寺の山門(御影堂門)
初期 1864年の元治大火でほぼ同じ形式の前身の門が焼失
現在 1911年(明治44)に再建
文化財指定 重文:2019年9月30日指定

扁額

東本願寺山門(御影堂門)
文言 真宗本廟
揮毫者 伏見宮貞愛親王ふしみのみやさだなるしんのう(明治~大正の皇族)
大きさ 不明

揮毫者きごうしゃ:漢字を筆でしたためる人

真宗本廟は東本願寺の正式名称です。

貞愛親王の孫(のちに養女になった)嘉枝宮(大谷和子ともこ)が1848年(嘉永元年)に東本願寺第21世法主・大谷光勝へ嫁いでいるそうなので、この関係で扁額を下賜されたと思われます。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




障壁画

東本願寺山門(御影堂門):再建・明治時代(1911年)
メイン絵師
モチーフ

東本願寺の山門(御影堂門)内には、障壁画がありません。

本来は日本画家の竹内栖鳳たけうちせいほうが「飛天舞楽図ひてんぶがくず」を描く予定でしたが実現しなかったとのこと。

飛天舞楽図ひてんぶがくず」も実物大の原画は現存するそうです。

なお、東本願寺の前にある蓮の花をかたどった噴水は竹内栖鳳のデザインです。

■竹内栖鳳せいほう(1864-1942)
明治中期から大正時代にかけて活躍した日本画家。「東の大観(横山大観)、西の栖鳳」称された。新時代の日本画表現を模索した近代日本画の先駆者で京都画壇を代表する大家。

仏像配置

6.東本願寺山門(御影堂門)
【須弥壇】
・東本願寺山門(御影堂門)は須弥壇に釈迦如来、弥勒菩薩、阿難尊者で釈迦三尊像が構成されている点が大きな特徴
⇒弥勒菩薩は、釈迦の入滅後にこの世に現れて衆生を救う存在
⇒阿難尊者は釈迦の直弟子である十大弟子のひとり(十六羅漢とは別)
⇒釈迦如来、弥勒菩薩、阿難尊者の釈迦三尊像は浄土真宗の根本聖典『仏説無量寿経』が説かれた場面を表す
【須弥壇前】
特になし
【仏像の状態】
・かなりきれい(3体とも金色の仏象)

公開時期・拝観時間・拝観料

※2025年4月1日 (火) ~ 6日 (日)に一般公開があります!
拝観料:10時~16時30分 (最終受付16時)
拝観時間:大人1,000円 高校生以下500円

【回廊と内部】東本願寺山門(御影堂門)
公開日 ・団体参拝
⇒通年(5名以上で1か月前に事前予約)
※僧侶の案内でめぐる団体参拝の一部に山門(御影堂門)が含まれる
拝観時間 調査中
拝観料 調査中
備考 上記以外の公開履歴
【京の冬の旅】
2022年1月8日~3月18日

団体参拝(5名以上の参拝)については東本願寺のサイト(こちら)に記載があります。このページに御影堂門のことは描いていませんが、2025年の京の冬の旅で僧侶の方が護衛堂門も上がれると話されていました。予約時に確認してみてください。

撮影の可否

東本願寺山門(御影堂門)
楼上内部 不可
回廊

※御影堂門に上がった方の情報から記載しています。実際の拝観時は現地の指示に従ってください。

東本願寺は京都駅からすぐのばしょにあるので御影堂門から東京タワーがバッチリ見えます。

交通アクセス

東本願寺
バス ・市バス「烏丸七条」下車、徒歩約1分
電車 ・各線「京都」駅下車、徒歩約7分
・地下鉄烏丸線「五条」駅下車、徒歩約5分
住所 京都市下京区烏丸通七条上る

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




7.大徳寺の三門(金毛閣)【重要文化財】

  • 三門の構造:五間三戸二階二重門、入母屋造、本瓦葺
  • 両側の山廊:各桁行二間、梁間二間、一重、切妻造、本瓦葺

歴史・由緒・特徴

大徳寺三門(金毛閣)
初期 応仁の乱で焼失
現在 応仁の乱後の1529年(享禄2年)、連歌師・宗長によって下層が寄進
1589年(天正17年)、千利休が上層を完成
文化財指定 重要文化財:1909年(明治42年)4月5日指定
メモ 1971年(昭和46年)解体修復

扁額

大徳寺三門(金毛閣)
文言 金毛閣
揮毫者 松花堂昭乗しょうかどう しょうじょう(江戸時代初期の真言宗の僧侶・文化人)
大きさ 不明

揮毫者きごうしゃ:漢字を筆でしたためる人

金毛閣は、金毛の獅子のことで優れた禅僧を意味します。

松花堂昭乗は江戸時代初期の真言宗の僧侶で文化人です。

松花堂昭乗は、書道・絵画・茶道に堪能で、特に能書家として高名で独自の松花堂流(滝本流ともいう)という書風を編み出し、近衛信尹・本阿弥光悦とともに「三筆」とされています。

茶道を通じて大徳寺の玉室・沢庵・江月などの禅僧や小堀遠州・金森宗和などの大名茶人と交友を深めていたそうなので、その関係で扁額を描いたのだと思われます。

<スポンサーリンクの下に記事が続きます>




障壁画

大徳寺三門:上部の再建・安土桃山時代(1589年)
メイン絵師 長谷川等伯とうはく(1539-1610)
モチーフ 龍、飛天(天人や天女)、迦陵頻伽かりょうびんが共命鳥ぐみょうちょう、仁王など

大徳寺三門内の障壁画は長谷川等伯の出世作。

三門の障壁画が豊臣秀吉や千利休に気に入られ、1代で狩野派と肩を並べる絵師になります。

なお、大徳寺三門内の長谷川等伯の落款は人偏がない「等白」で大徳寺三門でしか使われていないかなり珍しいものです。

天井の中央に天女と龍、左右に龍、向かって1番右は天女と迦陵頻伽、1番左には天女と共命鳥が描かれていました。(急いで書いたメモなので間違いがあるかも)

また、2本の柱に仁王様も描かれていました。

仏像配置

7.大徳寺三門(金毛閣)
【須弥壇】
・大徳寺三門須弥壇上の配置は釈迦三尊像(釈迦如来坐像、迦葉尊者かしょうそんじゃ阿難尊者あなんそんじゃ
⇒迦葉尊者は釈迦の十大弟子のひとりで1番弟子。
⇒阿難尊者は釈迦の十大弟子のひとりで釈迦の従妹とされる人物。出家以来25年間釈迦の側に仕えた。
※大徳寺三門は拝観時に仏像配置を細かくメモし忘れたので十六羅漢の配置が異なる可能性あり
【須弥壇前】
・須弥壇の前に千利休の像が安置されている点が他との違い
⇒現存する千利休象は2代目
【仏像の状態】
・各像の色彩は劣化が激しい印象

大徳寺の三門内にある利休像は現在は2代目ですが、初代は、利休の切腹の原因とされている曰く付き。

交通アクセス

大徳寺
バス 市バス「大徳寺前」下車、徒歩約1分(総門まで)
※三門は総門入ってすぐ(勅使門の後ろ側の立ち入り禁止エリアにあるので通常は間近では見られない)
住所 京都府京都市北区紫野大徳寺町53