毎年3/1~4/に開催される宝鏡寺「春の人形展2026」に行ってきました!

本記事では写真と図解(境内図・間取り・展示配置)を使って当日の様子をお届けします。

春の人形展に行く前に予習したい方、展示品の復習をしたい方は是非ご覧ください。

では、目次を開いて気になる項目から読み進めてください。

今回のテーマと公開エリア|宝鏡寺・春の人形展2026

今回のテーマ

2026年の春の人形展のテーマは「雛のしつらえ-干支・今を迎えて」です。

毎年恒例の雛人形の展示と馬の人形の展示がされていました。(詳しくは後ほど)

昨年の秋の人形展から京都美術工芸大学(文化財情報デザインコース)の学生さんたちが企画・運営を担当をされています。

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若い学生さんたちの手を借りているからか、使者の間に展示されている人形の数が非常に多かったです。今後も学生さんたちが担当して数多くの人形が見られるなら非常にうれしいですね!

公開エリア

  • 建物:大玄関・使者の間・本堂・阿弥陀堂
  • 庭園:鶴亀の庭・本堂前庭園

2026年も書院の公開はなく、例年通り建物は大玄関・使者の間・本堂・阿弥陀堂、庭園は鶴亀の庭・本堂前庭園でした。

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再び書院で円山応挙の杉戸絵や孫の襖絵が見られる日が来ることを祈るばかりです。今後の京の冬の旅に期待!

拝観ルート

拝観はこちら↑の矢印のルートで巡るようになっていますが必須ではないです。
大玄関と勅使の間の間は宝鏡寺の紹介映像が流れています。

今回、本堂右奥の部屋「上段の間」は見られませんでした。(3/1のオープニングイベントがある日に拝観したので、もしかしたらこの日だけ襖が閉まっていた可能性もあり)

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人形の展示内容|宝鏡寺・春の人形展2026

展示場所(間取り図あり)

2026年の春の人形展では上の図「展示❶~❻」に人形が展示されていました。

いつものように「使者の間」だけ撮影OKです。

展示❶~❻について拝観当日のメモを元に紹介していきますね!

展示❶:勅使の間(写真あり)

毎年写真撮影がOKになる「使者の間」は、こちら↑の写真を見ていただくと分かるように、あらゆるタイプの雛人形や雛飾りがずらりと並んでいました!

こちら↓の一覧表のあとに雛人形それぞれの写真も紹介します。

展示❶:勅使の間(春の人形展2026)
上段
右から
①立雛(昭和)

②有識雛(江戸~明治)
③古今雛(昭和)
④有識雛(昭和)
中段 右から
⑤鶴亀雛(昭和)
⑥伊邪那岐命・伊邪那美命(明治)

⑦浦島太郎・乙姫(明治)
⑧雅楽 五人囃子(明治)
下段 右から
⑨糸巻雛(昭和)

⑩花見人形(明治)
⑪狆引き女官(明治)
⑫雛道具
⑬台所道具(勝手道具)
⑭おくどさん(かまど)
下段・左右 ⑮右近の橘・左近の桜

こちら↑は「使者の間」の展示についての解説。ちなみに「使者の間」自体は来客が本堂への入室許可の待つための控え室だったそうです。

↓ここから1セットずつ取った写真とともに紹介していきます。

①立雛(昭和)

上段1番右の雛人形はこちらの「立雛(たちびな)」。昭和の作品とのことです。

先日、京都国立博物館でひな人形の解説をもらってきたので立雛にいて紹介しますね。

立雛
三月三日に人形を飾るひな祭りの始まりとして人間の穢れを木や紙でできた人形にうつつぃ、川や海へ流す祓いの行事があり舞う。い律できない立雛は、穢れを写す人形から発展したと考えられ、飾ることを目的としていなかった初期の形式を伝えています。
(出典:京都国立博物館 京人形を楽しむための鑑賞ガイド ひな祭りと人形)

宝鏡寺に展示されている立雛は昭和のものなのでばっちり自立してます。

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宝鏡寺のひな人形だけあって、衣装も刺繍がすごいです!個人的には、立雛の雛が筒状なのが非常に興味深い。

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②有識雛(江戸~明治)

上段の右から2番目のひな人形はこちらの「有識雛(ゆうそくびな)」。江戸から明治のもの。

有識雛(ゆうそくびな)
装束しょうぞくに明るい公家の監修のもと、公家や武家のために製作されて特別注文の雛人形。有識とは、宮中にまつわる伝統的な儀式や行事にともなう知識を言います。髪型・装束の色目・文様など、忠実に公家の装束を再現しようとするのが特徴です。
(出典:京都国立博物館 京人形を楽しむための鑑賞ガイド ひな祭りと人形)

女雛の冠がないので保管している間になくなってしまったのでしょうか?扇はたたんで持っていますね。

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顔立ちがふくふくで、衣装や座布団の綿がぱんぱんな感じがすごいですよね。有識雛は公家の監修のもと公家や武家のために製作されるそうなので制作時期には、このようなふっくらしているのが良いとされていたのかもですね。

ちなみに今回展示されていたひな人形の中で1番大きいものでした。
↓こちらの上段右から2番目を他と比べてもらえれば大きさのイメージができると思います。

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③古今雛(昭和)

上段の右から3番目のひな人形はこちらの「古今雛(こきんびな)」で昭和のもの。

古今雛(こきんびな)
江戸の名工、二代目・原舟月が大成したとされる、江戸生まれのひな人形。安永年間(1772~1781)からつくられ始め、江戸での流行を受けて上方のひな人形にも影響を与えたと考えられており、当館(京都国立博物館)ではこれらを京風古今雛と呼んでいます。実際の公家装束にならうものの、京風古今雛では女雛の袖口に刺繍を加えるなど、より豪華に仕立てられています。主に町方で飾られました。
(出典:京都国立博物館 京人形を楽しむための鑑賞ガイド ひな祭りと人形)

宝鏡寺で今回展示されている古今雛が江戸(関東)でつくられたものなのか京都で作られたものなのかは解説がなかったので不明です。

こちらの男雛は刀(太刀?)をさしているので天皇や貴族ではなく、武家をモデルにしたもののようですね。

女雛の冠は保管のためか、人形の前に置かれています。女雛の冠は非常に繊細な作りかつゴージャスです。こちらも扇をたたんで持っていますね。

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個人的には女雛の襟まわりの紐?が何か非常に気になります。京都に住み始めてからお雛様のこういった装飾の違いが非常に気になるようになりました。

④有識雛(昭和)

上段の右から2番目の雛人形はこちらの「有識雛(ゆうそくびな)」で昭和のもの。

有識雛(ゆうそくびな)
装束しょうぞくに明るい公家の監修のもと、公家や武家のために製作されて特別注文の雛人形。有識とは、宮中にまつわる伝統的な儀式や行事にともなう知識を言います。髪型・装束の色目・文様など、忠実に公家の装束を再現しようとするのが特徴です。
(出典:京都国立博物館 京人形を楽しむための鑑賞ガイド ひな祭りと人形)

先ほどの「②有識雛(江戸~明治)」と違い、すっきりとした現代の雛人形に近いタイプです。

ただ、男雛の装束が皇太子もしくは皇嗣が儀式の際に着用する「黄丹袍(おうにのほう)」なので、天皇のお姿を現していますね。

⑤鶴亀雛(昭和)

中段の1番右はこちらの「鶴亀雛」で昭和のものです。

冠が亀と鶴になっています。(↓こちらの写真だと亀と鶴がよくわかる)

「鶴亀雛」について調べてみたところ世の中には雛段に、天皇の御前で鶴と亀が連れ立って新春を寿ぐ舞を舞う能舞台を配した「鶴亀雛(能楽鶴亀雛)」という雛飾りがあるそうです。

能「鶴亀」:皇帝の長寿と治世の繁栄を寿いだ祝言の能

私と同じく初めて知った!という方はぜひ「能楽鶴亀雛」で検索してみてください。

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今回展示されている雛人形の中でとても存在感があり、顔立ちやフォルムがかわいいので印象的でした。

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⑥伊邪那岐命・伊邪那美命(明治)

中段右から2番目はこちらの「伊邪那岐命いざなぎのみこと伊邪那美命いざなみのみこと」で明治のもの。
※宝鏡寺の作品札には「伊邪那美命 伊邪那美命」と書いてあったのですが、おそらく誤記だと思うので本記事では「伊邪那岐命・伊邪那美命」と記載しています

■伊邪那岐命・伊邪那美命
日本神話における最初の夫婦神。男神が伊邪那岐命、女神が伊邪那美命。

こちらのお人形がひな人形としてつくられたものなのか(飾られていたのか)は説明がなかったので不明です。

明治といえば神道を国教とする政策が行わていたのでそれに因んで作られたのかもしれませんね。

ちなみにこちらのお人形は2023の春の人形展で使者の間に展示されていたものです。

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伊邪那岐命は精悍なお顔立ちで頼もしいオーラを発していますね。伊邪那美命はしぐさは(ポーズ)はおしとやかですがお顔立ちにいい意味の厳しさ(キツさ)を感じますね。

⑦浦島太郎・乙姫(明治時代)

中段右から3番目はこちらの「浦島太郎・乙姫」で明治のもの。

浦嶋太郎の右手の形から察するに本来は釣り竿を持っていたのかもしれません。

乙姫様の衣装がフリルが多様されていて珍しいデザインです。

個人的には、浦嶋がのってる亀がかわいらしい亀ではなく「玄武」っぽいのはあえてなのか気になりました。

こちらもひな人形としてつくられたのか(飾られていたのか)は解説がないので不明です。

雛人形は夫婦のはずなので「浦島太郎と乙姫って結婚してるんだっけ?」という疑問がムクムクと湧いてきたので調べてみました。

調べた結果、京都府北部の丹後半島(伊根町と網野町)に伝わる『丹後国風土記たんごのくにふどき』にもとづいた浦島太郎の伝説で二人は結婚しているとのことでした。

和樂のWeb版(こちら)に詳しく書かれているので興味がある方は読んでみてください。

ちなみに伊根町は浦嶋神社があるところですね。

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伊邪那岐命は精悍なお顔立ちで頼もしいオーラを発していますね。伊邪那美命はしぐさは(ポーズ)はおしとやかですがお顔立ちにいい意味の厳しさ(キツさ)を感じますね。

⑧雅楽 五人囃子(明治)

中段右から4番目はこちらの「雅楽 五人囃子」で明治のもの。

配置は向かって右から楽箏がくそう(琴)、しょう楽太鼓がくだいこ、笛(龍笛?)、笛(長いので神楽笛?)

五人囃子と言えば「年少の男の子5人」のイメージが強いので調べてみたところ、官女が雅楽を演奏する形式もまれに見られるそうです。

5人とも顔立ちが違うのでこれから行く方はぜひ、1点1点しっかり見て着てください。

こちら↑楽箏がくそう(琴)を担当する女官。5人の中で1番凛々しいお顔立ちで貫録を感じます。

こちらは、しょうをと楽太鼓がくだいこを担当する女官。2人の丘をを見比べると格好違いますね。

こちらは笛(右が龍笛で左は長いので神楽笛?)を担当する女官。

記事を書いていて気づいたのですが、右の女官は眉毛が他の女官と違いますね。なぜなのか非常に気になります。

左の女官は5人で1番お顔がふっくらしていますね。

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⑨糸巻雛(昭和)

こちらは下段1番右の「糸巻雛」で昭和のもの。

左には鶴、右には亀が描かれているのでこちらも「能楽鶴亀雛」かもしれません。
上の方は着物の襟もとっぽいですね。

ちなみに糸巻雛も初めて聞く(見る)ものだったので調べてみたところみましたが変わり雛の一種ということしか分かりませんでした。

変り雛[通常の雛に対し、変った雛の総称。干支、勅題、時局にちなんだ男女一対の雛。菜の花雛や、糸巻雛などがある。
(引用元:有限会社陣屋

 

⑩花見人形(明治)

こちらは下段の右から2番目「花見人形」で明治のもの。

雛に人形なのになぜ花見?と思ったので調べたところ、ヨドコウ迎賓館で2~4月に展示される明治の雛人形に「花観人形」がありました。詳しくはヨドコウ迎賓館のサイト(こちら)をご覧ください。

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こちらのお人形は二人のおしゃべりが聞こえてきそうな空気感があて非常に素敵でした。同じ作者の人形をたくさん見てみたいです。

⑪狆引き女官(明治)

こちらは下段の右から3番目「狆引き女官」で明治のもの。

「狆引き女官」も今回初めて知ったので調べてみました。

「狆引き女官」は日本原産の愛玩犬種「狆(ちん)」を連れた官女の人形を指し、明治時代後半から昭和時代初め頃に雛飾りと一緒に飾られていたそうです。

犬はお産が軽く子だくさんなため「子供の健康と長寿・安産」を願う象徴とのことです。

ちなみに女官の装いは、たすき掛けに紅い大腰袴おおごしのはかま(高級女官が天皇の御前だけで着用した特別の服装)がお決まりのスタイルとのことでした。

さすが天皇の前に出られる女官だけあって着物がとてもゴージャスですね。
桜の花の刺繍が見事!

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こちらの狆引き女官は吐息が聞こえてきそうな空気感があて非常に素敵でした。こちらも同じ作者の人形を見てみたいです。

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⑫雛道具

こちらは下段の右から4番目「雛道具」。制作年代は不明です。

個々の道具については解説がなかったので調べてみました。

こちら↑に名称を記載していない箱は正式な名前が分からなかったので空欄にしています。

いろいろ調べたところ本来であれば、飯櫃(めしびつ/おひつ)にはご飯をすくう柄の長いスプーンのような形状のしゃもじも付属しているようです。

あとは飯櫃や湯桶は本来、台座(お膳)に乗せて飾る用です。

この装飾で本来のフルセットが見て見たかったですね。

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雛道具のこのおうなお道具類は個々の名称がなかなか見つけられなくて調べるのに非常に苦労しました。

⑬台所道具(勝手道具)

こちらは下段の左から2番目の「台所道具(勝手道具)」。制作年代は不明です。

江戸後期から昭和30年頃まで京都・大阪・神戸の裕福な家庭では雛段飾りの前に、台所道具を模した小さな勝手道具が飾られ、女の子たちが遊びながら家事を覚えていたそうです。

興味がある方は日本玩具博物館の記事(こちら)もご覧ください。

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拝観当日、京都美術工芸大学の先生と取材に来た記者さんのお話をこっそり聞いていたのですが、京都の雛道具はままごと遊びができることが大前提で背の高い段飾りにせず、1~2段の子どもの手が届く高さに飾って遊べるようにしていたとのことです。雛飾りというより雛遊びで、女の子たちは雛道具でおままごとをしながら家事や礼儀作法などを学んでいたようです。こんなにリアルなおままごとセットで遊べるのはうらやましい!

⑭おくどさん(かまど)

こちらは下段の1番左の「おくどさん(かまど)」で制作年代は不明です。

先ほどの勝手道具の前に飾っていたようです。

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京都で拝観をしているとこちらのような昔のかまどを見ることも多々ありますね。

使者の間は以上です。次は本堂の展示について紹介していきます。

展示❷:本堂南側・左の部屋(一部写真あり)

本堂南側の左の部屋(襖絵が葡萄と鹿の部屋)の展示ケースには、今回のテーマにある干支「馬の人形」が展示されていました。

左半分は小さな人形で、右3つは大きめの人形でした。

展示❷:本堂南・左の部屋(春の人形展2026)
展示ケース
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左から
①小さい馬の人形(干支人形)

②小さい馬の人形
③小さめの馬の人形(馬車)
④「暴れ馬」(昭和中期・京人形):大きな馬1頭
⑤「馬乗り若殿」:小さな子供がまたがった馬
⑥「飾り馬」下の写真参照
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馬は農業・軍事・運輸・神の使いとその役割が多岐にわたるので、動物の造形物の中で人気が高く特に多く作られているそうです。個人的には馬乗り若殿が印象に残っています。

⑥飾り馬は2023年の秋の人形展で「使者の間」に飾られていた馬の人形です。


(↑2023年秋の人形展で撮影)

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展示❸:本堂南側・右の部屋

続いて本堂南側の1番右のお部屋。

この部屋は毎年展示される人形の数が変わるのですが、今回は「御殿雛(御殿飾り)」でした。

御殿雛は江戸時代後期から昭和にかけて主に関西地方で流行した、御所(紫宸殿)を模した木製の「御殿」の中に内裏雛を飾る豪華な雛人形です。

御殿の形はいろんなタイプが存在するのですが、今回は天井部分が空いている屋根のない「源氏枠(枠御殿)」と呼ばれるものでした。(源氏物語絵巻の絵のように天から建物の中の様子が見れるため源氏枠)

↓こちらの京都美術工芸大学の投稿にある右上の写真が実際に展示されていたものです。

京都美術工芸大学の先生曰く、今年初めてお披露目したものだそうです。

参考

御殿雛をあまり見たことない方向けに他のタイプも参考として紹介しますね。

こちら↓は妙覚寺の2023年の特別公開で展示されていたものです。御殿がかなりいかついです。

【参考】御殿雛(京都・妙覚寺2023年春の特別公開にて)
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妙覚寺で初めて御殿雛を見たときは衝撃でした。これを見るまでお雛様に全く興味がなかったのですが、御殿雛の存在を知ってからお雛様にはまりました。

展示❹:本堂北側・廊下

本堂北側の部屋に行く途中(廊下)にある展示家ケースにはミニミニサイズの人形が飾られていました。

海老雛はエビの目玉を使って作られた人形とのこと。

ここの展示ケースは毎回同じ人形が飾られていると思います。

展示❺:本堂北側・左の部屋

本堂北側の部屋には2つの展示ケースがあるのですが、片方は「有織雛と雛飾り」が展示されています。

男雛と女雛は今年のパンフレットの表紙に載っている2体で光格天皇から下賜された有識雛です。

有識雛(ゆうそくびな)
装束しょうぞくに明るい公家の監修のもと、公家や武家のために製作されて特別注文の雛人形。有識とは、宮中にまつわる伝統的な儀式や行事にともなう知識を言います。髪型・装束の色目・文様など、忠実に公家の装束を再現しようとするのが特徴です。
(出典:京都国立博物館 京人形を楽しむための鑑賞ガイド ひな祭りと人形)

実際の展示は読売新聞オンラインの記事(こちら)に写真が掲載されていたので気になる方はご覧ください。

宝鏡寺には光格天皇から下賜された有識雛が3組あるそうです。

雛道具の一部はこちら↓で宝鏡寺の寺紋(梅の花のような形に十六弁八重表菊が5つ並ぶ)と菊紋が入っています。

左右の「反物」と「真綿」はこちら↓の右2つの写真です。

こちら↓の写真は今回展示されていたお雛様と別物ですが、お膳はこちらと同じタイプです。

ちなみに、雛飾りの御膳(食器)は塗道具が一般的ですが、宝鏡寺のお雛様は天皇が下賜したものなので、宮中仕様になっています。

宮中仕様は、器が「陶器(菊紋入)」、お箸が「白木」、お膳を並べる台が「三宝」です。

三宝:神社で神様の食事(神饌)をのせたり鏡餅などめでたいものをのせる祝い膳

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今回、京都美術工芸大学の先生がプレスの方に説明しているお話を横で聞いていたので宝鏡寺の雛人形が御所仕様で他とは違うことを知ることができ、ますます京都の雛人形に興味がわきました。

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展示❻:本堂北側・左の部屋

本堂北側の部屋の2つ目の展示ケースには御所人形「孝明さん」、三つ折り人形の「万勢伊さん」「おたけさん」「おとらさん」でした。

「おたけさん」以外は宝鏡寺の有料冊子とパンフに写真があったので紹介します。

考明さん おとらさん 万勢伊さん
展示❻:本堂北側・左の部屋
孝明さん ・人形に造詣の深かった孝明天皇(1831-1866)の崩御後に形見分けとして宝鏡寺へ下賜された御所人形
・孝明天皇にちなみ「孝明さん」と名付けられた
・江戸時代後期の作
万勢伊さん ・関節を曲げられる「三折みつおり人形」で季節毎の着物やミニチュアサイズの道具箱、万勢伊さん用の小さな人形(5mm程度の幅)などの沢山の道具類も用意されている
・第21代の門跡(住職)本覚院宮ほんがくいんのみやに贈られたもの
・本覚院宮の後も浄照明院宮じょうしょうみんのみや三麼地院宮さんまじいんのみやと三代に渡って可愛がられた
・万勢伊さんには魂が宿り、夜回りなどをして寺で暮らす宮様方のお世話をを始めたという言い伝えが残されている
・江戸時代中期の作
おとらさん ・関節を曲げられる「三折みつおり人形」
・万勢伊さんのおつき
・江戸後期の作
おたけさん ・関節を曲げられる「三折みつおり人形」
・万勢伊さんのおつき
・江戸中期作

全部の人形の写真が見たい場合、京都宝物館探訪記の記事(こちら)にのっているので気になる方は合わせて確認してみてください。

ちなみに、こちらのお人形はレギュラーで毎回展示だと思っていたのですが、2023年春は孝明さんが飾られていなかったようなので、毎回確実に展示されているわけではないようです。

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どの人形も江戸時代に姫君たちが遊んでいたとは思えないくらいきれいです。京都のいろんな尼寺で姫君の愛用品を見てきましたが、どれもきれいなので当時の姫君たちは非常に物を大切にしながら遊んだのかと感心します。

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襖絵紹介|宝鏡寺・春の人形展2026

襖絵の場所(間取り図あり)

※2026/3/1に訪問したときは本堂の右2部屋は中央の襖が閉まっていて奥の部屋(上段の間)は見れませんでした

宝鏡寺の襖絵は「本堂」と「阿弥陀堂(勅作堂)」で見られます。

宝鏡寺の襖絵
本堂 狩野探幽の襖絵(江戸次回)
・「秋草図」
河股幸和の襖絵(2004年奉納)
・春「八重桜と小犬」
⇒奈良・東大寺(興福寺)から移植されたと伝えられる「奈良の都の八重桜」と子犬がモチーフ
・夏「葡萄と鹿」
・秋「日(伊勢撫子と鶺鴒)」「月(伊勢撫子と鶺鴒)」
⇒光格天皇から下賜された伊勢撫子と日、月、鶺鴒がモチーフ
・冬「ゆりかもめ(都鳥)」
阿弥陀堂
(勅作堂)
作者不明の襖絵
・「鶴図」
⇒建物とともに御所から移築されたもの

※河股幸和の襖絵の「葡萄と鹿」は、一部のWeb記事で秋と紹介されていますが、2023年秋の人形展の作品紹介パネルに夏と記載があったのでそちらに合わせています。

本堂・狩野探幽の襖絵

  • 本堂襖絵:狩野探幽の襖絵「秋草図」

狩野探幽(1602-1674):江戸時代初期の狩野派(江戸狩野)の絵師。14~15歳で江戸幕府の御用絵師になり、1625年(23~24歳)でニ条城二の丸御殿の障壁画制作チームのリーダーとして上洛。

狩野探幽の「秋草図」は本堂南側の「中央の部屋(室中)」と、同じく南側の「右側の部屋」にあります。

↓こちらの図の紫の線の部分が「秋草図」です。

室中は廊下からの見学になりり、上の写真のように中央は空いているので2面しか見れません。

襖を占めると↓このような絵柄になります。

右側の部屋は襖の前に御殿雛が飾られているので、今年は襖が全て閉められていて4面を見ることができました。

ちなみに、宝鏡寺の有料冊子「西山 宝鏡寺門跡」には、狩野探幽としっかりかかれていますが、この襖絵を紹介しているネット記事に「伝承」と書かれているものもあるので、学術的に本物とされているのかは不明です。

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本堂・日本画家・河股幸和の襖絵

八重桜と小犬 葡萄と鹿
月(伊勢撫子と鶺鴒)

※通常襖絵の撮影はNGです。オープニングイベントの白拍子さんは撮影OKだったため移り込んでいる襖絵を紹介しっていま。なお、白拍子さんにはブログ等に写真を掲載する許可をいただいたため載せています。

河股幸和かわまた ゆきかず(1960-):京都生まれの日本画家。

↓こちらの図のピングの線の部分が河股幸和さんの襖絵です。

襖絵の春「八重桜と小犬」は展示ケースで一部が隠れているので中央の2面のみ見ることができます。

阿弥陀堂の襖絵(作者不明)

  • 阿弥陀堂襖絵:作者不明「鶴図」
    ⇒建物とともに御所から移築されたもの

↓こちらの図の水色部分が襖です

廊下から鑑賞するスタイルです。

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庭園の様子を紹介|宝鏡寺・春の人形展2026

本堂の横の庭

こちら↑↓は2026年3月1日の本堂南側の庭園の様子です。

南側の庭は秋の人形展期間はイロハモミジが色づき、きれいですが春の人形展期間は落葉していているので、さっぱりした面持ちですね。

こちら↑は2026年3月1日の本堂東側の様子です。

東側は春の人形展期間中にいくつか梅の花が咲いています。

↓花の様子は分かりにくいですが光格天皇御命名の曙梅。

↓生垣前の梅。

↓阿弥陀堂側の庭の梅。

3月5日に武田薬品の京都薬用植物園で保全していた宝鏡寺の銘椿「九重」を69年ぶりに返却する献納式が行われ、↑こちらの梅の前に植えられたので、これから行く方は見ることができます。(5日時点ではつぼみ)

詳細が医薬通信社のサイトの記事(こちら)に載っています。

坪庭

↑こちらは本堂・書院・阿弥陀堂にかこまれた坪庭です。

こちらの坪庭には、全国にある椿の品種「村娘」の原木や奈良・東大寺(興福寺)から移植されたと伝えられる「奈良八重桜」が植えられています。

↑3月1日に拝観した際は、村娘がいくつか咲いていました。

鶴亀の庭

こちら↑は2026年3月1日の阿弥陀堂の北側にある和宮が幼い頃遊ばれていた「鶴亀庭」の様子です。

↓2026年3月1日は椿が咲いていました。

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レビュー(感想)|宝鏡寺・春の人形展2026

行ってよかったこと

  • 展示されている人形が多い!
  • 初公開の御殿雛が見られた!

使者の間は、基本的に1点(1組)の人形の展示でしたが、昨年の秋から京都美術工芸大学(文化財情報デザインコース)の学生さんたちが企画・運営を担当をされ、人手が増えたためか14種もの雛人形・雛道具が展示されていました。

同時に複数の人形が見られるとそれぞれの特徴がより際立って分かるので非常に良かったです!

たまたま京都美術工芸大学の先生が話されていたので知れたのですが、本堂南の右の部屋に展示されている「御殿雛」は初めての展示とのことでした。

残念だったこと

  • 各人形の解説がない

本記事内では、たまたま京都美術工芸大学の先生がプレスの方と話していた内容から、宝鏡寺の人形の特徴なども書き記しましたが、実際の展示会場では分からないことがたくさんあったので、各人形の解説がもっとあればいいなというのが正直な感想です。

特に今回の展示は、京都美術工芸大学の学生さんが、文化財調査から展示・広報物の作成まで手がけられているとのことだったので、調査結果の詳細がまとまってるサイトがあるとより鑑賞時の理解が深まるのになと思いました。

今後に期待したいです。

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開催概要・交通アクセス|宝鏡寺・春の人形展2026

公開日・時間・拝観料・問い合わせ先

【宝鏡寺】春の人形展2026
公開日 毎年3月1日~4月3日
⇒2026年3月1日(日)~4月3日(金)
※毎年3/1の11時からオープニングイベント・ひなまつりが行われる
拝観時間 大人600円
小人300円
※20名以上団体割引あり
拝観料 10:00~16:00(15:30受付終了)
問合せ
(主催)
宝鏡寺
TEL:0754511550
公式情報
公式情報はこちら

最寄り駅・所要時間・住所

【宝鏡寺】春の人形展2026
アクセス ・京都市営バス「堀川寺之内」下車、徒歩約1分
・地下鉄烏丸線「今出川」駅下車、徒歩約15分
・地下鉄烏丸線「鞍馬口」駅下車、徒歩約15分
住所  京都市上京区寺之内通堀川東入ル百々町547