東福寺塔頭の東光寺は通常非公開ですが、毎年11月に特別公開をされています。
本記事では、2024年に実際に拝観した際の写真を掲載しながら東光寺の特別公開に特化して紹介しています。
では、目次を開いて気になる項目から読み進めてください。
(項目をタップ/クリックすると該当箇所にスクロールします)
基本情報|東福寺塔頭・東光寺
公開日・拝観時間・拝観料金
拝観基本情報|東光寺・東福寺塔頭 | |
---|---|
公開日 | 例年:11月の紅葉シーズン →2024年11月10日(日)~30日(土) ※お寺行事により予告なく拝観休止になる場合あり |
拝観時間 | 10:00~16:00 ※日によって午前のみ、午後のみなど変動あり |
拝観料 | 500円 |
公式情報 | こちら |
※かつては拝観付きのお茶席がありましたがマナーが悪い拝観者が続き2019年に終了されています。
公開エリア(間取り・拝観ルート図あり)
東福寺塔頭・東光寺の特別公開は、本堂と庭園が拝観エリアになります。
本堂内ではこちらの寺宝を見ることができます。
- A:本尊「文殊菩薩」
- B:「開山・像無為昭元像(大智海禅師像)」
⇒東光寺の開山 - C:「直山玄侃禅師像」
⇒廃寺になった長慶院の開山
※BとCは左右逆の可能性もあります。どっちがどっちだったかわすれてしまいました - D:東福寺大仏の「蓮弁」
⇒かつて東福寺の大仏が焼失した際に残った蓮の花の台座の一部(東福寺塔頭に1枚ずつ配られた)
見どころ|東福寺塔頭・東光寺
本堂をL時に囲む庭園の紅葉
本堂前の庭(東側の庭)
こちらが本堂前「東の庭園」です。
2024年は紅葉が遅く11月16日の拝観時でも2本の紅葉は色づき始めですが、紅葉がもっと赤くなるとまた違う雰囲気になります。
東光寺さんのサイトや2013年頃に拝観された方の写真だとお庭の中央に白砂の川と地面を這うように生えた松があるのですが、2021年頃から少しずつお庭を改修されているようです。
南の庭園
南側の庭園には白砂と3つの島で作られた蓬莱山の姿を表現したエリアあがあります。
こちらも2021年頃からのお庭の改修で新しくつくられたものだそうです。
東光寺さんのXにお庭づくりへの思いが書かれていたのでシェアしますね。
寺院庭園はテーマパークのように来客を満足させる為に作られている訳ではなく僧侶の思い入れがある風景を再現した庭や仏教・神仙思想を題材にして作られているのが前提だと思います。知っている形になっていないと理解して頂けない事もありますが人と同じように庭園にもその場所の形がある。(引用元:東光寺SNS)
東光寺さんのお庭は著名な作庭家さんが作った庭園ではなく、お寺の方の思いが詰まった庭園です。
本記事の最後に、拝観順路に注目ポイントを写真と共に紹介しているので、ぜひ最後まで記事をご覧ください。
補遺
御朱印|東福寺塔頭・東光寺
御朱印(値段・デザイン・タイプ)
- 文殊菩薩:書置きのみ・300円
東福寺塔頭・東光寺の御朱印は本尊の「文殊菩薩」1種のみです。
特別公開期間は、書置きタイプのみで1枚300円でいただけます。
特別公開期間外は、ご住職がいらっしゃる場合直書きの御朱印をお願いできるようです。
御朱印の受付場所・時間
- 受付の場所:拝観受付
- 授与時間:10:00-16:00(特別公開の拝観時間内)
※特別公開の拝観時間は、日によって午前のみ、午後のみなど変更あり
東福寺塔頭・東光寺の御朱印は拝観受付で、拝観時間内にいただけます。
特別公開期間外はご住職がいらっしゃるときのようなので都度確認が必要です。
レビュー|東福寺塔頭・東光寺
行ってよかったこと
- 貸し切り状態で堪能できたこと
紅葉シーズンの東福寺はすごい人なのですが、東光寺さんは知る人ぞ知るお寺なので拝観者が少ない中で紅葉が楽しめました。
残念だったこと
- 特になし
残念だったことは特になしです。
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歴史・由緒|東福寺塔頭・東光寺
成り立ち・出来事
■鎌倉時代 | |
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応長元年 (1311年) |
東福寺第七世・大智海禅師による開創 ⇒創建時は現在地よりも少し北にあった |
■江戸時代 | |
江戸時代 | 荒廃していたが、中興開山・古林智教禅師により寺域が復興 |
■近代 | |
明治元年 (1868年) |
堂宇を長慶院(現在は廃寺)に譲興し、 東光寺を曹渓院に合併して現在に至る |
東福寺の塔頭の中でもあまり知られていない東光寺さんですが、700年以上の歴史があるお寺さんです。
他の寺院のように成り立ちや出来事の情報が少なくミステリアスですね。
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当日の様子を写真で紹介|東福寺塔頭・東光寺
順路1:山門から拝観受付へ
こちらは東光寺の山門。特別公開実施中はお寺の前に案内板が出ています。
山門の正面は庫裡の玄関です。
山門をくぐってすぐ左の手水鉢のところでお地蔵さんがお迎えしてくれます。
お地蔵さんはとてもつつましやかで穏やかな姿です。
こちらのお地蔵さんは以前はお庭にあったそうですが、今はこうやって門をくぐる私たちをお迎えしてくださってます。
そして、手水鉢と石枠はお寺の方の手作りだそうです。(2021年の春頃にくったと東光寺さんのSNSにかかれていました)
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敷石の上をまっすぐ進むと、拝観受付へは左に進むように案内が出ていました。
庫裡とは本堂の間に拝観受付があります。
靴を脱いで上がり、拝観受付を済ませます。
受付を済ませて本堂へ向かう廊下から東のお庭が見えますが後ほど紹介しますね。
まずは、本堂仏間へ!
順路2:本堂
本堂の中央奥が仏間で、こちら↓の木像が安置されています。
- 本尊・文殊菩薩
⇒像高22.8cmの木造寄木造り、玉眼嵌入
⇒技法や像容から制作は室町時代後半、院派系仏師の手によると考えられる - 開山・像無為昭元像(大智海禅師像)
⇒針葉樹材を用いた像高83.2cmの寄木造り、玉眼嵌入の尊像 - 直山玄侃禅師像
⇒廃寺になった長慶院の開山
⇒像高72.7cm、桧材の寄木造りで玉眼嵌入の尊像
仏間の写真は遠慮したので公式サイトの画像を引用して紹介しますね。
(出典:東光寺・旧ホームページ)
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なお、東光寺の本堂は6室からなる典型的な方丈建築で、そのうち4室が公開されています。
こちら↑は仏間の左隣のお部屋にある床の間と床脇。
東光寺さんに行ったら、床脇の右下にご注目!
こちら↑の不思議な形の木の板は、かつて東福寺の仏殿にあった「新大仏(高さ約15mの釈迦如来坐像)」の蓮の台座の1枚です。名称は「蓮弁」。
東福寺の塔頭には焼失した後に残った「蓮弁」が1枚ずつ配られていて、塔頭によっては拝観時に見えるエリアに飾られています。
ちなみに、他の寺院にある蓮弁はこんな感じ。
東福寺本坊 | 東福寺塔頭・一華寺 | 東福寺塔頭・霊源院 |
京都国立博物館・東福寺展で撮影 (撮影許可あり) |
一華寺で撮影 | 霊源院で撮影 |
床の間にはとてもカッコいい香炉がありました。
蓋にいるのは亀に蛇がまきついているので、北方の守護神『玄武』ですね。
香炉の下側の龍も力強くかっこいいです。
本堂から廊下側に振り向くとこんな感じ↓で東側のお庭が見えます。
東庭の廊下にあるガラス戸はすりガラスになっていて全体像が見えないのが逆に趣深く美しかったです。
こちら↑は本堂内から南側を見た写真。
曇りだったので堂内はかなり薄暗いですが、それが外の色鮮やかな緑を引き立てていました。
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順路3:本堂前庭(東側の庭)
こちらが本堂前のお庭。拝観受付からすぐのところから撮影しています。
2024年は紅葉が遅く11月16日でも色づき始めでしたが、またそれが美しいお庭になっていました。
白砂のところに水がはられた円がありますが、ここには睡蓮が咲くようです。
本堂中央から左をみると↑こんな感じ。
本堂中央から右側をみるとこんな↑感じ。
手水鉢の横には鬼瓦。
庭の右奥には灯篭。
灯篭の手前に宝珠だけがおいてあるのすが、これだけあるということはかなり古い由緒あるものなのかもしれませんね。
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順路4:本堂西側の庭
こちら↑が本堂南側のお庭。
白砂と3つの島は神仙思想・蓬莱山の姿を表現したもの。
前述していますが、お寺の方が2021年から作られて完成したものです。
今後も手が加わって表情がかわるかもしれませんね。
室内から見ると↑こんな感じで趣が変わります。
個人的にこの見え方がすごく迫力があってカッコいいと思っています。
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こちらも紅葉が進めば真っ赤に染まりより一層美しくなります。
お庭も堪能したら、廊下を戻って帰路です。
庫裡の前のお庭は↑↓こんな感じです。
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交通アクセス
最寄りの駅
東福寺塔頭・東光寺の交通アクセス | |
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最寄りの 鉄道駅 |
・京阪「鳥羽街道」駅下車、徒歩約7分 ・JR「東福寺」駅下車、徒歩約10分 ・京阪「東福寺」駅下車、徒歩約10分 |
最寄りの バス停 |
市バス「東福寺」下車、徒歩約10分 |
住所 | 京都市東山区本町15丁目804番地 |
東光寺さんは、京阪の「鳥羽街道」からの方が近いですが、東福寺の紅葉シーズンは東福寺駅から歩いた方が、にぎやかで楽しいです。
紅葉シーズンはいろんなお店が出店するのでそれを見るだけでもウキウキします。
東福寺山内図で東光寺の場所を紹介
上の山内マップで赤枠をしたところが東光寺です。
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